別冊NHK100分de名著 「平和」について考えよう の商品レビュー
ロシアのウクライナ進攻。 中東でも中国、北朝鮮でもなく、東欧の文明国と思っていたロシアが、まさか。 スマホによって、リアルタイムに発信される戦況。被害を受けたウクライナの人々の、生の声と表情は、戦争というものの圧倒的な破壊と惨状を物語っていて、それが今まさに起きているということを...
ロシアのウクライナ進攻。 中東でも中国、北朝鮮でもなく、東欧の文明国と思っていたロシアが、まさか。 スマホによって、リアルタイムに発信される戦況。被害を受けたウクライナの人々の、生の声と表情は、戦争というものの圧倒的な破壊と惨状を物語っていて、それが今まさに起きているということをダイレクトに伝えている。 戦争とは何なのか、平和とは何なのか、少しでも考える端緒を得たいと思い読みました。 フロイトのエロスとタナトス、ブローデルの地中海、西鶴の日本永代蔵、ヴォルテールの寛容論。時代も場所もそれぞれ異なる著作から、平和とは何なのかを考えるためのヒントを興味深く与えてくれる。 死の欲動によって避けがたく攻撃性を孕んでいる人間は、経済的格差や宗教上の信仰の相違などから、他者を攻撃する。 生の欲動は、それとは反対に、他者を理解しようとし、継続的な対話に努める。人に対してだけでなく、物に対しても持続可能なあり方を体現していた江戸時代の知恵や、多くの人たちと分かち合うことのできる文化、芸術。 他者に対して寛容であることを志向すること。 それらを祈り、考え続けること。
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【概略】 「平和」のために、自分達ができることは、なんだろうか?そもそも、「平和」ってなんだろう?そんな「平和」に関する疑問を、異なる時代・異なる文化背景から誕生した4冊の名著を通じて、考えてみる本。NHKのEテレで放送された特番「100分 de 平和論」をムック化したもの。 ...
【概略】 「平和」のために、自分達ができることは、なんだろうか?そもそも、「平和」ってなんだろう?そんな「平和」に関する疑問を、異なる時代・異なる文化背景から誕生した4冊の名著を通じて、考えてみる本。NHKのEテレで放送された特番「100分 de 平和論」をムック化したもの。 2019年04月23日 読了 【書評】 これまた「平和」を学ぶために読んでみた一冊。・・・正直、読めば読むほど、平和について何を語ってよいのか悩む。読めば読むほど、平和について語るだけの背骨の太さを持ち合わせていないことに気づくから。 ・・・と、個人的な悩みはともかく、この本、読み物としてはとても読みやすく、素材として紹介された4冊についての読書意欲をかきたてる内容だった。いわば、ビブリオバトル教本のような。それは、逆に言うと、平和に対して、決定的なものを示すことができていない・・・「論」としての本ではない、ということになるのだけどね。 ただなんとなく、うっすらだけど、第1章のフロイトが示した「エロスとタナトス 生と死への欲動」そして、第3章の井原西鶴が示した「始末」という美学、+お米を拾って材を成した人の話・・・この辺りを考えると、人間が前提としてもっている「両面」を、どううまく転換させるか?という点がポイントのような気がした。「平和を仕事にする」といったところか。 それでもなお・・・じゃあ、そこに「喜餅」の要素をどう入れていけばいいのかは、悩むところなのだけどね。
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一年に一回のペースでO.A.されているスペシャルは特に内容、人選ともに大変興味深く蒙を啓かれる。経済、心理、歴史。つまりおよそ平和を取り巻く全方位から論考、議論されるため、立体的かつそれぞれの書のエッセンスにとどまらず、タイムリーな論議にもなっており、実践実用的だ。 とりあえず...
一年に一回のペースでO.A.されているスペシャルは特に内容、人選ともに大変興味深く蒙を啓かれる。経済、心理、歴史。つまりおよそ平和を取り巻く全方位から論考、議論されるため、立体的かつそれぞれの書のエッセンスにとどまらず、タイムリーな論議にもなっており、実践実用的だ。 とりあえずは過去作をコンプリートしようかと。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
フロイト『人はなぜ戦争をするのか』、ブローデル『地中海』、井原西鶴『日本永代蔵』、ヴォルテール『寛容論』。心理学、経済学、江戸文学、哲学と、それぞれ切り口は違えど、平和の維持と創造のヒントを名著から見出せる。
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心理学者はフロイトの「対話」、経済学者はブローデルという人の「寛容」を.歴史学者は西鶴の「信頼ー循環型社会」.むすびは哲学者が、「Pray,and think=祈ろう、そして考えつづけよう」と、深化させる. 本書は番組で放送されるか、さだかではない.しかし、「別冊」というか...
心理学者はフロイトの「対話」、経済学者はブローデルという人の「寛容」を.歴史学者は西鶴の「信頼ー循環型社会」.むすびは哲学者が、「Pray,and think=祈ろう、そして考えつづけよう」と、深化させる. 本書は番組で放送されるか、さだかではない.しかし、「別冊」というからには、放送はないがテキストは出版、そういうことか. 担当プロデューサーの関心が注目される.「平和の祭典」というオリンピックイヤーにむけて企画していたら、昨11月13日に「パリ同時多発テロ」が発生した、と. 「平和について名著から学んでみるのはどうだろう」.その問いは、時代に<後押し>されたかの、感. 広く読まれて、<混迷のトキに、合意形成が拡充してほしい>.期待感を抱かせる.
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