1,800円以上の注文で送料無料

京都好き の商品レビュー

3

1件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    0

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2019/08/12

京都の佇まいや様子を活写した名文集。手のひらにすっぽり収まる可愛いサイズで、コミケに行く電車の中でまで、夢中で読んだ。高野悦子・池波正太郎・山田詠美・早川茉莉・みうらじゅん…上村松園までが一堂に会するアンソロジー。 この組み合わせか!と思うような、意外な方が、京都について名文を...

京都の佇まいや様子を活写した名文集。手のひらにすっぽり収まる可愛いサイズで、コミケに行く電車の中でまで、夢中で読んだ。高野悦子・池波正太郎・山田詠美・早川茉莉・みうらじゅん…上村松園までが一堂に会するアンソロジー。 この組み合わせか!と思うような、意外な方が、京都について名文をものしている。それは、長きに渡って京都という街が持っている魅力を表している。時代はすっかり様変わりして、暮らし方も読書の形態も変わってしまっても…それはずっと続いていくもののような気もした。また、こうして拾い集めては読めるようにしておかないと、忘れてしまうもののような気もした。 そう。田舎に帰って、自分はよく知っているのだけど、もう古くなってしまったレコードや写真を、帰郷した時に必ず開き、随分昔になっちゃったなあ…と見返して、でもおうちの様子は、ちゃんと変わらない部分がたくさんあるので、安心して馴染みの喫茶店にお茶を飲みに行き、お店が変わらなかったり、そこまでの道沿いが変わったりの、変化と懐古を両方楽しむような、そんな本だった。 旅行ガイドの一冊として編まれているが、そんなだからあまり、ガイドとしては用をなさない。最新のガイドブックを片側に置いて、そこに出てきた場所を丸つけながら、「ここなのね」「きっと行こう」とやればガイドとしても使えるけれど。 喫茶ソワレや進々堂、イノダコーヒーや京都ホテルのラウンジなどなら、私も憧れるし知ってたけど…。京都の方は、各々ご自身の好きなお店をお持ちな気もした。そして、それは本には出てこないのかもしれないし、出てきても私には、たどり着けない気もした。 川床で鱧を頂きながら、宵明かりを見たいけれど、それもこの昨今の暑さではどうだろう。吉井勇を気取っても鴨川のせせらぎは、聞こえるだろうか。 作品の集め方が、何となくもう少し、もっといい感じになりそうな気もしたし。読み手の私が上手く受け取れていない気もしたので、星3に。ずっと読みたくて探した本なのに、ごめんなさい。

Posted byブクログ