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神秘(上) の商品レビュー

3.8

10件のお客様レビュー

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2023/09/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

感想 死についてトコトン追求しているので、死ぬことに対して考える良い機会になる。死が自分とは無縁と思っている時と、もうすぐ死ぬかもしれないと思った時に読んだ感じ方はきっと違うであろうから、病に伏せった時にも改めて読んでみても良いかもしれない。 物語は全体的に、菊池の半生や周りの人間関係と大半が哲学的な死生観について語られるため、読むのにちょっと骨が折れる。 同じ膵臓癌で亡くなったスティーブ・ジョブズの伝記も何回も引用される。 中盤になり、ようやく20年前の取材対象者の捜索が始まり、物語が動いた感じがある。 あらすじ 主人公の菊池は、出版社に勤めており、53歳で取締役になった出世頭だ。5年前に双子の娘の独立を機に医師であった妻とも離婚し、娘二人も海外に住んでいる。身体の不調を感じて病院にいったところ、末期の膵臓癌で余命一年と宣告される。 人生でやりたいことや経験すべきこともあらかたやり終え、周りに心配してくれる人も特におらず、同年代の友人を看取ってきた菊池はある意味冷めていた。 会社も休職扱いにしてもらい、自由になった時間を使い、20年前に取材した念で病気を治す女性のことが気に掛かり、その女性を探すため、ふらりと神戸に移住する。

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2022/03/05

久々に読む白石一文作品だったが、相変わらず主人公の脳内で展開される、面倒で回りくどく核心をついた考察がたまらなく好きだ。下巻も楽しみ。

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2018/06/29

【あらすじ】 二〇一一年八月、出版社取締役の菊池は、膵臓がんで余命一年、と宣告された。もはや治療の術もない。妻とは五年前に離婚、娘二人も独立し、海外で暮らしている。生きるも死ぬも独りの身の上の菊池は、運命を受け入れつつも、思索の末に神戸に移り住む。二十年前に知った、ある不思議な女...

【あらすじ】 二〇一一年八月、出版社取締役の菊池は、膵臓がんで余命一年、と宣告された。もはや治療の術もない。妻とは五年前に離婚、娘二人も独立し、海外で暮らしている。生きるも死ぬも独りの身の上の菊池は、運命を受け入れつつも、思索の末に神戸に移り住む。二十年前に知った、ある不思議な女性を探すために。 【感想】

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2017/04/18

出版社取締役に就く53歳の男性。 末期の膵臓がんと宣告され余命は一年。 何と言う偶然の一致。今日、母から姉が検診に引っかかり、内視鏡検査でポリープが見つかったと連絡を受けた。明日に結果がわかるとの事。 読み始めた時には感じなかった『癌』が酷く身近にいたことに驚愕した。 未だ...

出版社取締役に就く53歳の男性。 末期の膵臓がんと宣告され余命は一年。 何と言う偶然の一致。今日、母から姉が検診に引っかかり、内視鏡検査でポリープが見つかったと連絡を受けた。明日に結果がわかるとの事。 読み始めた時には感じなかった『癌』が酷く身近にいたことに驚愕した。 未だはっきりとした治療法が解明されていない癌。 家族や私自身がその病に冒された時、果たして主人公の男性のように達観していられるか。 姉の朗報を祈りの下巻へ。

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2016/11/28

今回おすすめするのは上下巻ですね。白石さんは、実は山本周五郎賞の選考委員仲間で、毎回選考会がすごく楽しいんです。彼はロジカルな人なので、カミソリのような切れ味で厳しいことを言う人なんですけれど。それでいながら、ちょっと気弱なところもあったりして、「この人面白いな~」と思っていたと...

