ユニコーン の商品レビュー
以下は、怨み節……、では、ありませぬ。アイリス・マードックの『ユニコーン』は、まずもって読書ではなく否応なしの「原典講読」だったんだ!第6章最後まで、ちゃんと読んだ形跡があるのだが、それなのに『ユニコーン』(晶文社)の日本語に、移入できない(今でも日本語で書かれていることの意味が...
以下は、怨み節……、では、ありませぬ。アイリス・マードックの『ユニコーン』は、まずもって読書ではなく否応なしの「原典講読」だったんだ!第6章最後まで、ちゃんと読んだ形跡があるのだが、それなのに『ユニコーン』(晶文社)の日本語に、移入できない(今でも日本語で書かれていることの意味が理解できないことがある)。違和感ばかりが大きくなった。なんか、違う!だったら私は自分が読んだものを信じる!と、無鉄砲にも邦訳を捨て、私はマードックの他のエッセイなども自力で読んだ。無謀で生意気だった。そこにまたヴァージニアという名のウルフが襲ってくる。「ダロウェイ夫人」とか「灯台まで」とか。私たちは、それに加えてジョイスのダブリナーズやロレンスのノーカット版「チャタレイ夫人」なども抱えていた、ヘンリー・ジェイムズおじさん、も。ありがたいことに「英文」に偏ってはいたけれど、他には米「奇跡の人」のオリジナル台本を隅からすみまで読み込んで暗記する、という時間もあった。1年半余りの間に課された量として、少なくはなかったはず。他の勉強だって必要だったのだし、そもそも私、英文学徒ではないのだぁ……!!あのときのどさくさのおかげで、ジェーン・オースティンが少し彼方に追いやられたような気が……。やはり気をとりなおしてこれらを整理し、ウルフやオースティン、ジョイスもマードックも、そしてロレンスも味わえるようになりましょう。私「ノーカット・チャタレイ夫人」をみっちり読んだんだ、という妙な自負は持っているんです。
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