美人薄命 の商品レビュー
初めて読みます、深水黎一郎。戦後まもない時分の回顧とおぼしきシーンから始まる小説にミステリー要素はなさそうで、終盤まで普通の文芸小説か、はたまたファンタジーへ展開するのか判断つかず。終わってみれば堂々のミステリーでした。 提出した論文に駄目出しされ、これでは進級を認められないと...
初めて読みます、深水黎一郎。戦後まもない時分の回顧とおぼしきシーンから始まる小説にミステリー要素はなさそうで、終盤まで普通の文芸小説か、はたまたファンタジーへ展開するのか判断つかず。終わってみれば堂々のミステリーでした。 提出した論文に駄目出しされ、これでは進級を認められないと担当教官から言われた大学3年生の総司。フィールドワークの体験に基づいたレポートを追加提出すれば認めてくれるそうで、仕方なく弁当配達のボランティアをすることに。配達先のほとんどは孤独な老人。そのうちの一人、片目の視力を失った老婆カエは84歳。最初は面倒なだけだと思っていた弁当配達だったが、カエの身の上話を聞く機会があり……。 現在の章とカエの人生らしき戦時中から戦後すぐにかけての章とで序盤は構成されています。いったいどういう結末を迎える物語なのだろうと思っていたら、実に鮮やかなミステリー。 ジジイやババアの妄想(言い方が悪くてすみません)は映画でも本でも大の苦手なのですが、これには涙ほろり。『美人薄命』というタイトル、章ごとに付けられたタイトルも秀逸な極上のミステリーでした。時空を超えて駆け巡る恋物語のよう。 恋する気持ちは、いつの時代も心の支え。
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うーん、これはちょっと厳しいかなぁ。 まず主人公の語り口調が軽い。チャラい。 この大学生が口にするギャグが全てにおいて苦笑レベル。 仕掛けは中々面白かったものの疑問が多く残る。 ボランティアで一緒の沙織ちゃんがビッチだったって言う、あの話は果たして意味があったのでしょうか。 何か...
うーん、これはちょっと厳しいかなぁ。 まず主人公の語り口調が軽い。チャラい。 この大学生が口にするギャグが全てにおいて苦笑レベル。 仕掛けは中々面白かったものの疑問が多く残る。 ボランティアで一緒の沙織ちゃんがビッチだったって言う、あの話は果たして意味があったのでしょうか。 何かの伏線だったのか、ただのビッチだったのか 良く分からず。 短編とかでスッキリさせればもっと面白く読めただろうなぁ。無駄が多い印象。 おばぁちゃんが物凄くキュートで可愛いからこそ、余計に残念。
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表紙に惹かれ購入。ミステリ要素が邪魔に感じてしまった。でもカエの心情を詳らかに語ってしまうのも興が無い気もするし・・・。面白かったけど何か物足りなさを抱いた作品でした。 あらすじ(背表紙より) 弁当配達のボランティアで老婆・カエと出会った、大学生の総司。家族を失い、片目の視力を失...
表紙に惹かれ購入。ミステリ要素が邪魔に感じてしまった。でもカエの心情を詳らかに語ってしまうのも興が無い気もするし・・・。面白かったけど何か物足りなさを抱いた作品でした。 あらすじ(背表紙より) 弁当配達のボランティアで老婆・カエと出会った、大学生の総司。家族を失い、片目の視力を失い、貧しい生活を送るカエは、愛し合いながらも結ばれなかった男との思い出を語り始める。その悲しい恋物語には、総司の人生すら一変させる、壮絶な秘密が隠されていた。衝撃の結末が待ち受ける、長編純愛ミステリー。
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おちゃめなおばあちゃんとなげやりな大学生との交流のお話し。 戦時中の思い人と死に別れてなお、何十年もたってもつながっているといのはうらやましい限りです。幸せだったんだろうね。
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若者と老婆の交流を描いた、ミステリ長編。 全体的な雰囲気や展開は、割とありふれたもの。 ただし、ミステリ面は巧みで、結末はそれなりに捻ってある。期待を裏切らない程度には面白い。 しかし、著者は若者を描くのが苦手に思える。他のキャラクター描写の水準を考えると、ちょっと紋切り型というかお粗末で、そのへんの小説に出てきそうなものになってしまっている。若干醒めてしまった。 あとは、本線の外側にあるエピソードたちの作り込みがやや過剰か。なんだかもったいなく感じる部分がいくつかあった。 と、散々文句を上げたが、話も面白かったし、雰囲気も独特で充分楽しんだ。 3+
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2013年刊行の単行本の文庫化。 本格ミステリではなく、一種のヒューマンドラマだった。作中にはミステリ的な仕掛けがあるが、主人公の成長に焦点が当てられていて、ベタなミステリとしての性格は薄い。 最後の仕掛けは著者らしいと思う。
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