闇の女たち の商品レビュー
「闇の女」=街娼を生業にする人たちの、一部はインタビュー、二部は研究史。 特に一部が生々しく、語り草に引き込まれる。
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どんどん減り続け、高齢化が進む街娼(男娼も含む)のインタビュー。自分では選ばないであろうジャンルなんだけど、僕の読書好きがいい意味で知られているので仕事先でもらいました。読んでみると面白い。 まず、筆者の長期に渡る調査力と行動力がすごいなと。全国各地のスポットに通い、インタビュ...
どんどん減り続け、高齢化が進む街娼(男娼も含む)のインタビュー。自分では選ばないであろうジャンルなんだけど、僕の読書好きがいい意味で知られているので仕事先でもらいました。読んでみると面白い。 まず、筆者の長期に渡る調査力と行動力がすごいなと。全国各地のスポットに通い、インタビューにこぎつける、あとがきを読むと調査をするだけして、実際に文庫化されたのはだいぶ後になってから...。実現するのがわからなくても常日頃からネタをストックしておく必要があるんだろうなと仕事人の振る舞いを感じました。 こうやってインタビューを読んでみると街娼と一言で言ってもほんとに人それぞれで食っていくためにその選択肢しかなかった人や、自ら進んでなる人、ポリシーを持って仕事として楽しんでやる人など様々。多く共通してるなと思うのはお金の回り方。全盛期の稼ぎはすさまじい。でもお金に対する考えはまたそれぞれで、またすぐ手に入るからと派手に使うのもいれば、必要なところまで貯めてさっさと身を引く人もいたりで面白い。 後半は街娼の歴史に触れており、その時の社会情勢に応じて形を変えていく様子が記されている。人間が人間であるかぎりこういう文化は形を変えながらも続いていくんだろうなーと思った。
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街頭に立って客を引き体を売る、街娼と呼ばれる人たちへのインタビューと日本の街娼の歴史について書かれているルポルタージュ。 結構高齢(50~70代?)の人が多いことにまず驚いた。あと、闇の女といいつつインタビューの半分が男娼だったのも驚いた。オカマさんたちの話はあけすけでえぐいけど...
街頭に立って客を引き体を売る、街娼と呼ばれる人たちへのインタビューと日本の街娼の歴史について書かれているルポルタージュ。 結構高齢(50~70代?)の人が多いことにまず驚いた。あと、闇の女といいつつインタビューの半分が男娼だったのも驚いた。オカマさんたちの話はあけすけでえぐいけど、面白かった。インタビューは大体2000年前後のもので、戦後の赤線青線と言われた時代から街頭に立っていた人達の生の声は、歴史的価値があるんじゃないだろうか。
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松沢呉一氏の「闇の女」ルポルタージュであります。力作。新潮文庫書下ろしとなつてゐますが、実際の取材は大体西暦2000年前後のものが多い。当時すぐに本にすれば、身元がばれて迷惑をかける人が出るかもしれぬ、といふ配慮があつたので、雑誌媒体やメルマガで断片的に発表しただけのやうです。...
松沢呉一氏の「闇の女」ルポルタージュであります。力作。新潮文庫書下ろしとなつてゐますが、実際の取材は大体西暦2000年前後のものが多い。当時すぐに本にすれば、身元がばれて迷惑をかける人が出るかもしれぬ、といふ配慮があつたので、雑誌媒体やメルマガで断片的に発表しただけのやうです。それが新潮社から声がかり、文庫化なつたもの。本書の成立を乱暴に纏めたらさういふ感じです。 街角に佇む「街娼」と呼ばれる存在に注目した本書。特定の店に属さず、一匹狼で客を取る女性(男性も)。無論その土地土地で仕切る存在はあるものの、ルールさへ守れば出勤(?)は自由だし、雨雪が降つてイヤな日は休んでもいいし、途中で帰つても構はないし、嫌な客は断れるし、カネを搾取される事もない(客引きなどと結託する時は無論分け前を分担しますが)、まあ自由な立場と申せませう。 わたくしも名古屋駅の西口では以前よく目にしました。駅裏は新幹線開通後もまだまだドヤ街の雰囲気を残してゐたのです。駅へ向かふ途中で、「お兄さん、どこ行くの?」「遊んでかない?」とか、「駅へ行つても終電終つてるよ」なんてタクシー運転手みたいな事を言ふ女人も。ふふ、俺は「急行銀河」(当時東京行きが0時57分発だつた)に乗るのさ、と返してやり過ごした事を思ひ出します。 しかし近年この街娼は外国人に取つて代られてゐるさうで、日本人街娼といふものは絶滅危惧種らしい。若い人は入らない、といふか入れない(既存のメムバアが拒む)ので、顔ぶれは高齢化するばかりで、記録を残すなら今のうちだ!とばかりに全国で取材した成果が本書であります。 二部構成で、第一部が「街娼インタビュー」。この当時で残つてゐる街娼はすべてがヴェテランで、時代に翻弄されながらも様々な規制を掻い潜つてきた海千山千の人たちばかり。やはりさういふ人物の話は面白いのです。男娼にも話を聞いてゐます。 第二部は「日本街娼史」。戦前編と戦後編で分けて論じ、その分類、用語の定義などを詳しく論じます。同じ性を商品化する女性でも、その内容は千差万別、わたくしの知らぬ事件も多く、裏戦後史とも言へる記述となつてゐます。政府が推進した慰安所・RAAや、所謂赤線青線の女性に対しては、当時の世相は案外寛容だつたやうです。一方で米兵のみを相手にする「洋パン」への風当たりは強く、売春防止法など様々な規制は、彼女らを取り締まる目的であつたとの指摘にはふむふむとなつた次第。 参考文献も多岐に亘り、これ、読んでみたいな、と思はれる書物がざくざく紹介されてゐます。意外と低評価も多い本書ですが、きつかけは助兵衛根性でも良いので、一読の価値はあると申せませう。
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インタビュー集は大変興味深く読めました。 インタビューをした年代的に、生の声を聴けるのはもうギリギリだったんじゃないかな。 長いこと商売をやっている人はさばさばしているなぁという印象。 必要悪でも排除するという昨今の風潮はどうなんだろうとちょっと考えさせられました。 街娼史は、別...
