ユーコン川を筏で下る の商品レビュー
「汽車に乗って1000マイルいっても、バカはいつまでもバカのままだが、カヌーで100マイルもいけば、その人は自然児になる」 あるカナダの元首相の言葉である。 カヌーイストの筆者は齢75才にして、アラスカのユーコン川を筏で下る24日間の旅に出た。 「三〇代の終わりに離婚し...
「汽車に乗って1000マイルいっても、バカはいつまでもバカのままだが、カヌーで100マイルもいけば、その人は自然児になる」 あるカナダの元首相の言葉である。 カヌーイストの筆者は齢75才にして、アラスカのユーコン川を筏で下る24日間の旅に出た。 「三〇代の終わりに離婚したとき、ぼくは自分の人生を、こつこつ働いで作り上げることをやめ、放り出した」 なぜ川下りをするかといえば、楽しいからの一言に尽きる。 しかし、日本社会ではそれが理解されない。 だから、アラスカまで来てユーコン川を下る。 ユーコン川には世界中の川仲間が集まる。 川で出合った人たちとのふれあい、筆者の経験からの言葉、何もない荒野の自然が語られる。 死んでいない状態が生きているということではない。 生きる力とは何かを、雄大に流れる川に問う。
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いいなぁ。こういう旅憧れる。 自分で行く度胸はないですが。 生きる力と現地の人となじむコミュニケーション力。 若い人にもすごい人はいっぱいいると思うけれど、 戦中、戦後を、豊かな日本の自然を過ごしてきた世代は 全般的に、全然違うのだろうな。 BE-PAL読んでたから、手に取った...
いいなぁ。こういう旅憧れる。 自分で行く度胸はないですが。 生きる力と現地の人となじむコミュニケーション力。 若い人にもすごい人はいっぱいいると思うけれど、 戦中、戦後を、豊かな日本の自然を過ごしてきた世代は 全般的に、全然違うのだろうな。 BE-PAL読んでたから、手に取った一冊です。 オトモの犬たちも良し。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
著者が手づくりの筏で夏のユーコン川数百kmを下る実録。メンバーは合計8人だが野田さんと愛犬2匹以外は既製品のカヌーに乗っている。 そもそも野田さんの生き方に憧れて自分もカヌーをはじめたので、つまらない内容のはずはない。特にメンバーがキャンプ地以外はそれぞれが目が届かないくらい離れて自由に釣りなどを楽しみながら下っているところがいい。自分も仲間とつかず離れずでアウトドアを楽しむのが理想だ(実際にアウトドアに出かけるとリーダー的存在に「おんぶにだっこ」という集団が多いように思える)。それをユーコン川という途方もない大地でやりつくしている様子にワクワクした。 ほかの内容としては、途中で出会った外国人カヌーイストとの触れ合いが多い。そこばかりではなく、釣った魚の手ごたえや料理方法、川の流れの気持ちよさや激しさ、大地の感触など現地の風やにおいをもっと感じることができれば満点だった。 また、「おわりに」の「あることをきっかけに自由に生きることを決めた」といった記述が心に響いた。自分も転職を繰り返したのちにその決断をし、今でも試行錯誤を続けているので共感したのだと思う。ちなみにサラリーマンを続けるのも自由に生きるのも同じくらい難しい。1年に1回は就職活動をしたくなる。でも自由になって胃が痛くなることはほとんどなくなったので、やはりこのままで行こうと思ってしまう。
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先日モンベルに行ったら野田さんのトークが店内に流れていて、その声がなんだかおじいちゃんになったなあと、ちょっと寂しく思っていました。 が、その後この本を読んで、やっぱり野田さんは野田さんだーと安心しました。 20代の時に野田さんの本に出会い、大いに影響を受け、自然環境について(...
