ロケット・ササキ の商品レビュー
孫正義、西和彦、スティーブ・ジョブズなど知ってる人の若い頃を知ることができて面白い。樫尾四兄弟とか電卓戦争なんかも掘り下げて調べてみたくなった。
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シャープの伝説、佐々木正の伝記。大阪でも決して大きくないシャープが電卓でのし上がったのはこの人の功績。創意工夫合戦とも言えるカシオとの電卓戦争にはもうちょっとページを割いて欲しかったが、それでも営業職時代のバイタリティあふれるエピソードやジョブス、孫正義との出会いもあり佐々木正を...
シャープの伝説、佐々木正の伝記。大阪でも決して大きくないシャープが電卓でのし上がったのはこの人の功績。創意工夫合戦とも言えるカシオとの電卓戦争にはもうちょっとページを割いて欲しかったが、それでも営業職時代のバイタリティあふれるエピソードやジョブス、孫正義との出会いもあり佐々木正を知るうえでベーシックなエピソードいいとこ取りの本。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
話や時代が急に飛ぶような箇所がちらほらあり、文章としては微妙な面が無きにしも非ずですが、ジョブズやら孫正義やらの著名な人間にも大きな影響を与え、「共創」という信念を持ちシャープを大きく牽引した主人公佐々木正や、それに関わる人々の話でちょびっと熱くなりました。「電子立国日本」と言われたような時代は彼らが作ってくれたんですね。
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物語然としすぎている感もあるが、技術者としての立志伝に見る科学的知性ばかりでなく 名だたる人物間を紡ぐカタリストとしての偉大さは国家ひいて世界においていかに意義があったか。 「シャープ崩壊」であまり意識しなかった暗部にも壮大な物語があった。
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今年亡くなった報道を聞き、ジョブズや孫正義があこがれたという謳い文句に惹かれて読んだ。 シャープの佐々木正。こんなに気骨のある技術者が居たのかと。 海賊と呼ばれた男の出光左三はリーダー・経営者としての凄さを感じたが、 佐々木正は技術者として、しかも電子・情報という同じ業界の技術者...
今年亡くなった報道を聞き、ジョブズや孫正義があこがれたという謳い文句に惹かれて読んだ。 シャープの佐々木正。こんなに気骨のある技術者が居たのかと。 海賊と呼ばれた男の出光左三はリーダー・経営者としての凄さを感じたが、 佐々木正は技術者として、しかも電子・情報という同じ業界の技術者で、 さらに人をつなぐ触媒というのは自分の理想像。その理想像を体現する人は 想像を超える生き様の人だった。 ジョブズとのやりとりの場面、その後ビルゲイツとの提携を知った佐々木の独り言 「君は独創的な人間だが、一人では世の中を変えられない。人類は共創で進歩してきたんだ。他人と手を組むんだ。」 「君の言うとおり、彼には足りないものがある。しかし君にも足りないものがある。だから共創するんだ。二人で世界を変えていくんだ。」 「そうなんだジョブズ。人類の進歩の前に、企業の利益など、いかほどの意味もないのだ。 小さなことにこだわらず、人類の進歩に尽くすのが、我々、技術者の使命なんだ。」 人と人との繋がりで新しい世界を切り開いてきた人だからこそ言える。電話一本で自社他者関係なく人をつなぐ。今、そんな人がいるのだろうか。企業の利益を上げるための競争の為に、相手に盗まれないようにと、自分の中や会社の中に閉じこもる。 それにしても、1970-80年代は激動で刺激的な時代だったんだろうな。
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この本を読むまで全く知らなかった。 これはスゴイ。レベルが違い過ぎる天才だ。 日本にもこんなスゴイ人がいたのかと、感心する一方、なぜこういう人材が今の日本から輩出できないのか? 時代背景の影響だけではない、大切な何かが現代は欠けているのではないだろうか。 まさに平和ボケだからか?...