今回おすすめするのは上下巻ですね。白石さんは、実は山本周五郎賞の選考委員仲間で、毎回選考会がすごく楽しいんです。彼はロジカルな人なので、カミソリのような切れ味で厳しいことを言う人なんですけれど。それでいながら、ちょっと気弱なところもあったりして、「この人面白いな~」と思っていたところ、近くの書店に新刊が並んでいたので手に取ってみました。ぼくの「月イチ2文」の運動にもこれがあがっているんですけど、読んでみたら実に興味深い内容でした。 (公式メルマガ「ブックトーク」31号より一部抜粋)

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2016/10/24

ここのところテーマが若干胡散臭いのが気になってるんだけどでもやっぱりストーリーの流れとか人物同士の絡みが繊細で好き

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2016/07/28

白石さん間違いなし。 きれいな日本語。真摯で正直な主人公。気持ちの揺れや波、流れがとてもリアルで緊張感も半端ない。 「下」が楽しみ。

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2016/06/04

癌で余命1年と宣告された菊池は、以前仕事を通じて知った「痛みを取り除く力」を持つ山下やよいを探すために神戸へ移住する。上巻は癌という病気についてや、生きること、死ぬことについて思索を巡らせていて、随所に白石節が炸裂している。神戸に移住し、何人かの女性と知り合いになっているあたりが...

癌で余命1年と宣告された菊池は、以前仕事を通じて知った「痛みを取り除く力」を持つ山下やよいを探すために神戸へ移住する。上巻は癌という病気についてや、生きること、死ぬことについて思索を巡らせていて、随所に白石節が炸裂している。神戸に移住し、何人かの女性と知り合いになっているあたりが下巻での伏線になっているのかな?主人公の運命が気になるので、下巻へ突入。

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2016/05/11

癌で余命1年を宣告された主人公が神戸に移り住み、過去に知った不思議な女性を探す物語。癌と診断されたあと治療を拒否し、自分の生きる意味を探す、という内容は、井上靖の「化石」に通じるものがある。癌細胞とは一体何物なのか、と問い、要するにもう一人の自分がいるのだろう、とするところも「化...

癌で余命1年を宣告された主人公が神戸に移り住み、過去に知った不思議な女性を探す物語。癌と診断されたあと治療を拒否し、自分の生きる意味を探す、という内容は、井上靖の「化石」に通じるものがある。癌細胞とは一体何物なのか、と問い、要するにもう一人の自分がいるのだろう、とするところも「化石」に通ずるところがある。自分の死期を知った時にどうするか、考えさせられる本。

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2016/04/28

菊池は神戸の街で、山下やよいを探し続ける。彼女は「痛みを取り除く力」を持つ女性だった。二十年前に電話口で、菊池の足の怪我を瞬時に治し、さらにその力で若返り、十二歳年下の男と結婚した。その後に起こった、あらゆる力をねじ伏せる阪神・淡路大震災を経て、彼女は今どこで生きているのだろうか...

菊池は神戸の街で、山下やよいを探し続ける。彼女は「痛みを取り除く力」を持つ女性だった。二十年前に電話口で、菊池の足の怪我を瞬時に治し、さらにその力で若返り、十二歳年下の男と結婚した。その後に起こった、あらゆる力をねじ伏せる阪神・淡路大震災を経て、彼女は今どこで生きているのだろうか。 (第二部・承前) 教会巡り ノンフィクション選集 山下実雄 ストレスを切りぬける トゥルー・ストーリーズ 「奇跡の猫」 人と防災未来センター 阪神大震災全記録 新しい町 毎日新聞東灘販売所 「赤い服の青年」 (第三部) 理彩の手のひら 死者の目 奇妙な街角 雨の予感 山下やよい 忘れられない夜 受容 二種類の時間 男でも女でもないもの 谷口四兄弟 阿形一平 帰京 カメラの名前 手紙 「泣く男」 ”彼” パナマハットの老人 二十八年前の出来事 タイガースポーツ ネイプルズ 荒川線の町 ゆかり 最も小さい者のひとり 私たちの中の私 石巻の人 究極の死 昭和五十八年三月十四日 真相 再会 「神秘」 解説 読者を幸せに、担当記者も幸せに    栗原俊雄(毎日新聞学芸部記者)

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