シンギュラリティは近い の商品レビュー
コンピューターの計算能力が上昇していくので、人間の脳と同じ程度の情報処理 計算能力を持つコンピューターは近い将来1000ドル程度となる。 コンピューターの能力上昇は続き さらにそれは指数関数的上昇であるから、近い将来には、脳機能の精密な分析を通じて、人間の脳の完全なコピーや機械...
コンピューターの計算能力が上昇していくので、人間の脳と同じ程度の情報処理 計算能力を持つコンピューターは近い将来1000ドル程度となる。 コンピューターの能力上昇は続き さらにそれは指数関数的上昇であるから、近い将来には、脳機能の精密な分析を通じて、人間の脳の完全なコピーや機械へのアップロードは可能となる。 感想) 前者の情報処理能力についてはコンピューターが容易に行うこととなるのは理解できる。 後者の人間の脳の完全なコピーなどの考え方は、脳が分析者がみえている単なるインプットアウトプットのシステム以上のものを常に包含していることや西垣通の言う生命体の持つ創発性が無機物にはないこと、筆者が素朴実在論に立脚した脆弱性などから実現しないのではないか
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★★★☆☆ 『ポスト・ヒューマン誕生』はあまりにも大作なのでエッセンス版のこちらを。ここ数年「シンギュラリティ」という言葉が世の中でだいぶ広まってきたので、いつかは読まなくてはいけないと思ってた本書。「その年は2045年」の表記は一読目は見逃してしまって、もう一度最初から探してし...
★★★☆☆ 『ポスト・ヒューマン誕生』はあまりにも大作なのでエッセンス版のこちらを。ここ数年「シンギュラリティ」という言葉が世の中でだいぶ広まってきたので、いつかは読まなくてはいけないと思ってた本書。「その年は2045年」の表記は一読目は見逃してしまって、もう一度最初から探してしてしまった。よくある煽り本みたいにドドーンと太字で書いてあったりはしない。AIだけが独自に進化してそこに到達するわけではなく、人間(人体)とコンピュータの接近も要素としては絡んで来る。ありえない未来とまでは言えないけれど、やはり新井紀子さんや川添愛さんが主張するように実際にはシンギュラリティが起きる可能性が低いのではないかと感じた。「総論賛成各論反対」みたいな。ちょっと違うか。カーツワイル氏の立ち位置はどんななのだろう? キワモノ扱いなのか?
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テクノロジーの進化と人間の受け入れ方との葛藤が面白い。 特に人体2.0,3.0は興味深い。 不動産もVRに取って代わるのか、面白い。 何よりこれが15年前に書かれている。 15年前にこれを読んでも理解できなかっただろうし、どれだけの人が理解できたのかしりたい。
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シンギュラリティとは『人工知能(AI)が人類の知能を超える転換点(技術的特異点)』と認識されているが、最初に言い出したのは著者らしい。長い間積読状態にしていたこの書籍を手に取ってみて驚いたが、彼はそんな単純なことを言っているのではなく、「シンギュラリティとは、われわれの生物として...
シンギュラリティとは『人工知能(AI)が人類の知能を超える転換点(技術的特異点)』と認識されているが、最初に言い出したのは著者らしい。長い間積読状態にしていたこの書籍を手に取ってみて驚いたが、彼はそんな単純なことを言っているのではなく、「シンギュラリティとは、われわれの生物としての思考と存在が、自らの作り出したテクノロジーと融合する臨界点であり、その世界は依然として人間的ではあっても生物としての基盤を超越している」と述べている。もっと深い本だ。よく読むべき一冊。
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このエッセンス版の原書は2005年。恐らく発刊当時は衝撃的だったに違いない。しかしそれから15年経つと、またこの間AIブームがあり、シンギュラリティについて繰り返し語られたいまでは、既知の感があるのはやむを得ない。 さらに、この本は要約版のせいか、結論的なまとめが簡潔に述べられて...
このエッセンス版の原書は2005年。恐らく発刊当時は衝撃的だったに違いない。しかしそれから15年経つと、またこの間AIブームがあり、シンギュラリティについて繰り返し語られたいまでは、既知の感があるのはやむを得ない。 さらに、この本は要約版のせいか、結論的なまとめが簡潔に述べられているが、極端な言説が結論だけ取り出されているようでイマイチ説得力に欠ける部分も多かった。人類は過去にヒトの未来予測の行末の荒唐無稽さを見せつけられているので。 ハラリにみたいに哲学をくっつけるとかSF的な展開があればより面白かったような気がするが、なにせ日本の出版社が企画した要約版なので、おそらく著者の魅力が削がれて、無味乾燥なものになってしまったのかもしれない。
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精読するのはしんどそうだったので、ざっ~と斜め読み。 コンピュータの性能が脳に匹敵するくらい上がってきて云々、というところにかなりのページが割かれているのと、人体のバージョンが1.0-->2.0-->3.0とこれも上がっていく展開予測。 あとがきにもあるように、2...
精読するのはしんどそうだったので、ざっ~と斜め読み。 コンピュータの性能が脳に匹敵するくらい上がってきて云々、というところにかなりのページが割かれているのと、人体のバージョンが1.0-->2.0-->3.0とこれも上がっていく展開予測。 あとがきにもあるように、2005年の原著から15年たった今読んでもさほど古さを感じさせないところがスゴいんだろうなあ~。 「医学的に予防可能な症状の50%を実際に予防できれば、平均寿命は150年を超える。」というロバート・フレイタスの予測にもびっくり。
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自分にとって本の内容はとても難しく感じた。でも、予見されてる未来が来ると想像すると、ワクワクする。ただ、もうSF映画のような事が現実に起こりつつあるんですね。もう未来はとんでもないことになりそう。他人の経験を自分の脳で経験できるなら、体験してみたい。
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シンギュラリティとは、人工知能が自分自身を改善していき技術や知能が文明の進歩の主役になる(技術的特異点)こと。文献研究目的でなければWikipedeaの記事を読んだ方が面白いです。こういうことを考えることは未来を見通すのに役に立つが、知らなくても特に問題ないようなことだなと思った...
