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地上最後の刑事 の商品レビュー

3.3

12件のお客様レビュー

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2023/11/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

世界の終わりが迫るこの状況で起こった事件の真実は、無秩序で荒廃してしまったこの現状が影響しており、こんなとき自分ならどうするのか、と考えてしまう。 実際には小惑星は落ちない(落ちるかもしれない)けれど、現在は世界は戦争、紛争、核の危機にさらされていて、こんな世界がもしかしたらやってくるかもしれない…。

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2023/03/24

地球滅亡のとき、あなたは何をしますか? いや、普通に仕事するけど、というわけである。 いやまぁ、実際どんなもんだろうね。日本だとまた違うのかなぁ。だって仕事辞めたあとにうっかり滅亡しなかったらどうするん、ってなるし。 いやこの本はそういうネタというより、そんなときの刑事の仕事とは...

地球滅亡のとき、あなたは何をしますか? いや、普通に仕事するけど、というわけである。 いやまぁ、実際どんなもんだろうね。日本だとまた違うのかなぁ。だって仕事辞めたあとにうっかり滅亡しなかったらどうするん、ってなるし。 いやこの本はそういうネタというより、そんなときの刑事の仕事とは、てなわけで、なんか微妙なパラレルワールド感がね、良いんですよ。主人公のやり方はなんかアメリカの推理小説によく出てくる気がする地道にことを運ぶタイプで、普通と言えなくもないけど、設定の勝ちか。

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2022/05/04

人間は窮地に追い込まれた時にどんな行動をするのだろうか。この小説では地球が半年後に小惑星との衝突で人類が滅びるを想定したミステリーだ。社会秩序が乱れ崩壊していく中で今まで利用してきたものが使えない不便さから希望を失う。「限られた人生の中で精一杯生きること、生きる意味を見出すことの...

人間は窮地に追い込まれた時にどんな行動をするのだろうか。この小説では地球が半年後に小惑星との衝突で人類が滅びるを想定したミステリーだ。社会秩序が乱れ崩壊していく中で今まで利用してきたものが使えない不便さから希望を失う。「限られた人生の中で精一杯生きること、生きる意味を見出すことの大切さ」だというが、人間の行動は「極限まで」読めない。現実、ウクライナ侵略戦争が世界各国を巻き込む大戦まで拡大したら人々はどんな選択をするだろうか。

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2021/01/13

小惑星衝突による地球滅亡が目前という舞台設定は、伊坂幸太郎氏の「終末のフール」を想起するが、ディストピアSF×ハードボイルドミステリーの融合は中々目新しい。終末的世界観にはおよそ似つかわしくない格式張った新米刑事という主人公のキャラクターも物語をグッと引き立てている。何より、こ...

小惑星衝突による地球滅亡が目前という舞台設定は、伊坂幸太郎氏の「終末のフール」を想起するが、ディストピアSF×ハードボイルドミステリーの融合は中々目新しい。終末的世界観にはおよそ似つかわしくない格式張った新米刑事という主人公のキャラクターも物語をグッと引き立てている。何より、この題材で敢えて地味目の警察小説を描く著者のバランス感覚が兎に角素晴らしい。惜しむらくは、読者を置いて先走り気味の文体に私が乗り切れなかったことだろうか。筋書きがシンプルな分、この特異な設定の鮮度を最後まで保つ難易度は想像に容易い。

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2019/11/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

よい。わたしはすき。 世界の終わりが来るのに、粛々と職務を全うし続けるパレスに好感。抑えた筆致で描かれる地味で地道な淡々とした捜査の、ふとした隙に終末へ向かう世界という設定が浮かび出てくるのがよい。パレス恰好良い。

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2018/11/14

ほんとに地上最後の刑事。 つまりSF要素が入っている。 ミステリーとSFのどっちが強いのかといわれればミステリー、 なのにミステリー部分があまりうまく書けていないということもあり、 地球の将来ばかり気になってしまう。 三部作だって。 どーなるのー?!

Posted byブクログ

2016/10/16

賞をとる小説かな?あんまりすんなり読めなかったのが正直な感想。 小惑星衝突があっての話だがSF度はほとんどない。では、普通の現代ものの警察小説かというと滅亡までカウントダウンという設定で人物の行動が左右されている。でも携帯電話などがメンテナンスがされないか何かで繋がりにくいのに電...

賞をとる小説かな?あんまりすんなり読めなかったのが正直な感想。 小惑星衝突があっての話だがSF度はほとんどない。では、普通の現代ものの警察小説かというと滅亡までカウントダウンという設定で人物の行動が左右されている。でも携帯電話などがメンテナンスがされないか何かで繋がりにくいのに電力の問題は無さそう。みたいにどうも滅亡までカウントダウンの状況がSF好きにはピンと来ない作品でした。

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2016/10/15

世評は概ね高いが、私は最後まで退屈で仕方なかった。半年後に小惑星が衝突し人類が滅びるという設定は、フィクションとしては手垢のついたものだが、それを加味したミステリとして意識しつつ読み終えても、さほどの新鮮味は感じなかった。本作は三部作の第一弾で、最終作では絶滅まで後一週間となって...

