NHK100分de名著ブックス 遠野物語 柳田国男 の商品レビュー
岩手旅行に行くので遠野物語を深めよう第三弾。遠野物語の解像度を上げてくれる内容でした。 産まれた河童の子を村はずれに捨てたが、見せ物にしようと引き返した話に対し 「何でも売って金にしようという、現代の日本人にもつながる経済優先の価値観がみられます。古い民俗の習慣が貨幣経済と出会っ...
岩手旅行に行くので遠野物語を深めよう第三弾。遠野物語の解像度を上げてくれる内容でした。 産まれた河童の子を村はずれに捨てたが、見せ物にしようと引き返した話に対し 「何でも売って金にしようという、現代の日本人にもつながる経済優先の価値観がみられます。古い民俗の習慣が貨幣経済と出会って、人間の心がゆらぎはじめていることがわかります。ですからこれは、古さと新しさとが出会う遠野物語のあり方をよく示している話だともいえます」 と解説があるなど、普通に読んでいただけでは気づかなかった視点がいくつかあった。
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「遠野物語」再読(自信無い)前テキストとして。 遠野物語が文語体で、読みとる自信がないんです。 はじめに、で柳田国男が執筆にあたった経緯と、遠野地方の地勢を。 第一章民話の里・遠野 柳田にその元ネタを提供した遠野出身の佐々木氏との出会い。作品に付けられた序文の真意について。 一五...
「遠野物語」再読(自信無い)前テキストとして。 遠野物語が文語体で、読みとる自信がないんです。 はじめに、で柳田国男が執筆にあたった経緯と、遠野地方の地勢を。 第一章民話の里・遠野 柳田にその元ネタを提供した遠野出身の佐々木氏との出会い。作品に付けられた序文の真意について。 一五 オクナイサマ 五六 河童の子殺し 一一 親殺し 解説 第二章神とつながる者たち 二 神の始 一〇二山の神 一八 座敷童 六九 オシラ様 九六 予知 六三 マヨイガ 解説 第三章生と死 魂の行方 一一一 デンデラ野とダンノハナ 二二 幽霊 九七 死に際 八 神隠 九九 津波の死者の霊 解説 第四章 自然と共生 三六・三九 狼 四三 熊 五三 鳥になった姉妹 解説 特別章 世界の中の「遠野物語」当初から作者が外国に在る人々に呈すると献辞している事。海外での評価も高い事。 牧歌的な民話昔話という側面ばかりでなく、生活していく上での何かを隠蔽する役割もあったり、教訓があったり。著者が、聞いたまま書いたのではなく、感じたまま書いたというところが、民話に深みが出たんだろうと思います。
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旧約聖書の後だったこともあり、とても入り易かった!日本人の持つ、死生感や自然との共生等、一度遠野を訪れてみたくなりました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この本を読んで、柳田国男や「遠野物語」の内容を知ることができて良かった。「遠野物語」に心の病を患っている人や、知的障害のある人が出てくる話が意外だった。凄惨な事件の話も掲載されていて以外だった。この本を読んで遠野に行ってみたくなった。
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「遠野物語」は、いつか読んでみたいな、と思っていました。 単純に、遠野に何度か行ったことがあるからなんですが。それだけの興味。 (あんまり、おどろ系の話に愛着は、ないのです) 全体にもちろん「遠野物語」のダイジェスト的な紹介と、書籍としての「遠野物語」の成り立ちについて書かれて...
「遠野物語」は、いつか読んでみたいな、と思っていました。 単純に、遠野に何度か行ったことがあるからなんですが。それだけの興味。 (あんまり、おどろ系の話に愛着は、ないのです) 全体にもちろん「遠野物語」のダイジェスト的な紹介と、書籍としての「遠野物語」の成り立ちについて書かれている本です。 「遠野物語」は岩手県遠野地方に伝わる多くの民話を、柳田国男さんがまとめた本。 1910年、柳田さん35歳のときの本。 実は中身は遠野出身の佐々木喜善さんという若者が、柳田さんに語った内容なんですね。それ自体、柳田さんも何も隠していません。 一応、柳田さんが後追いで確認取材的なことをして本にしている、ということだそうです。 お話としては、 姥捨ての話とか。 間引き、子殺しみたいな残酷系。 動機や理由が不明な殺人、みたいな不条理系。 そしてお化け。幽霊。座敷童... というあたりから、ほんわかした?童話的おとぎ話まで。 実に多岐に渡る。 2017年現在ぼくらが、「ディープ日本の田舎のおどろ系のおはなし」をイメージしたときの原型がほぼ入っています。 # そういう意味では、さすが「100分で名著」、お手軽で読み易く良かったのですが、 もう一歩踏み込むと、この本を書いている学者さん?の筆致は、正直かなり不親切ではありました。 本の(番組の)ありようからすると、もっと親切に、もっと入門編であるべきなのに、中途半端だなあ、と、正直感じました。
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