先日モンベルに行ったら野田さんのトークが店内に流れていて、その声がなんだかおじいちゃんになったなあと、ちょっと寂しく思っていました。 が、その後この本を読んで、やっぱり野田さんは野田さんだーと安心しました。 20代の時に野田さんの本に出会い、大いに影響を受け、自然環境について(特にダム)真剣に考えるきっかけを与えてもらいました。 と同時に、遊びの楽しさや自由に生きる意味など、人生において大切なことをいろいろ教えてもらった気がします。まあ私より数倍夫が、ですけど。 自由でいるための孤独や強さなんかも理解できる年齢になり、今は野田さんをあらためて尊敬しています。 シンプルライフを貫ける人間は本当の強さを持った人だと思います。 ユーコンいいですね~。大自然の雄大さに心が浄化されました。 筏は、今の年齢ならではかも。いつでも本気で遊ぶ姿が眩しいです! 写真、もっと載せて欲しかったなあ。
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かつて日本人が外国に自由に渡航できなかった頃、大学の冒険部などに飾られている写真は、山ならエベレスト、水ならユーコン川だった、という。 そのユーコン川を、カヌーイストの野田知佑が、カヌーではなく筏で下る、というお話。 いや、カヌーでも筏でも、どっちみち道楽だから! と突っ...
かつて日本人が外国に自由に渡航できなかった頃、大学の冒険部などに飾られている写真は、山ならエベレスト、水ならユーコン川だった、という。 そのユーコン川を、カヌーイストの野田知佑が、カヌーではなく筏で下る、というお話。 いや、カヌーでも筏でも、どっちみち道楽だから! と突っ込みたくなるが、まあ、とにかく真剣に遊んでいる、そんなお話。 昼間は自分と二匹の犬と、筏で下る。夜は川岸でキャンプする。というとすぐに終わっちゃいそうな話だが、なにしろ3000kmを超える長大な川である。いくらでもドラマが詰まっている。 結局、人との出会いがメインであるから、筏の上にいるときよりも、上陸時の話が多い。「可愛い子にはユーコンを」なんていう親子も出てきたりする。日本人の初心者女性カヌーイストが漂着したりもする。 僕自身は、人生でそう何度もない(といいなあ)激務に追われ、毎日するはずの読書レビューを、週に二度も穴を開けてしまうという、おそらく数年なかったはずの(はじめてか?)屈辱に見舞われた。だが読書から何かを得ようとしてはいけない。これだって筏下り級に道楽なのだから。なので今日はせっかくだから、この本を選んでみた。気分が楽になる。あ、何かを得てしまった。やっぱり、自由に流れてみたい、なんて思う。
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僕の人生の師の一人野田知佑氏が、ユーコン川を筏で下った!正しく最新刊!久しぶりだなあ。もう本出さないんじゃないかと悲しい気持ちでいたのでウキウキでした。何しろまた冒険に出てくれたのがとても嬉しくて、75歳になってまだ攻めているのが励みになります。僕も80歳まで歌いたいなと思ってい...
僕の人生の師の一人野田知佑氏が、ユーコン川を筏で下った!正しく最新刊!久しぶりだなあ。もう本出さないんじゃないかと悲しい気持ちでいたのでウキウキでした。何しろまた冒険に出てくれたのがとても嬉しくて、75歳になってまだ攻めているのが励みになります。僕も80歳まで歌いたいなと思っていますので。 さて、内容ですが今までとは違い仲間たちと筏でのんびり下りながら懐かしい人々との再会や、新たな出会いを書いてくれています。新味ははっきり言ってありませんが、以前の文章の引用やエピソードの紹介が、今まで読み続けてきた身としてはかえってジンとする感じでした。人間いつまでも若くいられるわけではありませんが、限られた時間を精一杯生きたいです。昔は彼のエッセイを憧憬を込めて繰り返し読んでいましたが、今は僕も自分の世界を構築し今でも挑戦しています。いつの間にやら野田学校は卒業して一読者として純粋に楽しめるようになったかもしれません。
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カヌーイストの野田さんが、仲間たちと犬たちと今度は筏でユーコンを下ります。 日本の川に警鐘をならし続けている野田さんですが、ユーコン川にも、少しずつ変化はあるようです。 以前のユーコン行きのエピソードも交えつつ、野田ワールドは広がるのです。
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