風よ、万里を翔けよ 新装版 の商品レビュー
ムーランを田中芳樹が料理するとどう描かれるか,を堪能できる.今と異なり,90年代の油の乗った頃に執筆された作品群は,膨大な資料に基づきミッシングリンクを補い,新たな世界を構築する一連の芳樹節が,静かに燃える青い炎のようにそこに確かに存在する.
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隋の終わりを舞台に男装して従軍した花木蘭の物語。中国の戦国ものは初めてだけど読みやすかった。血生臭いけど。最後にしったのは映画ムーランも同じ題材ということ。へー。
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- ネタバレ
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王朝よ変化なんて6年前には想像もしなかった とのように、フィクションでは胸騒ぎがしてきたといった前振りがあるが、現実にはなかなか察知できない。 まぁ先見の明がある人が王となる者なのだろうが。
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隋末の戦乱時代を男装の武人として駆け抜けた木蘭の従軍記を軸に,時代の群雄を描いた歴史娯楽小説.題材としては,知らなかったのだが,ディズニー映画の『ムーラン』や京劇『花木蘭』と同じものになる. 活き活きとした戦闘描写や田中芳樹らしい格調高い筆致が白眉.海外出張の前に,移動中の暇つ...
隋末の戦乱時代を男装の武人として駆け抜けた木蘭の従軍記を軸に,時代の群雄を描いた歴史娯楽小説.題材としては,知らなかったのだが,ディズニー映画の『ムーラン』や京劇『花木蘭』と同じものになる. 活き活きとした戦闘描写や田中芳樹らしい格調高い筆致が白眉.海外出張の前に,移動中の暇つぶしにと羽田空港の書店で購入したが,なかなか楽しめた.ただ,面白いことは面白いのだが,長く心に残るようなものではなかった.どうも,主人公や作中の人物たちの心情に対する掘り下げがあまりなく,作中の人物たちにさほど感情移入することができなかったということと,職業作家の作者にとってはあくまでこの題材も小説を書くための1つの材料に過ぎないように思われ,主人公やこの時代に対する作者の強い思い入れといったものが感じられなかったことがその理由ではないかと思われた. 映画や芝居などで広く取り上げられている題材であるので,もう一歩,作者なりの独自の思いといったものがあれば名作になりえたのではないかと思われて,その点が残念.
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