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太宰治ブームの系譜 の商品レビュー

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2016/08/03

太宰の死後から現代までの太宰文学の受容のされ方を追った論文。ちょっと大風呂敷を広げすぎの感は否めないが、第一次太宰ブームでのスキャンダラスな無頼派作家という作家イメージ、太宰治全集の充実してきた第二次ブーム、第三次ブームは高度経済成長期における学生運動の学生たちによる左翼的な受容...

太宰の死後から現代までの太宰文学の受容のされ方を追った論文。ちょっと大風呂敷を広げすぎの感は否めないが、第一次太宰ブームでのスキャンダラスな無頼派作家という作家イメージ、太宰治全集の充実してきた第二次ブーム、第三次ブームは高度経済成長期における学生運動の学生たちによる左翼的な受容、現代における「太宰治は暗い」というイメージの脱却からラノベ的な受容のされ方まで。充実した論考であった。しかし死後も毎年20万部売れ続けているという太宰。その文学の根底には普遍的な苦悩や喜びが描かれているからかもしれない。表紙は絶望先生の久米田先生。

Posted byブクログ