空の軌跡 の商品レビュー
2016年45冊目。 「気球による無着陸世界一周」「太陽エネルギー飛行機(ソーラー・インパルス)による世界一周」... 未知への挑戦を続けるスイス人飛行家の自伝。 この本のメッセージを端的に表しているのが「ラインホルド・ニーバーの祈り」だと思う。 =============...
2016年45冊目。 「気球による無着陸世界一周」「太陽エネルギー飛行機(ソーラー・インパルス)による世界一周」... 未知への挑戦を続けるスイス人飛行家の自伝。 この本のメッセージを端的に表しているのが「ラインホルド・ニーバーの祈り」だと思う。 ==================== 神よ 変えることのできるものについて、 それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。 変えることのできないものについては、 それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。 そして、 変えることのできるものと、変えることのできないものとを、 識別する知恵を与えたまえ。 ==================== 気球の飛行は風任せ。 変えることができない外的な現象に対しては、「委ねる」心を持たなければいけない。 だけど、人間側にできることもある。 それは「高度を変える」こと。 空の気流は、そのコースも、その速さも、高度によって大きく異なる。 だから、最も目的に適う気流のある場所へと高度を変え、 そしてやはり風に委ねる。 コントロールできないものを無理にコントロールしようとするとことによってストレスは生まれるし、 直観や不確実性の中でこそある掴めるチャンスもある。 僕らは、すべてをコントロール下に置いたり確実性という安定した場を持とうとし過ぎてしまう。 ==================== あらゆる疑問に対する答えを見つけ、疑問符を感嘆符で置き換えようと懸命になる。そして、部分的な説明や不十分な知識で満足してしまい、確かだと思っていることが実は先入観でしかない場合もあることに気づかない。先入観は、大きな安心感を与えてくれるものなのだ。人は空虚さに不安をおぼえるので、あらゆる疑問を説明で置き換えようとする。疑問を抱けば心は開かれるが、感嘆符を打てばそこで終わりになることを、忘れているように思う。 ==================== 風は風のままに、疑問は疑問のままに、心は心のままに。 この本は、「未知のものに飛び込むこと」と「出会ったものや感情に委ねること」を教えてくれた。
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