生身の人間 の商品レビュー

曾野綾子【著】

2024/02/14

慰められるより慰める
ことを、

理解されることよりも
理解することを、

愛されるよりも愛する
ことを求めよと。

聖フランシスコの名作
『平和の祈り』に心を
打たれました。

私は無宗教で仏教にも
心惹かれますが、

キリスト教の説く無限
の愛（アガペー）を

微かに理解できた気が
しました。

こんなことを言ったら
怒られそうですが、

仏教キリスト教ともに
真理は一致していると
感じます。

聖フランシスコ云えど
放蕩生活のすえにその
虚しさを悟り回心した
といいますが、

人間の厚みは単純には
出来ないということが
体現されていますよね。

日本人の最たる特徴と
いえる、

良くも悪くも子どもの
ように純粋な平和論に
毒され続けた頭で、

殺伐たる世界に生じた
経典の真理に到達する
ことは、

至難のわざではないか
とも感じました。

2016/12/11

日々のニュースを素材に曾野綾子自身の体験に基づいた思考を巡らせたコラム集。太平洋戦争の10代での経験、アフリカを旅して見聞きした極貧の人々の暮らし、そうした惨状をベースに、いまの日本がいかに恵まれているかを実感しながら書いている。甘えた現代日本人に苦言をいい、政治家には容赦ない。胸のすく思いと同時に、わが身を振り返ったときには厳しい薬となる本。