ドン・キホーテの消息 の商品レビュー
[関連リンク] 正気と狂気がせめぎ合う場所──『ドン・キホーテの消息』 - 基本読書: http://huyukiitoichi.hatenadiary.jp/entry/2016/06/10/173000
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行方不明になった老人を探す探偵/お供にサンチョを連れた騎士ドン・キホーテ。それぞれの遍歴を多層的に描いていく。これはSFなのか。哲学だと言われたら「はあ」と答えるしかないし、もしかしたら怪奇小説かゾンビ小説かもしれない。 探偵の足取りは次第に騎士の足取りと重なり、滲んで、溶け合う...
行方不明になった老人を探す探偵/お供にサンチョを連れた騎士ドン・キホーテ。それぞれの遍歴を多層的に描いていく。これはSFなのか。哲学だと言われたら「はあ」と答えるしかないし、もしかしたら怪奇小説かゾンビ小説かもしれない。 探偵の足取りは次第に騎士の足取りと重なり、滲んで、溶け合うかと思えば分離する。そして混じり合うのは単純な二つの層だけじゃない。これは文字通り、引き込まれる。メタはメタでもどこまで越えて巻き込めば気が済むの。 序盤はなんとなくぎこちない?ように感じたけど、それも次第に深まる混乱とのくっきりしたコントラストになってしまう。それくらい後半の語りが圧巻。 とにかく騙されたと思って。騙されはしない全部わかってるんだと思いながら騙される。騙されたい。だからメタフィクションは気持ちいい。
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