日本の牛乳はなぜまずいのか の商品レビュー
学術論文でも報道でも、一番肝心なのは客観性だと思うのです。 それがなくて許されるのは文学作品とエッセイだけです。 本書は残念ながら、主観に始まり主観に終わる一冊でした。 「日本の牛乳は低温殺菌乳(パス乳)じゃないから美味しくない。低温殺菌乳万歳!」と、言いたいことは明白なのだ...
学術論文でも報道でも、一番肝心なのは客観性だと思うのです。 それがなくて許されるのは文学作品とエッセイだけです。 本書は残念ながら、主観に始まり主観に終わる一冊でした。 「日本の牛乳は低温殺菌乳(パス乳)じゃないから美味しくない。低温殺菌乳万歳!」と、言いたいことは明白なのだけど、その根拠がまったくかかれていない。 そもそも、話の前提の「(日本の牛乳の主流である)超高温滅菌乳はまずい!」が、著者さんの主観でしか示されていない。 っていうか 「パス乳を二、三度飲むうちに、超高温滅菌乳よりもおいしいと思うようになってきた」 って、それ、十分、思いこみだよ! 「マイナスイオンは体にいい」と同レベルだよ! で、上記をふまえての一番のツッコミは、これだけパス乳の魅力を表現しようとしながら、分量の半分以上は、日本のパス乳の立役者である藤江才介氏の伝記に費やされていることでしょうか。 いっそ最初から藤江氏の伝記として出版すればよかったのに。 とりあえず、私はスーパーで売ってる普通の牛乳が好きです。
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再読本。 改めて読むとかなりの力作と感じたが、題材に対して内容が固すぎるかな。 高温処理UHT乳がさかんになっている日本メーカーの歴史として、日清戦争で台湾を植民地化して、主要産物である砂糖を利用して練乳の生産が増えたことで、牛乳に対しての加熱に抵抗がなくなったという指摘は興味深...
再読本。 改めて読むとかなりの力作と感じたが、題材に対して内容が固すぎるかな。 高温処理UHT乳がさかんになっている日本メーカーの歴史として、日清戦争で台湾を植民地化して、主要産物である砂糖を利用して練乳の生産が増えたことで、牛乳に対しての加熱に抵抗がなくなったという指摘は興味深かった。
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