世評は概ね高いが、私は最後まで退屈で仕方なかった。半年後に小惑星が衝突し人類が滅びるという設定は、フィクションとしては手垢のついたものだが、それを加味したミステリとして意識しつつ読み終えても、さほどの新鮮味は感じなかった。本作は三部作の第一弾で、最終作では絶滅まで後一週間となっている。極めて異常な状況下で、極めて平凡な刑事を主人公に、極めて凡庸なミステリが展開する。幾らでも面白くなる要素はあるのだが、第一作を読んだ限りでは、〝敢えて〟奇をてらうことを避け、絶望と退廃感が徐々に人心を蝕んでいく情景/エピソードが抑え気味に語られる。これが果たしてリアリティに富むものかどうかは読者の受け止め方次第だが、仮にこのような事態になれば、政府による完全な統制は為されず、管理抑制された理性の効く社会とは真逆となり、半狂乱の地獄絵図さながらに終焉していくだろう。物語は、保険会社の男の自殺に疑念を抱いた新米刑事が、荒んでいく街の中で地道な捜査を続けた末に真相に辿り着くという展開だが、主人公が事件に執着する動機付けに乏しく、頻発してるであろう他の犯罪などに殆ど触れていかない。絶望の中に僅かな希望を見出し、高尚なるヒューマニズム賛歌として読み取ることは可能だが、残された時間の中で一介の刑事が為すことの不条理さばかりが際立つと感じた。

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2016/08/08

半年後には、地球への小惑星の衝突によって、人類が滅亡すると明らかになった世界で、刑事になりたてのヘンリー・パレスは、一人の男の自殺に見える死について捜査します。 絶望的な状況を悲観して、ある者は仕事を辞め「死ぬまでにやりたいことリスト」の実現に注力し、ある者は自殺するなどが当たり...

半年後には、地球への小惑星の衝突によって、人類が滅亡すると明らかになった世界で、刑事になりたてのヘンリー・パレスは、一人の男の自殺に見える死について捜査します。 絶望的な状況を悲観して、ある者は仕事を辞め「死ぬまでにやりたいことリスト」の実現に注力し、ある者は自殺するなどが当たり前になった世界。 周囲の誰もが男の死を自殺と見る中で、ヘンリーはひたすらに殺人の可能性を見据えて捜査を続けます。 読んでいて、何度も考えさせられるのは、もちろん「なんで、彼はこの状況で、こんなに刑事らしく捜査を続けてられるんやろう」ってことです。 数少なくなった同僚の中にも、状況に怯え人生を悲観するものがいるというのに…事件を解決したって絶望的な未来が変わるわけではないのに… 彼の両親に関するある出来事が、その理由のようにも思えるのですが、最後まで読み切っても確信にはいたりませんでした。 でも一つ確かなのは、そんな彼が地味ではあるものの、間違いなく「カッコいい」ってことです。 タイトルからイメージするとおりの、彼の矜持とその揺るぎなさは、読者全員を惹きつけるのではないかなぁ。 ラストでは、事件の本筋はもちろん、それとは別のもう一つ、いやもう二つくらいの衝撃が用意されていて「いまからどうなるの!?」と驚いていたら、何と三部作の第一作目なんですね。 すでに、ハヤカワ・ミステリでは完結しているようですが、続巻の文庫化を楽しみに待ちます。

Posted byブクログ

2016/07/30

巨大隕石が地球に衝突する約半年前に発生した殺人事件を追う刑事ヘンリー・パレス。遺体の発見状況からみて自殺と判断されそうな事件であるが、パレス刑事は殺人事件として捜査する。あと半年で人類が滅亡するかもしれないときに、そんな面倒な仕事をしなくてもいいのではと思うが、きっちりとした性格...

巨大隕石が地球に衝突する約半年前に発生した殺人事件を追う刑事ヘンリー・パレス。遺体の発見状況からみて自殺と判断されそうな事件であるが、パレス刑事は殺人事件として捜査する。あと半年で人類が滅亡するかもしれないときに、そんな面倒な仕事をしなくてもいいのではと思うが、きっちりとした性格の被害者に報いるようにパレスも粛々と捜査をする。そして真相にたどり着く。 本書の舞台のような極限状態で、人類がどのように振る舞えるかを問われた作品だ。このような状態では群衆が勝手し放題となり秩序なき世界に移りながら最後を迎えそうであるが、まだ落ち着いていららるくらいの聡明さは残っているようだ。きっと作者が人類はこうであってほしいとの願いもあるのかもしれない。殺人の動機も泣かせるものだ。人間の弱さと強さと優しさが出ている。自分だったらどう行動するだろうかと常に考えながら読み進めた。考えすぎると気が重くなるので注意。 本作品は三部作の最初の作品だ。次の作品「カウトダウン・シティ」や三作目の「世界の終わりの七日間」も読んでみたいと思う。人類がどんどん滅亡に向かって時が過ぎるなか、パレスがどのような行動をとるのか楽しみである。

Posted byブクログ