この本を読むまで全く知らなかった。 これはスゴイ。レベルが違い過ぎる天才だ。 日本にもこんなスゴイ人がいたのかと、感心する一方、なぜこういう人材が今の日本から輩出できないのか? 時代背景の影響だけではない、大切な何かが現代は欠けているのではないだろうか。 まさに平和ボケだからか?そんな事すら感じてしまう。 当時だってササキは異質な存在だったはずだ。 しかしそれを周囲も受け入れ、自由に行動させる風潮が社会全体で容認されていた。 イノベーションは管理政策からは絶対に生まれない。 自由な発想と共創こそが最も大切なのだ。 そのことをササキは人生を駆けて体現した。 ササキの人生の起点は、幼少期の体験だ。 生まれてから京都大学に入学するまで、日本統治下の台湾で暮らしたことが、ササキの人生を決めたのだ。 日本であって外国。日本統治下であっても、現地の人達といかにこれから協力して台湾を開拓していくか。 その様子を間近で見て接した幼少体験は大きな意味を持つ。 ササキの魅力は、本人の一技術者としての能力だけに留まらない。 一つの目的のために他者と協力し、持っている技術は分け与える。 更に先入観なく優秀な人材を抜擢し、目標に向かって高みを目指していく。 そういう感覚は、幼少時代の体験が刷り込まれたからこそなのではないだろうか。 戦争体験も大きく影響をしているはずだ。 1915年生まれのササキは、終戦時で30歳。 技術者のササキは軍需工場の工場長を任されている。 この頃からすでにマネジメントを経験できている点が、今の時代と大きく異なる点だ。 今の時代は少子高齢化の影響で、40歳50歳になっても、部下が入らず管理職にすらなれない人が多い。 これでいきなり部門長を抜擢されても、今まで全くリーダー経験がないために、部下を育てる準備すら出来ておらず、機能不全を起こしているのだ。 これは、日本全体の特に歴史のある会社ほど同様のことが起っている。 若い内からリーダーとしての資質を伸ばしていかないと、将来のマネージャーには絶対に成り得ない。 若くして現場だけでなく、マネジメントも勉強させる。 そしてグローバルな視点と人脈、経験を早くから植え付ける。 日本社会全体でこういうことを実践していかないと、本当に人が育たない。 この辺はこういう伝記を読むたびに痛感させられることだ。 確かにササキは突出している。 最後はシャープの副社長という肩書だったが、レベル的にはそんな器では決してない。 日本を技術立国として牽引したのは、間違いなくササキの功績だ。 自分のような凡才にはとても真似は出来ないが、こういう人達の足跡を知ることで「その中でも自分ならこれは真似できるのではないか?」と考えることが出来ると思うのだ。 何よりすごいのは、1915年生まれのササキが、102歳まで生きたことだ。 なんと2017年という、つい最近までこの世に存在していたというのが本当に素晴らしい。 長寿もそうだが、情熱を持って人生を生きること。 こういう人になりたいと思うし、少しでも近づければと思う。 まだまだ諦めずに前に向かって進むしかない。 (2020/6/20)
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こんな会社というより人物がいたのか、と言うのが率直な感想です。 単なる調整役ではなく、真に技術の融合を目指す方として、共感出来ましたし刺激になりました。日本の深さを知るのに良書です。
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2019/04/10 図書館で借りる 技術を生業とするものであれば,この佐々木正氏の生き様には誰もが共感できるであろう. 読んで,モチベーションが上がる一冊. こういう本に出会えたときの喜びは大きい. ●P202 ・1の次はゼロというのはおかしい. ・数学的に考えれば,ゼロと...
2019/04/10 図書館で借りる 技術を生業とするものであれば,この佐々木正氏の生き様には誰もが共感できるであろう. 読んで,モチベーションが上がる一冊. こういう本に出会えたときの喜びは大きい. ●P202 ・1の次はゼロというのはおかしい. ・数学的に考えれば,ゼロと1の間には,1/2も1/4もある. ・数学の場合,複雑になりすぎた式は,一度分解して機能別に整理し直した方がスッキリする. →機能分割. →必死にワンチップに詰め込んできたものを,もう一度バラバラにする LSIからMPUにシフトして大成功したのが,インテル. LSIは,それ自体が一つのコンピュータであり,一つのチップがそれぞれに,CPU,ROM,RAMを持つ. 一つのチップに収まっているこの3つの機能をバラバラに分割し「小さな命令を組み合わせて,大きなプログラムを実行させる」というのが,インテル4004の設計思想. こうすることで,CPUの構造は単純にしたまま,他のデバイスとの組み合わせにより,複雑な機能をもたせることができる. ●P207 人と人をつなげることが,新しい価値を生む.それが,佐々木の信念. ●孫正義氏の書評 https://honz.jp/articles/-/45156
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佐々木正については、名前を聞いたことがあるような気がする程度しか知らなかったが、迂闊であったと本書を読んでまず思った。こんな凄い人を何で知らなかったのだろう?実質的にというか技術的にシャープのトップなのにマスコミにも技術系の雑誌でも取り上げられらことはあまりないのではないだろう...
佐々木正については、名前を聞いたことがあるような気がする程度しか知らなかったが、迂闊であったと本書を読んでまず思った。こんな凄い人を何で知らなかったのだろう?実質的にというか技術的にシャープのトップなのにマスコミにも技術系の雑誌でも取り上げられらことはあまりないのではないだろうか。電卓戦争もシャープよりカシオに目が行ったからだろうか。 それにしても、本書が氏のいい面素晴らしい面しか書いていないので話半分にしても、図抜けた存在に違いない。日本の高度成長期を作り上げたエレクトロニクスの立役者として、ソニーの盛田井深、松下幸之助などと肩を並べる存在だと思う。 亡くなったのは昨年2018年102歳という。このような人はもう出てこないかもしれない。R.I.P.
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日本の半導体産業が負けた理由。それは技術を外に漏らしたことではなく、自らが足を止めたこと。 とても示唆に富んだ言葉でした。 佐々木正さん、日本が誇るべき偉大な方です。 とても読みやすく一気に読んでしまいました。
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