インタビュー集は大変興味深く読めました。 インタビューをした年代的に、生の声を聴けるのはもうギリギリだったんじゃないかな。 長いこと商売をやっている人はさばさばしているなぁという印象。 必要悪でも排除するという昨今の風潮はどうなんだろうとちょっと考えさせられました。 街娼史は、別の本に分けてもよかったんじゃないかな。 ちょっと取り上げ方のバランスもいまいちだったし。
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期待はずれ。 ただのインタビューの羅列。 もっと深く濃く掘り下げて欲しかった。 せっかくの題材がもったいない。
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まず、風俗業界用語のようなものをある程度知っていないと、せっかくのインタビューの内容がわかりにくいかもしれない。もやもや、ふわふわと捉えどころがない。 ピンサロとヘルスの違いは何?とか、読みながらなんとなくわかるようにも書かれている言葉もあるけれど、よくわからない言葉が多い。無...
まず、風俗業界用語のようなものをある程度知っていないと、せっかくのインタビューの内容がわかりにくいかもしれない。もやもや、ふわふわと捉えどころがない。 ピンサロとヘルスの違いは何?とか、読みながらなんとなくわかるようにも書かれている言葉もあるけれど、よくわからない言葉が多い。無知を晒すようだけれど、赤線、青線も然り。聞いたことはある。でもよくは知らない。そんな言葉がたくさん出てくる。時代や世相もそう。 この本は、第一部が街娼のインタビュー、第二部が戦前、戦後の日本街娼史で構成されているので、時代背景や基本的な知識がない人は、第二部から読み始める方が良いように思えた。 何となくこの手の話はタブーというか、自分のいる世界とは関わりが無いように思えたり、特殊な人が好んだり、経済的に困った人がお金を稼ぐために仕方なしに入る世界であり、搾取されてボロボロにされて不幸でみじめな人生を送る、というようなイメージがあった。 でも、そんな自分の持っていたイメージも、ひどく偏ったものだったと強く感じた。 当時、結婚によって陋習たる家族制度を自ら維持する女たちにとっては、肉体をもって強く変革的に生きていこうとする女たちが目障りだった。蔑む一方で、道徳観念に縛られない生き方に、時には嫉妬や羨望が、そして恐怖があったのではないだろうか。 このところフィクションばかり読んでいたせいか、久々にガツンときた一冊。
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夜鷹、ステッキガール、パンパン、立ちん坊…名称は時代とともに変われど男女問わず、店や組織に所属することなく春をひさぐ街娼の聞き書き。 高年齢化が進みいずれ消え行くであろう日本人街娼に的を絞り記録したこと。意味は特にないかもしれないが、性風俗と世相は切っても切れない関係で、世の中を...
夜鷹、ステッキガール、パンパン、立ちん坊…名称は時代とともに変われど男女問わず、店や組織に所属することなく春をひさぐ街娼の聞き書き。 高年齢化が進みいずれ消え行くであろう日本人街娼に的を絞り記録したこと。意味は特にないかもしれないが、性風俗と世相は切っても切れない関係で、世の中をこうした目線で見るとまた違った角度からの日本の戦後が見えてくるような。本書に出てくる皆が皆、昔は(稼げるいい時代で)よかった、という話はするものの後悔ないとあっけらかんと語る姿は「プロ」である。 『女とは結婚し家庭に入り子供を産む』といつしか周りからもまた自らも敷いたジェンダーのレールから勇気を出して飛び出した反逆者なのだと。人生を自由に謳歌する権利はあると声高にではないが彼女(彼)らは心中に抱えて夜な夜な街に立つのだ。
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本書はおの大部分が、いわゆる「街娼」と呼ばれる人たちへのインタビューからなる。テープ起こしは大変な作業だったと推測されるが、なかなかの文章力というか、言葉遣いに独特の味を持たせてリアリティがある。大体は2000年前後に行われたようだが、当時はまだそのような人たちが普通にいたのだろ...
本書はおの大部分が、いわゆる「街娼」と呼ばれる人たちへのインタビューからなる。テープ起こしは大変な作業だったと推測されるが、なかなかの文章力というか、言葉遣いに独特の味を持たせてリアリティがある。大体は2000年前後に行われたようだが、当時はまだそのような人たちが普通にいたのだろうか。現在では外国人を除いて殆ど消えていると思うのだが。
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