ギケイキ の商品レビュー
国家管理の円教寺を全焼させておきながら上層部が責任を取らないというのは、役所の論理からすれば、まことに都合が悪い。武蔵坊弁慶と戒円の喧嘩が、両成敗にはならず仏教界、国家にとって都合のいい決着に収束していく。すなわち戒円には悪の枢軸となってもらう。戒円の取り調べは、最初から言わせた...
国家管理の円教寺を全焼させておきながら上層部が責任を取らないというのは、役所の論理からすれば、まことに都合が悪い。武蔵坊弁慶と戒円の喧嘩が、両成敗にはならず仏教界、国家にとって都合のいい決着に収束していく。すなわち戒円には悪の枢軸となってもらう。戒円の取り調べは、最初から言わせたいことが決まっており、何を言っても受け付けてはもらえない。シナリオから外れたことを言えば激しく攻め立てられるだけ。自分だけが殺されるのも癪に障るからと戒円は無実の11人を罪人として道連れにする。通りのよい報告書を作成するだけのために11人は惨殺。蛮行の論理は、1000年を超えた今もなお生き続けているのが恐ろしく怖い。
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町田康版、源義経記である。 とにかく面白い。なんど笑ったことか。 小説を普段読まない人にもものすごお勧めである。 次巻は買う!(本巻ももちろん買う)
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わ、続くのか。かなりまじめに書いてらっしゃるんだろう。歴史も苦手なのにすらすら読みました。早業いいね。
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ブラコンこじらせていくのか?続きにアツく期待。 若貴兄弟も1000年したらこんな風に描かれるかなー。描かれないな!
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渇仰してやまない町田康さんの6年ぶりの長編小説。 いや、待ち焦がれました。 アマゾンで何回、町田さんの新作が出ていないかチェックしたことか。 本作は源義経が主人公の軍記物語「義経記(ぎけいき)」をベースにした娯楽大作です。 なんて書くと、町田さんを知らない歴史小説ファンは色めき立...
渇仰してやまない町田康さんの6年ぶりの長編小説。 いや、待ち焦がれました。 アマゾンで何回、町田さんの新作が出ていないかチェックしたことか。 本作は源義経が主人公の軍記物語「義経記(ぎけいき)」をベースにした娯楽大作です。 なんて書くと、町田さんを知らない歴史小説ファンは色めき立つかもしれません。 ちょっと待ってください。 真っ当な歴史小説を期待してはいけません。 だって、あーた、書き出しからしてコレですよ。 「かつてハルク・ホーガンという人気レスラーが居たが私など、その名を聞くたびにハルク判官と瞬間的に頭の中で変換してしまう。というと、それはおまえが自分に執着しているからだろう。と言う人があるけど、そんなこたあ、ない。」 眉を顰めた方は、頭が固いです。 これが今の文学の最前線なのです(いや、そうか?)。 まあ、でも、固い話はこの際よろし。 とにかく笑いあり、笑いすぎて涙ありの極上のエンターテインメントです。 私のように「義経記」を読んでない方も十分に愉しめます。 私は久々の町田節に酔いしれました。 ファッションフェチの義経、メンヘラ気味の弁慶も実に愉快。 パンクな義経記をどうぞ。
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