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沖縄戦全記録 の商品レビュー

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3件のお客様レビュー

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2024/11/02
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※このレビューにはネタバレを含みます

「米軍に斬り込みに行くから道案内してくれという訳ですよ。(兵隊は)抜き身の剣を手にしばってですね。手榴弾を4個くらい持っていた。最前線で、もう敵の声がもう聞こえるんです。今日命が亡くなるなと思いました」 (知念明さん) 「(日本兵に)上半身を裸にされて、『君はスパイだ』って言われてね。電話線で後ろ手に縛られて。軍刀を抜刀して、構えているわけですよ。あんまり癪だから、沖縄人をスパイって殺すのかと言ったら、『上から命令が出ている』って。言い分も聞かない」 (大城政英さん) 「子どもが泣いたらね、要するに弾がこっちに来る。子どもに対して『みんなの迷惑だから出てけ』と言う。人間っていったのはそんなかねと思ったね。だからもう赤ちゃんのいる人は、あんまり泣いたら外に出て」 (平良八重子さん) 毎年8月には先の大戦に関する書籍を意識して手にするようにしています。 そんな中で図書館にてお借りした1冊。 艦砲射撃やひめゆりの塔の悲しい歴史だけじゃなく、知らないといけない辛く、悲しい歴史がまとめられていました。 2015年6月14日に放送された「NHKスペシャル 沖縄戦 全記録」は、太平洋戦争中の沖縄戦を詳細に記録したドキュメンタリー番組です。 この番組は、住民を巻き込んだ日米両軍の激しい地上戦を中心に、戦争の全体像を再構築しています。 沖縄戦では、国内最大の民間人の犠牲者が出ており、判明しているだけで9万人以上が亡くなったとされています。 番組では、非公開とされてきた膨大な戦死者の記録や、アメリカ軍が撮影した秘蔵フィルム、住民の生々しい証言テープなどを用いて、戦争の真実に迫ります。 このドキュメンタリーは、戦争の悲惨さとその影響を深く掘り下げ、視聴者に強いメッセージを伝える内容となっています。 本書はそのドキュメンタリー制作秘話としてまとめられた1冊です。 日本本土への攻撃を一気に仕掛けようと、陸軍・海軍・海兵隊の総力を結集して総勢54万の部隊で沖縄に向かったアメリカ軍。 これに対して、本土防衛の最前線として、一日でも長くアメリカ軍を足止めするために沖縄で戦った日本軍の将兵はおよそ10万人。 東條英機首相が国民に対して本土決戦の覚悟を訴えた「一億玉砕」のもと、戦局が悪化する中で、国民に対して徹底抗戦を呼びかけました。 この言葉は、国民全員が玉砕(名誉ある死)を覚悟して戦うということを意味します。 特に「竹槍では間に合わぬ」という批判が新聞に掲載された際には、激怒し、その記者を懲罰召集するなどの対応を取ったことでも知られています。 民間人も含め20万人以上が亡くなったと言われる沖縄戦。 沖縄県民は4人に1人が犠牲になった。 日本軍の司令部である「首里」が陥落した後、つまり事実上の戦闘の決着がついた後に、4万6千人以上の人が亡くなった。 本書の感想として、「OKINAWA DIALY」を書いたジェームス・バーン曹長の言葉でしめたい。 「戦場のすべてを見た。もう十分だ」 その言葉には、戦争への怒りや悲しみ、虚しさといったすべての感情が込められている。 ※沖縄戦で行われたの実際の戦術 「斬り込み」竹槍を持ち爆弾を背負って、また、時には抜き身で日本刀を持ち、すべり落ちないよう布でしばって敵陣地へ。 (刀身は月光で光らないように暗く色を塗っていた) まさに斬り込みである。 「馬乗り」日本兵が潜むガマ(防空壕や洞窟)の入口付近に爆弾を投げ込み、爆発の衝撃で岩を落下させて入口を塞ぐ。 こうして日本兵を閉じ込めたあと、壕の上から穴を開けてガソリンを流し込み、爆弾などを投げ入れて中を燃やす。 「肉攻」爆弾などを抱えてアメリカ軍の戦車の下に潜り込んで爆発させる。 本の概要 県民の4人に1人が犠牲となった「沖縄戦」。住民の死者数は9万人を超える――。背景の一つにあったのは、“軍民一体化"という日本軍の方針だった。新たに発掘した日米両軍の資料や戦没者の記録、1000本にのぼる住民の証言テープにより、その全貌が明らかに。日米の兵士だけでなく住民をも巻き込んだ、"狂気の戦場"の実態に迫る。

Posted byブクログ

2019/04/07

住民、米兵、日本兵と、多様な視点から沖縄戦を見ることができる。 映像がない分、ビックデータの活用がイマイチ分かりにくかったり、衝撃的な映像といっても、読者は文字を追ってるだけで分かりにくい部分があり、挿入する画像の使い方、選び方はもう少し工夫の余地があった感。

Posted byブクログ

2016/11/27

沖縄県民が持つ“反日”感情は、この本を読むと納得できる。 「当時の沖縄は、琉球の流れが強く残っていて、皇民(真の日本国民)になりたいという気持ちだった。日本軍が入ってきた時は嬉しくて、これで守ってもらえると思った。軍の一員になることは、むしろ誇りだった。」(p77) このような...

沖縄県民が持つ“反日”感情は、この本を読むと納得できる。 「当時の沖縄は、琉球の流れが強く残っていて、皇民(真の日本国民)になりたいという気持ちだった。日本軍が入ってきた時は嬉しくて、これで守ってもらえると思った。軍の一員になることは、むしろ誇りだった。」(p77) このような思いで日本軍に協力する住民もいた。しかし日本軍は住民に対して充分配慮できる余裕はなく、沖縄住民の4人に1人が犠牲となった。 長きに渡り沖縄は搾取され続け、その上、米軍基地の拠点をも担わされている。

Posted byブクログ