「アラブの春」と音楽 の商品レビュー
ナセル、サダト、ムバラクと大統領が変わり国の在り方が変わる中、それぞれの立場で民衆を動かすメディアとしての大きな役割を持つ音楽の変遷が著者のYouTubeプレイリストと共に読み進めて行けてとても面白かった。音楽がエンターテイメントや純粋なアートとして独立した存在の日本では、例えば...
ナセル、サダト、ムバラクと大統領が変わり国の在り方が変わる中、それぞれの立場で民衆を動かすメディアとしての大きな役割を持つ音楽の変遷が著者のYouTubeプレイリストと共に読み進めて行けてとても面白かった。音楽がエンターテイメントや純粋なアートとして独立した存在の日本では、例えばSEALSのフジロック出演に「音楽に政治を持ち込むな」と言う批判も出ていたが、ナセル氏のアラブ全体主義的な時代のウムクルスームス、民主化期のカイロキー、どちらを見ても人を集め人を動かす為にはとてつもなく大きな力を持つメディアである事は間違い無く、元来音楽にはそう行ったパワーがある事に気付かされる。だから平和な日本では逆に音楽の持つ力を利用される事を潜在的に恐れて、そういった批判も出るのだろう。反トランプなアーティストが主導で民衆を動かすアメリカを見ても同じ感想を持った。 とにかく音楽は極右でもリベラルでも無い、ひたすらに人を集めるメディアなのだ。 あと、アラブの春の中でもサイレントマジョリティの存在に触れてくれているので、中立的な立場で読めた点が良かった。
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音楽から中東情勢を理解するという視点が良い。読みながらyoutubeを見ると、歌詞とかあからさまで感覚の部分からアラブの春を理解するきっかけになる。
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