卯月の雪のレター・レター の商品レビュー
よく読書する子=頭がいい、賢いってイメージなくなってほしい。決めつけないで。 あと暇だから読書してるわけじゃない、読みたいから読んでるの。 それぞれに生き方の違いがあることを理解して、押し付けずに生きていきたいな。
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日常の謎系本格ミステリ×悩める若い女性 からなる短編集。「巧い」と思うことしばしばも、青春要素にやや飽きも来たり。ただ1番後ろの話がええ話なので、読後感はなかなか良い。 ただ同じ青少年を主人公にしたミステリですと、どちらかというとデビュー作のシリーズのほうが、私は好き。本短編集...
日常の謎系本格ミステリ×悩める若い女性 からなる短編集。「巧い」と思うことしばしばも、青春要素にやや飽きも来たり。ただ1番後ろの話がええ話なので、読後感はなかなか良い。 ただ同じ青少年を主人公にしたミステリですと、どちらかというとデビュー作のシリーズのほうが、私は好き。本短編集は主人公の感情が語られ過ぎるきらいがあるかなぁと。デビュー作や『小説の神様』ではそれが魅力の肝になっていると思うのだけれど。
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何気ない日常のちょっとした違和感や事件とも言えないくらいの出来事を、関係者の心情とともに描いた短編集。 中学生か高校生の時に読んでいれば、少女たちが持つ悩みや将来への不安に、もう少し共感できただろうか。
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人生に"if"はないと言う。その時その時で精一杯の選択をしてきた結果、今の自分があるのだから。その線の上で、生きてゆくしかない。 そのことを悟ってから、私はとても楽になったように感じています。自分の生き方に自信がついたというか。若い頃は、選択する場面はたくさん...
人生に"if"はないと言う。その時その時で精一杯の選択をしてきた結果、今の自分があるのだから。その線の上で、生きてゆくしかない。 そのことを悟ってから、私はとても楽になったように感じています。自分の生き方に自信がついたというか。若い頃は、選択する場面はたくさんあるのに、選択の根拠に自信がなくて、疲弊していた気がします。 相沢沙呼さんの作品に出てくる少女たちは自己肯定感の低い子が多いけれど、それはこういうことなのかな? とこの作品を読んで感じました。
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傷つきやすかったり、不安定だったり。 そんな少女や女性たちの心理を、叙情豊かに淡く静かに描きつつ、作中の温かい視点にほっと安心できる短編集だったと思います。一人静かに勉強していたら、そっと後ろからホットミルクを差し出されるような、そんな感覚。 相沢沙呼さんといえば、青春小説+ヘ...
傷つきやすかったり、不安定だったり。 そんな少女や女性たちの心理を、叙情豊かに淡く静かに描きつつ、作中の温かい視点にほっと安心できる短編集だったと思います。一人静かに勉強していたら、そっと後ろからホットミルクを差し出されるような、そんな感覚。 相沢沙呼さんといえば、青春小説+ヘタレ・陰キャ男子の印象が強かったけど、この短編集だとその年代よりちょっと年上の女性が主人公の話が好きだった。 両親が他界し社会人の姉と、高校生の妹の二人で暮らす姉妹。ある日から妹が、姉に冷たくあたるようになったわけを描く「小生意気リゲット」 姉の妹に対するもどかしさ。それは苛立ちでもあり、そして自分がちゃんと妹の面倒を見てあげられていないのではないか、という不安や申し訳なさでもある。 怒りと申し訳なさ、そうした相反した感情から姉の揺れる心理を描く筆勢がとても巧みでした。妹の行動の意味が明らかになったときの、温かい感情もほっと癒されるように思えます。 クラスで嘘つき呼ばわりされ、担任からも諦められている少女。教育実習生の琴音が一人、少女が見たという、窃盗事件の真相を推理する「狼少女の帰還」 琴音自身の生きづらさの描写が、とても感情移入してしまう。他の教育実習生たちにうまく溶け込めず、なんとか笑って見せたり、クラスから嘘つきとされている少女を思うあまり、ほかの子どもの心情に心配りが行き届かず、自信を失ってしまったり。 彼女の優しさや繊細さ、寄る辺のなさ、孤独感、それぞれが生きづらさを抱える人、特に子ども時代にどこかで疎外感を感じたことのある人には、刺さる部分が多いと思います。 そんな生きづらさを抱えた琴音が、傷つきながらも必死に考え窃盗事件の真相に気づき、決心を新たにし、初めての教育実習に挑む姿は感動的。不器用かもしれないけど、彼女の教師としての第一歩は、そのまま疎外感を感じたことのある人たちに対してもきっとエールになるはず。 少女を中心にした短編も、心理描写の繊細さが光りました。