リース会計実務の手引き の商品レビュー
リース会計実務の手引き 1、リース取引:リース会社とサプライヤーの売買契約と、ユーザーとリース会社のリース契約という2種類の契約から成り立つ 2、リース料の構成要素 リース料総額=基本額(①リース物件の購入代金ー②見積残存価額)+③資金コスト+④固定資産税+⑤保険料+...
リース会計実務の手引き 1、リース取引:リース会社とサプライヤーの売買契約と、ユーザーとリース会社のリース契約という2種類の契約から成り立つ 2、リース料の構成要素 リース料総額=基本額(①リース物件の購入代金ー②見積残存価額)+③資金コスト+④固定資産税+⑤保険料+⑥手数料及びリース会社の利益 ファイナンスリースでは、特定の借手から投下資本であるリース物件の購入代金及び付随費用のほぼ全額を、リース期間中に回収することが前提 ①リース物件の購入代金:ユーザーとサプライヤーとの間で決まった価格 ②見積残存価額:残価のこと。リース物件のリース期間終了時点における処分価額。残価の控除額は、リース会社にとってのリスク。リース会社の責任で回収する額となるため。メーカーや下取り業者による買取保証はある場合は、買取保証額を処分価額として見込む。 ③資金コスト:リース会社が、リース物件購入のために金融機関から借り入れる資金の利息に相当し、リース会社の資金調達力・信用力により差が生じる・ ④固定資産税:固定資産が所在する市町村がその所有者に課す市町村税のこと。リース会社が納付を行う。税率は、1月1日現在の未償却残高を基準として1000分の14の税率を適用する。 ⑤保険料:通常、動産総合保険(地震や津波などには適用されない)を掛ける。通常、未償却残に保険料率1000分の2〜3程度を掛ける。自動車の場合は、自賠責と任意保険料。 ⑥手数料及びリース会社の利益:手数料は、リース会社の販管費のことで、税金・保険料の計算や納付等の管理費用。物件価格の1%程度が通常。これにリース会社の利益が加わる。 3、リース期間の合理的な決め方 <ユーザー> ・物件の経済的な使用可能期間とリース税制に定める適正リース期間(法定耐用年数の70%以上、ただし法定耐用年数10年以上の場合には60%以上)を考慮 ・資金繰りとの関係を考慮:毎年のCOFを軽くするためには長期化を、早期に償却して税務メリットを取るためには短期化(リース期間定額法)を目指す <リース会社> ・出来るだけ短い期間での設定を想定する。長期化は、回収に関する貸し倒れリスク、金利変動リスク等の不確定要素が増加するため →基本リース期間内で投資は回収していることが前提であるため、再リースを受け入れることは、メリット。 4、リース取引の流れ ①ユーザーによる物件の選択・決定 ユーザーとサプライヤーの直接交渉 ②リース会社の選択・リースの申し込み リース料見積書をユーザーに提示し、条件交渉 ③リース会社の審査 過去3年分のユーザーの信用調査・必要であればあ、実地調査 ④リース契約の締結 ⑤リース物件の搬入・ユーザーによる検収。リース会社からサプライヤーへ「注文書」を発行、これを承諾する「注文請書」をサプライヤーからリース会社へ発行。 サプライヤーからユーザーへ直接納品 ⑥物件借受証発行 ユーザーからリース会社へ:リースの開始を示す→リースの支払義務が発生 ⑦物件代金の支払 リース会社からサプライヤーへのリース物件の代金の支払 ⑧リース料の支払 ユーザーからリース会社へリース料の支払 ⑨必要に応じ、ユーザーはサプライヤーが指定するメンテナンス業者と保守契約を締結 ⑩リース契約の終了 5、リース契約書(参考)の構成要素;全28条 ①リース契約の趣旨:ユーザー指定のサプライヤーや物件である→リース会社の責任を契約で排除できる根拠になる ④リース期間:ユーザーが希望する期間を基礎に、リース会社とユーザーとの話し合いで決定する ⑤リース料:リース料の構成要素や算定方法を規定している ⑦物件の所有権標識 ⑨物件の点検等:リース会社が点検調査を求めた際、これに応じる義務があることを規定 ⑩営業状況の報告:ユーザーは、営業状況を報告し、関係書類を提出する義務がある→与信管理のため 12費用負担等:ユーザーがリース料を支払うことで、固定資産税及び保険料を負担している 13相殺禁止:ユーザーが持つ債権とリース料の相殺禁止 15物件の瑕疵等:リース会社の免責事項 16物件使用に起因する損害:リース会社の物件所有者としての責任を排除 21再リース:所定の手続きに従いリース契約の更新(再リース)か、新たにリース契約を締結か選択(2次リース)
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