三池炭鉱宮原社宅の少年 の商品レビュー
福岡県大牟田にあった三池炭鉱の宮原住宅。毎日の遊び、幼なじみ、学校など日々の生活の回想録。当時の宮原住宅の地図が再現されているので、それを見ながら読むと日々の生活がより想像しやすかった。もっと写真があると良かったなと思う。
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辻堂ゆめ「十の輪をくぐる」で参考文献に挙げられていたので興味を持った。 素朴な回顧録と予想していたので驚いた。筆者の知性が育まれていく過程を見る思いがした。 差別戒名については考えたこともなかったが、なるほど当然存在しただろう。無関心が差別を産んで育てるのである。
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前半,ただの少年体験記なのに何でこんなに面白いんやろなニューシネマパラダイスに似てるからかなと思いながら読み進め,中盤からの熱さにノックアウトされた感じ。リスペクトが素晴らしい。炭鉱映画を見直したくなる。
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上野英信は「1960年4月現在、三井三池労組の子どもは日本で最も幸福な子どもである」と言い放ったらしい。 著者は僕より17年早く大牟田で生まれる。しかし、僕が小学生の頃、僕の小学校区にあった社宅の記憶と、そして僕らの遊び・・・、まるで同じ時代を生きていたかのように記憶が蘇る...
上野英信は「1960年4月現在、三井三池労組の子どもは日本で最も幸福な子どもである」と言い放ったらしい。 著者は僕より17年早く大牟田で生まれる。しかし、僕が小学生の頃、僕の小学校区にあった社宅の記憶と、そして僕らの遊び・・・、まるで同じ時代を生きていたかのように記憶が蘇る。昭和30年代の宮原社宅の少年の記録は、昭和40年代の僕の少年時代の記憶と重なる。ただ、僕には三池闘争の記憶はないけど。僕の小学生時代、三池闘争と三川坑の炭塵爆発を経て石炭はすでに斜陽になり、高度経済成長から取り残された故郷はまだ「戦後」を色濃く残していた、ということなんだろう。 子どもたちと大人たちの大牟田弁の会話が、身体に沁み入ってくる。
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