アムステルダムの詭計 の商品レビュー
世界を震撼させたアムステルダム運河の日本人バラバラ殺人事件。被害者はフェルメールをこよなく愛する「あの先輩」なのか? 私は学生時代の苦く淡い思いとともに真相と、あのころの自分を探し始め…。 島田荘司主宰の「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」の2015年受賞作。史実と絵画(特に...
世界を震撼させたアムステルダム運河の日本人バラバラ殺人事件。被害者はフェルメールをこよなく愛する「あの先輩」なのか? 私は学生時代の苦く淡い思いとともに真相と、あのころの自分を探し始め…。 島田荘司主宰の「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」の2015年受賞作。史実と絵画(特にフェルメール)に関する薀蓄が満載の作品。それらはそれなりに興味深いけれど、やや冗長。私が清張の「アムステルダム運河の殺人事件」を読んでいたらもっと面白かったのかもしれない。 (C)
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世界を震撼させたアムステルダム運河の日本人バラバラ殺人事件。被害者はフェルメールをこよなく愛する「あの先輩」なのか? 私は学生時代の苦く淡い思いとともに真相と、あのころの自分を探し始め…。 殺されたのは、ベルギーで駐在員をしていた会社員 外語大の先輩だった。アムステルダム駐在になり、取締役から絵画の買い付け情報を依頼される。 当時の刑事を尋ねる。刑事はニセモノ。贋作グループのリーダーだった。先輩はその仲間。 マフィアがマネーロンダリングに絵画を利用 鹿児島から両親が遺体の確認にきたが、母は息子が生きていいるのを知っていた。 先輩は贋作の作成の依頼を断ったため、命を狙われた。 元カノの男をアムステルダムに呼び出し殺し、死体の身代わりにした。自分は死んだことにした。既に癌で死亡。 元カノは贋作ルートのリーダーになり、アメリカへ。 55歳でリストラ。取締役の不倫相手だった女と暮らす予定が退職金を持ち逃された。 重役レースに敗れた取締役と疾走。 先輩はフェルメールの贋作作成拒否したのは、存在しえない宗教画を依頼されたから。 大学の屋上から落ちたのは、嫉妬した元カノの男に突き落とされていた。
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昭和40年に起きた「アムステルダム運河殺人事件」を下書きにしたミステリー。新人らしからぬ成熟された感のある文体でリーダリビティーがあります。 ストーリーはフェルメールについての考察や、松本清張の小説を盛り込んで仮説を生み出す構成はなかなか手が込んでいると思いますが、事件の真相は大...
昭和40年に起きた「アムステルダム運河殺人事件」を下書きにしたミステリー。新人らしからぬ成熟された感のある文体でリーダリビティーがあります。 ストーリーはフェルメールについての考察や、松本清張の小説を盛り込んで仮説を生み出す構成はなかなか手が込んでいると思いますが、事件の真相は大方の予想が着いてしまい残念。ロジカルな展開もなければ至る所に伏線を張り巡らせている訳でもないので、ミステリーとして読むと物足りなさが残ります。
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