シンギュラリティとは、人工知能が自分自身を改善していき技術や知能が文明の進歩の主役になる(技術的特異点)こと。文献研究目的でなければWikipedeaの記事を読んだ方が面白いです。こういうことを考えることは未来を見通すのに役に立つが、知らなくても特に問題ないようなことだなと思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本書はテクノロジーの進化により到来する未来を予測している。 生物の進化も科学技術の進展も、線形的ではなく指数関数的であり、加速していくものである。 現在のテクノロジーは、人間の生物学的脳の能力を超えるコンピュータを生み出す段階に達しており、数十年内には全人類の脳の能力を1台の安価なコンピュータが凌駕する時代がくる。 脳の計算能力は既にコンピュータに敵わず、脳の持つ超並列処理能力(一度に100兆の情報を同時に処理できる能力)については現在のコンピュータでは再現できていないものの、今後も到達できない理由はなく、テクノロジーが進歩すれば近いうちに到達可能であることを著者は確信している。 こうしたテクノロジーの進化によって、生物学的脳+非生物脳によって人間の知能を圧倒的に向上させる可能性や、血球程度の大きさのナノボットを血管内に入れることによる知能の大幅な向上、栄養吸収の最適化(どれだけ食べても太らない)、排泄の自動化(排便行為を要しない)、身体の自由な変形、神経の中枢を刺激することによるVRの実現 などがもたらされることを予測する。 本書の原版は2000年代に書かれたものであり、私が読んだ時点(2019年)から見ると、現実が著者の予測よりやや遅れている観は否めないが、それでも予測の内容そのものの実現性に疑問符がつくものではなく、強いinspirationを受けることばかりだった。 最後に、最も考えさせられた項目として、テクノロジーによってもたらされる脳の完全なコピーやバックアップ(非生物的な素材による)に伴って問題が顕在化する「意識」と「アイデンティティ」に関する考察がある。「わたし」は数ヶ月で物質的に完全に入れ替わるが、それにも拘わらず数ヶ月前の自分と今の自分は連続性をもった同じ「わたし」であると考えている。つまり、「わたし」とは物質的同一性ではなくパターンの同一性と連続性なのである。川に例えると、「わたし」とは入れ替わり続ける水分子ではなく、それが生み出す流れの模様やパターンそのもののことである。であればコピー可能で、コピーすれば複数の「わたし」存在することになるが、それらすべてを「わたし」として受け入れるかという問題が生じる。新しいコピーができたから古い今の身体と脳は壊してしまおうと思えるかということだが、これはできないだろう。ここにアイデンティティの問題内包するジレンマがあり、本書ではそのジレンマにたいする解を出してはいない。(ただし、本書のヒントを基にすると、パターンの連続性こそが「わたし」を「わたし」たらしめる本質であると理解すれば良いことに気づく。同時多発せず、漸次的に変質していく場合は「わたし」が維持されているという主観的認識を保てるのではないか と考える。) また、非生物的な知能は確実に「意識」を主張し出すので、それは受け入れるべきとの主張をとる。 結局のところ、自分以外の人間の意識ですらその存在を検証することはできず、存在するだろうと想像するしかないものであるから、非生物的知能であっても、表れる現象が意識を持つように見えるなら、それを尊重すべきとの見解だ。 未来予測の視野を広げてくれた点、自分とは何かとい哲学的な問いを突きつけてくれた点で、自分の中で貴重な読書体験となった。
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人工知能とかAIとか,そういう言葉自体は知っていた。個人的な出会いはドラクエ4だったかもしれない。大学でもちょこっとだけかじったこともあった。でも,それ以来遠ざかっていた。そして今年。会社の筋などからも話題になっているようであり,久々に強く興味を持ったので読んでみた。 エッセンシ...
人工知能とかAIとか,そういう言葉自体は知っていた。個人的な出会いはドラクエ4だったかもしれない。大学でもちょこっとだけかじったこともあった。でも,それ以来遠ざかっていた。そして今年。会社の筋などからも話題になっているようであり,久々に強く興味を持ったので読んでみた。 エッセンシャル版をチョイスしたにもかかわらず,読むのに骨が折れた。なかなかの大作だと思うし,約10年近く前の本だというのに,今読むにしても相当の想像力が求められる気がした。まぁ,この本のスコープは10年どころではないので,当たり前といえば当たり前。この本のひとつのスコープは2045年。この数字はよくシンギュラリティの紹介で引用される数字であり,この本が底本であることを示している証拠でもある。 人間は今後どうなるのか。ナノボットを体に埋め込むとか正直あまりイメージができないんだけど,人工知能やAIに近づくというのは間違いなくそうなのだろう。多分,日本人は非人間に対して人格を認めやすい文化(※ロボットで人型にこだわったり,AIBOを本当のペットのように扱ったり,ゆるキャラをつくったり。アトムやドラえもんだってそう。アプリモンスターズなんて直接的過ぎる例もある)をもっているので,職を追われるとか人間の生活が圧迫されなければ,そういう意味では融合が進みやすい環境にあるのだろう。そして「受け身のシンギュラリティ」に流されないように自分で泳いでいく必要があるのだろう。
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