ハロルド・フライを待ちながら の商品レビュー
先日知人に勧められて 『ハロルド・フライのおもいもよらない巡礼の旅』 を読んだ。 同じ知人が何も言わずこの本を持ってきた。 もしかしたら『巡礼の旅』よ り読みやすいかも知れない。 思っていた通り『巡礼』と色んな所が連動している。 『巡礼』で一番好きなエピソード、 少年を愛する紳士...
先日知人に勧められて 『ハロルド・フライのおもいもよらない巡礼の旅』 を読んだ。 同じ知人が何も言わずこの本を持ってきた。 もしかしたら『巡礼の旅』よ り読みやすいかも知れない。 思っていた通り『巡礼』と色んな所が連動している。 『巡礼』で一番好きなエピソード、 少年を愛する紳士が「ひとりぼっちの紳士」(P66) で出てくる。 クウィニーも彼に遭っていたとは。
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※このレビューにはネタバレを含みます
前作「ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅」が今ひとつだったので、正直わざわざ続編(正確には姉妹編)を読む気はなかったのだけれど、こちらの方が良かったという感想を聞いたりもして、つい手に取ってしまい、結果として大失敗でした。 まず、私は死を感動のタネとする作品が好きではない。 この作品(前作も)は、末期がんの患者を1000キロも離れたところから歩いて見舞いに行くという時点で現実的ではなく、設定のあざとさが鼻につく。 枯葉はいつかは散ってしまうからこそ、O・ヘンリーの作品が成り立つのだ。 1000キロ先からなら、何としてでも会いたいのなら、交通機関を使え!とハロルド・フライには言いたい。 そしてクウィーニー・ヘネシー。 残された時間が少ないのは彼女自身のことなのに、どうしても言っておかなければならないことを書くと言いながら無駄が多すぎる。 散々仄めかせているから、彼女が言わなければならない秘密は容易に想像がつく。 なのに自身の生い立ち、ハロルドとの出会い、二人の距離の変化、並びに別れた後の暮らしや現在の様子…一向に核心に近づかない。 もちろん現実に向き合うのが怖い、という気持ちは分かる。 けれども自分の残り時間を考えて、言わねばならないことを先延ばしにする余裕がないことは分かるだろう。 普通ならまず、言わねばならないことから書くのでは? そうすると小説としての盛り上がりに欠けますか? だとしたらその設定で盛り上がりを演出できない、作者の力量不足でしょう。 シスター・メアリ・アンコヌーについても、正体はうすうす感づいていただけに、最後の修道院長手紙は蛇足。 もっと上手に正体を明かすか、それができないなら読者の想像に任せるべき。 クウィーニー・ヘネシーがなぜ生涯の最後に手紙を書くことにしたのかは、キリスト教徒として救われたかったということなのでしょうか。 キリスト教徒的には、これでハッピーエンドなんでしょうね。
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前作を読んだのが随分前で また借りて読んでしまった そっちからのお話 そうだったのね・・・ 終わりよければ
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