バブル後25年の検証 の商品レビュー
多くの書き手の論考を編集した書籍であるが、数年前にどこかで書いたものをほぼそのまま流用しているものが少なくないようだ。 本来、こういう場合は初出を明示することが書き手のモラルだと思う。本書は初出の記載が全くない。 個人的には、一番最後に掲載されている慶応大学の曽根教授の論文がよか...
多くの書き手の論考を編集した書籍であるが、数年前にどこかで書いたものをほぼそのまま流用しているものが少なくないようだ。 本来、こういう場合は初出を明示することが書き手のモラルだと思う。本書は初出の記載が全くない。 個人的には、一番最後に掲載されている慶応大学の曽根教授の論文がよかった。 意味不明な論考はマイナス金利政策信奉者の原田日銀政策委員のものだ。金融政策の長期的中立性に言及した直後に、金融政策で2%成長を実現できると断言している。金融政策で潜在成長力を高めることができないのに、どうして2%が達成できるのか、頭の悪い私にはまったく理解できない。あるいは、ここで言たかったのは名目成長率のことなのかもしれない。原田は本書のなかで過去に日銀が決定的な失敗をしてきたことを批判しているが、自分も致命的な失敗の原因を作っているように思う。 購入を検討される方は、実物を手にとって確認されることをお薦めする。
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