揺れる北朝鮮 の商品レビュー

朴斗鎮(著者)

2016/09/11

2016年３月発行。
非常に良くまとまっている。
2016年５月に開催された党第７回大会以前に書かれたものであるため、この大会で大きく変わった現在の体制について触れられないのは仕方ないが、金正恩のスイス留学時代に関係のあった人へのインタビューや、「金正日の料理人」の本から金正恩の性格についての描写を抽出するなどして、人間としての金正恩に迫っている部分が非常に面白い。
また、北で行われているという金正恩の「偉大性宣伝（教育）」についてもページが割かれており、荒唐無稽なその内容の裏づけとろうとする試みが新鮮だ。

現代北朝鮮に関する入門編としてもよくできているし、ある程度北朝鮮について知っている人も面白く読むことができる。約40ページにもわたる付録の資料もつぼを押さえたものになっている。