事故のため視力を失った少女と、言葉を話すことのできない少女の関係性を描いた「チョコレートに躍る、指」 収録されている短編の中でも、特に筆の勢いは抑えられていて、物語全体に今にも壊れてしまいそうな膜が張っているかのような不安定な感覚があります。 一方でその不安定さが相手を思う少女の気持ちをより淡く、美しく繊細に表現します。耽美な雰囲気もありつつも、一方で哀しさや切なさが文中全体に漂う、どこか文学的な雰囲気も漂う一編。 表題作「卯月の雪のレター・レター」は祖父に届いた数十年前の手紙の謎をめぐる短編。 手紙の謎をめぐるかたわら、語り手である少女の劣等感の描き方が、これまた上手い。自分とは正反対の明るく活動的な姉や従妹に対する劣等感。目標が見えない高校生活に対するモヤモヤ。 手紙の謎が解けるとともに、そうしたモヤモヤや劣等感に対しても、自分なりに区切りをつける少女の心情の変化も、見事でした。 派手さや語り口は抑えられて、その分少女や女性たちの細やかな心理描写が心に残る一編ばかり。そして、そんな彼女たちにエールを送るかのような結末の数々は、作中の彼女たちのように繊細で、どこか生きづらさを抱える人にとっても、きっと味方になってくれるものだと思います。
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酉乃初シリーズと「ココロ・ファインダ」の後にこの本を読んで、静かで抑揚が抑えられた文章が印象的でした。
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む〜ん...(^ ^; 作品自体のクオリティはとても高いのですが、 これまた「おっさんが読むものじゃなかった」感が(^ ^; それぞれが独立した短編集で、 共通点としては全作品にミステリ要素があることと、 若い女性が主人公の、若い女性向け作品だ、ということか。 昭和の香りただよ...
む〜ん...(^ ^; 作品自体のクオリティはとても高いのですが、 これまた「おっさんが読むものじゃなかった」感が(^ ^; それぞれが独立した短編集で、 共通点としては全作品にミステリ要素があることと、 若い女性が主人公の、若い女性向け作品だ、ということか。 昭和の香りただよう「少女小説」という単語が浮かんだ(^ ^; ミステリ「要素」はあるが、それが主体と言うよりは、 登場人物たちの小さくも深い「成長の一歩」 みたいなものに主眼を置いているような。 作品ごとの登場人物の造形は、とてもリアルで、 それぞれに自分たちの考えがあり、 それぞれの人生をちゃんと生きている感じがする。 その中でも、各主人公たちは群を抜いて繊細で、 聡明であるが故にいろいろなものが見えて「しまい」、 人に気遣い、自らを律し、傷つき、気疲れしてしまう。 それでも、それぞれのきっかけを見つけて、 小さな一歩で次の大きなステージに向かっていく。 そんな少女たちの心象を、作者は温かい目で見守る。 決して先を急ぐことなく、少女たちが自らの足で 新しい一歩を踏み出した姿を見届けてから、 そっと筆を置く...そんなイメージ。 とても「丁寧に」綴られた印象を受ける。 おっさんが読んでも大変面白く読ませていただきましたが、 おそらく年齢の近い「少女まっただ中」の人とか、 「卒業したての少女」、「少女帰りしている大人」などが読むと きっともっとずっと共感できるのだろうな...と思ふ(^ ^; 同じ値段を払って、私より絶対に楽しめる人がいると思うと、 うらやましいというか、損した気分というか(^ ^; 読み終わってから、読んでいる間中ずっと背景に 静かな音楽が鳴っていたことに気付くような、 そんなほっこりした読後感の一冊でした(^ ^
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繊細な少女の心情を綴っているところは相沢氏らしいのですが、ミステリー要素がなく繊細さだけでは明らかにターゲットから外れている自分は楽しめなかった。 それにしても氏の作品を読んで毎回思いますが、男性が書いているとは信じ難いです。
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2018年46冊目。青春の揺れ動く感情を丁寧に描く繊細な短編集。⌈小生意気リゲット⌋謎解きの要素もあって、爽やかな読後感が光る。⌈チョコレートに、躍る指⌋一番重たい作品だけど、一番入り込める作品でもある。
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問題や影を抱える少女たちの心の揺れ動きを丁寧に描く短編集。ちょっとほろ苦くて、でも優しい気持ちになる。「小生意気リゲット」と「卯月の雪のレター・レター」が好み。ともに共感するところが多くて少し刺さる。
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