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いただきます(2) の商品レビュー

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2016/10/11

ホント、中学校の図書室に置いてほしい一冊 『光とともに・・・ ~自閉症児を抱えて~』(戸部けいこ)を筆頭に、月刊フォアミセスに掲載される漫画は、大人だけでなく、子供にも読んでほしいな、と思えるものばかり どの作品もストーリーは、確かに大人向きなんだけど、中学生は読むことで、心に何...

ホント、中学校の図書室に置いてほしい一冊 『光とともに・・・ ~自閉症児を抱えて~』(戸部けいこ)を筆頭に、月刊フォアミセスに掲載される漫画は、大人だけでなく、子供にも読んでほしいな、と思えるものばかり どの作品もストーリーは、確かに大人向きなんだけど、中学生は読むことで、心に何らかの変化の兆しが生まれるんじゃないかな、と思う。それをキッカケに、親子の会話が増えたら、定期購読をしている身としては嬉しい限り 少し、話の筋が逸れてしまったが、改めて、この『いただきます』(2)の感想を書こう (1)と同じく、この巻でも、目が背けられがち、瞑られがち、誤魔化されがちの給食に関する問題に、主役の三五さんが、その巨体に見合ったガッツ、意外な柔軟な発想力で挑み、見事に解決している 他の生き物の「命」を貰うという事、子供のダイエット、宗教による食べ物のタブー、が(2)では取り上げられている どれも、学校でしっかりと取り組むべき問題だ もちろん、先生方にも都合はあるし、給食以外にも色々と大変な事があるだろう、そこは承知している でも、子供が学校に行く理由の一つは給食であり、それが蔑ろにされている、って空気は子供ほど敏感に覚ってしまうものだ 美味しい給食は、勉学や部活、友情に真摯に取り組む原動力になりうる 食の事を真摯に考え、自分たちの健康を心配してくれる大人が、学校にもいてくれるって安心感は、大人が考えているよりも結構、子供にとっちゃ救いになるんじゃないだろうか? この『いただきます』が面白いのは、ストーリーがイイってのもあるが、主役の三五さんが繊細な心を持っている事と、彼が大切な人を失うって辛い体験をし、その悲しみと向き合い、それを背負って生き、他の子どもたちの未来を守るって強さを秘めているからだろう。やはり、主人公の個性って大事 あと、何気に教頭先生も好きだ。頭が固くて、融通は利かないけど、他人の努力をちゃんと認めて、譲歩できる姿勢は大人だな、と感じる 取り分け、強く印象に残るのは、給食だけでなく、食事そのものの本質に迫っている、第4話「生命をいただきます」だ。人が活きるってのは、他の動物の肉を食べる事。野菜も、成長するってことは、生きている、と言ってもいい。つまり、野菜の命も奪っている、私たちは。罪深い、とは思う。でも、死にたくないのだ。だから、食べる、感謝をしっかり、「いただきます」って言葉に籠めてから この台詞を引用に選んだのは、三五さんの厳しい優しさを感じ取る事が出来るので。大人だって、物事の本質を見抜くのが難しいのだから、子供にそれを強いる事は出来ない。でも、大事な物を見逃さないって注意力を、この年頃から養っておくのは、決して、それからの人生において損にはならない。「見る」のではなく「視る」、「聞く」んじゃなく「聴く」が出来れば、道を踏み外したりしない?

Posted byブクログ