虹の巣 の商品レビュー
パッとしない地味な俳優との結婚を機に家庭に入った元女優の由崎鈴子。わがままな一面もあるが、それを凌駕するほど魅力に満ち溢れた彼女に仕える暁子は、彼女のためなら何でもする覚悟でいた。そしてそんな人間は、実は彼女で2人目だったのである。 現在の鈴子に仕え、彼女の娘である日阿子と...
パッとしない地味な俳優との結婚を機に家庭に入った元女優の由崎鈴子。わがままな一面もあるが、それを凌駕するほど魅力に満ち溢れた彼女に仕える暁子は、彼女のためなら何でもする覚悟でいた。そしてそんな人間は、実は彼女で2人目だったのである。 現在の鈴子に仕え、彼女の娘である日阿子とも交流する暁子の目線、そしてそれよりも過去、鈴子が結婚したばかりの頃に仕えていた佳恵の目線が主で、交互に描かれる。読んでいくうちに、どうやらこの家では何か事件がおこったらしいということがわかっていくのだが、これはこの書き方・構成じゃなかったらこんなに惹きつけられなかっただろうなぁ。なぜそんな事件があった後で、再びお手伝いさんを雇おうとしたのか、鈴子の心境が謎だったのだが、なるほどなぁと。そして後半、暁子と佳子が対面するという展開にもちょっと驚き。
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子を捨てた母、芸能人の家庭に貰われ子役としてわがままに育つ子、その家庭の家政婦として働く実の母親。子供を取り巻く、複雑に絡んだ人間模様。
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それぞれの視点から家族を見つめ物語が展開していくところは面白い。最後もっと煮詰まるのかなと思ってたけど、以外とあっさり終わってしまったのが少し残念に思った。
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- ネタバレ
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メディア予約中 前半はとても面白く、どうして家政婦が二人もいるのか、わからずスピーディに進んだのに、後半はついていけなかった。どうして??と思うことが多く、なんとも消化不良気味。残念。
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利用者さんのオススメ。 野中さん初めて読んだのですが、こういう作風だったとは!お名前から勝手にほんわか系を想像していました。 実際に芸能界で起こった事件が数々思い起こされる。映像化するには生々しすぎるので、萩尾先生による漫画化希望!
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美しい元女優、その妻に比べあまりパッとはしないが俳優である夫、そして夫婦の元気溌剌な娘。 そのお屋敷へ家政婦として入った娘たち。 ミステリ仕立てと思いきや… 痛々しく思える人が、意外に痛々しくないのかも。
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母と子を巡るミステリ。とある家庭で過去に起こった痛ましい事件。それを中心に、過去と現在を彷徨いながら語られる物語は、緩やかで穏やかなのだけれど。どこかしら不穏な印象を漂わせています。だからこそ読み進むうちに、とても理想的に思える家庭の歪みが見えてくる気がするのが怖い、というか悲し...
母と子を巡るミステリ。とある家庭で過去に起こった痛ましい事件。それを中心に、過去と現在を彷徨いながら語られる物語は、緩やかで穏やかなのだけれど。どこかしら不穏な印象を漂わせています。だからこそ読み進むうちに、とても理想的に思える家庭の歪みが見えてくる気がするのが怖い、というか悲しいような。 事件の真相が暴かれるようなミステリではないのだけれど。謎めいた部分は多くて、引き込まれます。 それにしてもラストの鈴子の言葉が凄い。あれで一気に感動してしまいました。身近にいて振り回されたら大変そうな人なのだけれど。一番魅力的かも。
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元女優、鈴子の妖艶さは引退した今も失われていない。 鈴子と夫の克彦、そして娘の日阿子が居心地よく過ごせるように心を砕くのは、家政婦の暁子だ。 鈴子の家で以前、働いていたことのある女が暁子の前に突如現れる。 彼女たちにはそれぞれが抱える秘密があった。 「ほどほどがいちばん」と、幸せ...
元女優、鈴子の妖艶さは引退した今も失われていない。 鈴子と夫の克彦、そして娘の日阿子が居心地よく過ごせるように心を砕くのは、家政婦の暁子だ。 鈴子の家で以前、働いていたことのある女が暁子の前に突如現れる。 彼女たちにはそれぞれが抱える秘密があった。 「ほどほどがいちばん」と、幸せになりすぎるのを恐れる暁子が悲しい。 そうは言っても、この物語を読むと、彼女たちは男がいなくても強く生きて行ける気がするから不思議。
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