バー・スクウェアの邂逅 の商品レビュー
街は大阪。 デッドエンドストリートにそのバーはあった。 大阪府警薬物対策課の刑事、三田はひょんなことからそのバーを訪れ、バーの雰囲気、そして謎めいたバーテンダー、リュウや常連の元ボクサー、宇田島の持つ魅力にひかれはじめる。 しかし、薬物がらみの事件に二人の影が見え隠れして…...
街は大阪。 デッドエンドストリートにそのバーはあった。 大阪府警薬物対策課の刑事、三田はひょんなことからそのバーを訪れ、バーの雰囲気、そして謎めいたバーテンダー、リュウや常連の元ボクサー、宇田島の持つ魅力にひかれはじめる。 しかし、薬物がらみの事件に二人の影が見え隠れして…。 6つの短編からなる連作モノ。 三田、リュウ、宇田島、三人の男の間に漂う友情っぽい感情。 さらに、薬物対策課の刑事たちも、なかなかに魅力的で、クセになりそうな物語である。
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本作は、雑誌連載を“底”としながら単行本化、更に文庫化という経過を辿っている。或いはそういう“履歴”の作品には、こうした「短篇の連作」というような体裁がフィットするのかもしれない。 全編を通じた主な視点人物は刑事である三田という男だが、他の作中人物達を主要視点人物に据えた、少し笑...
本作は、雑誌連載を“底”としながら単行本化、更に文庫化という経過を辿っている。或いはそういう“履歴”の作品には、こうした「短篇の連作」というような体裁がフィットするのかもしれない。 全編を通じた主な視点人物は刑事である三田という男だが、他の作中人物達を主要視点人物に据えた、少し笑える挿話も挟まっている。全編を通じて、少し大きな事件が動くというような感じになっている。 三田が<スクウェア>で出逢った人達との物語と、三田が所属する捜査班が追う事件の顛末とが、少しずつ交差しながら進む本編はなかなかに愉しい。少し夢中になってしまった。
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ミステリーというよりもハードボイルド小説といったほうがいいかもしれない。主人公は麻薬課の刑事で、薬物使用や密売といった事件を追うが、そこにバー・スクウェアの謎のバーテンと元プロボクサーの男が暗躍する。 3人が出会うバー・スクウェアが物語の中心にあるものの、3人が協力して事件にあた...
ミステリーというよりもハードボイルド小説といったほうがいいかもしれない。主人公は麻薬課の刑事で、薬物使用や密売といった事件を追うが、そこにバー・スクウェアの謎のバーテンと元プロボクサーの男が暗躍する。 3人が出会うバー・スクウェアが物語の中心にあるものの、3人が協力して事件にあたるような話でもない。深くは関わらず、それでいて浅くない関係を築く、そんな男たちの話です。
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まさかの大阪が舞台の連作短編。 身近なミステリとはちょっと言い難い警察もの? しかし、まさか、あのバナナホールが閉店してたとは、作者のあとがきで知った。 という訳で、下手に土地勘があるだけに、街の情景が行間に浮かぶように読めて面白かった。 大迫刑事のスピンオフのような話、最高です...
まさかの大阪が舞台の連作短編。 身近なミステリとはちょっと言い難い警察もの? しかし、まさか、あのバナナホールが閉店してたとは、作者のあとがきで知った。 という訳で、下手に土地勘があるだけに、街の情景が行間に浮かぶように読めて面白かった。 大迫刑事のスピンオフのような話、最高ですね。
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福田和代による、大阪の小さなバーを舞台にした連作短編ミステリ。 謳い文句の様な男たちの話というより、ハードボイルド色が強めの刑事もので、よくある連作短編集だった。 しかし、多様な個性を持たせた登場人物たちは確かによかった。派手な設定や大袈裟なエピソードがあるわけではないが、読んで...
福田和代による、大阪の小さなバーを舞台にした連作短編ミステリ。 謳い文句の様な男たちの話というより、ハードボイルド色が強めの刑事もので、よくある連作短編集だった。 しかし、多様な個性を持たせた登場人物たちは確かによかった。派手な設定や大袈裟なエピソードがあるわけではないが、読んでいてなんとなく呑まれるキャラクターが多く、その点は秀逸。 また、ストイックな面々に軽妙なキャラが混じり、彼視点の掌編を挟んでくるあたりも、魅力が立体的になって楽しい。 3+
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