金持ちは、なぜ高いところに住むのか の商品レビュー
エレベーターを軸として、高層建築が作り出す、ひとびとの認識の変容を描いたもの、といえばいいのだろうか。すこし迷いながらの言葉になったのは、本書がやや散漫なところがあるからである。 たとえば、本書で引用される名前でいえば、フーコー、カフカ、コールハースが多い。それぞれ部分で読んで...
エレベーターを軸として、高層建築が作り出す、ひとびとの認識の変容を描いたもの、といえばいいのだろうか。すこし迷いながらの言葉になったのは、本書がやや散漫なところがあるからである。 たとえば、本書で引用される名前でいえば、フーコー、カフカ、コールハースが多い。それぞれ部分で読んでいると「なるほどなぁ」と思える箇所も多いが、全体を通して読むと上記の名前らが有機的に結びついているとは言いがたい。それは本書の結論…何が言いたかったのかがよくわからない部分にもつながる。 正直、著者が書くほどエレベーターによる様々な変容というのはここまで大きいものではないと思うが、あまりこういう本もないとも思う。 ちなみに、タイトルはあんまり本書の内容と合っていない。原題はドイツ語なのでよくわからないが、そもそもが博論とのことなので、商業ベースに流す際にキャッチーなタイトルをつけたのだろう、程度に思っておくのが良い。
Posted by
タイトルはあまり関係ない。 金持ちの生態を面白おかしく書かれた本ではない。 エレベーターの社会学と言った感じ。 エレベーター発生以前は2階が最も価値が高く、技術が安定してからは8階を基調として価値が決まるらしい。 高層階に弱者が住むという階級との逆転の話。 屋上の持つ秘密めいた感...
タイトルはあまり関係ない。 金持ちの生態を面白おかしく書かれた本ではない。 エレベーターの社会学と言った感じ。 エレベーター発生以前は2階が最も価値が高く、技術が安定してからは8階を基調として価値が決まるらしい。 高層階に弱者が住むという階級との逆転の話。 屋上の持つ秘密めいた感覚がエレベーターという閉鎖された空間に移される話。 ボタンの発明による行為と結果の分断。 それなりに面白いが、タイトルに騙された。
Posted by
- 1