彼女がエスパーだったころ の商品レビュー
人類が現在のこの座を奪われる時が、いつか必ずやってくるのだろう。 それは、次の知性体が、今の人類と同じレヴェルまで進化した時なのか。 それとも、ただ単純に、人類が退化しただけのことなのか。 という問いを投げかけられている気がした。 望もうと望むまいと、何度でも沸点は訪れる。 望...
人類が現在のこの座を奪われる時が、いつか必ずやってくるのだろう。 それは、次の知性体が、今の人類と同じレヴェルまで進化した時なのか。 それとも、ただ単純に、人類が退化しただけのことなのか。 という問いを投げかけられている気がした。 望もうと望むまいと、何度でも沸点は訪れる。 望むと望まざると、必ずその時は訪れる。 科学では説明できない、けれど「似非科学だ」とは言い切れないある種の法則に、結局のところ私たちは支配されてしまっているのかも知れない。 けれどそれらの法則を捻じ曲げてしまえるのは、人間の想像力だけだ。多分、今のところは。
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語り手のわたしとは何者なのか。 「わたし」が語る、すこしふしぎな世界での短編連作である。 語られる事件や出来事も魅力的なのだが、もうこれは話芸というレベルで読むのが面白い。文体が好みなんだろうな。
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筆者による疑似科学へのアンサーソング的な意味合いを持つのだろうか。感情的な冷笑でなく、かといって通常あるべき理性的な批判でもない。本作で示されるのはその先の、無宗教である日本人への問いかけだ。
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記者の視点で繋がる6話。 「彼女がエスパーだったころ」が1番好き。 わからないなりに悲しみも含めたこの世界の不条理がつまっているのが伝わるのに何故かすっきり感じられます。
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