アミオ訳 孫子 漢文・和訳完全対照版 の商品レビュー
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ジャン・ジョゼフ=マリー・アミオが訳した「孫子」を、日本語に訳した。一般的な日本語訳と対比させることで、アミオがどのように解釈したのか、わかりやすく提示している。 アミオの訳は一般的な日本語の訳と違う部分が多くあり、アミオ自身の解釈も付け加えられている。 そういった翻訳の違いについてもわかるが、現代の読者はアミオがどのような翻訳をしたかということよりも、「孫子」そのものの内容のほうに興味があるだろう。 「孫子」は兵法書としてよく知られている。おおまかには以下の内容。 ・戦前の基礎 ・戦争の開始 ・戦争以前に予見しておかなければならないこと ・軍隊の形勢 ・軍の指揮における巧妙さ 。充実と空虚 ・有利にすすめるべき点 ・九つの変化 ・軍が取るべき行動 ・地形を知ること ・九種の地 ・火を用いた戦法の概要 ・戦争を利用しまた不和を生じさせる方法 上記について書かれている。 戦争においては、地形を十分に把握して、自然環境なども鑑み、敵と味方の兵力も考慮したうえで、戦いに挑む必要がある。 将を信頼していない兵に罰則ばかり与えていては、気持ちが離れていく。また、なついているからといって罰則を与えなければ、それはそれで離れていく。 要するに敵との戦いにおいては、自軍においても完全なバランスを保つように努力するのが将というものなのだ。 これは現代のビジネスにおいても応用がきくだろう。それだけでなく、なにかをはじめる時にも活用できそうだ。対象となるものを詳しく調べてから行動を起こす。どのようにしたらベストな成果が出せるか、常に気を配る。対象に関する勉強や興味だけでなく、自分自身の体調やメンタルなど、自己管理にも気を配る必要がある。
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