山本周五郎で生きる悦びを知る の商品レビュー
中をパラパラ見ると、読んだことのある作品のことばかり(樅ノ木は残ったは未読)書いてあったので、読みました 多作の周五郎の作品の中から選んだものが王道から外れてないのが嬉しい気持ちになりました ただ本書は作品を読んでいないとわかりにくいものかなと思います 読んだ上でさらに深めるた...
中をパラパラ見ると、読んだことのある作品のことばかり(樅ノ木は残ったは未読)書いてあったので、読みました 多作の周五郎の作品の中から選んだものが王道から外れてないのが嬉しい気持ちになりました ただ本書は作品を読んでいないとわかりにくいものかなと思います 読んだ上でさらに深めるために読むものかなと思います 柳橋物語が1番好き 壮絶であまりいい気分のする小説ではないけど、どれだけ苦労があっても、足るを知って生きることの教訓が盛り込まれている また読もう
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山本周五郎があらゆる文学賞を辞退し続けたという話は有名である。 周五郎は、「文学は賞のためにあるのではない」というのが持論だった。 筆者は、なぜ、そのような考え方に至ったかを周五郎の生まれ育ってきた環境を丁寧に分析している。 世間の片隅で、肩を寄せ合って極貧の身で、運にも恵まれず...
山本周五郎があらゆる文学賞を辞退し続けたという話は有名である。 周五郎は、「文学は賞のためにあるのではない」というのが持論だった。 筆者は、なぜ、そのような考え方に至ったかを周五郎の生まれ育ってきた環境を丁寧に分析している。 世間の片隅で、肩を寄せ合って極貧の身で、運にも恵まれず必死に正直に生きようとする人物を周五郎は描いた。 また、愚直なまでに正直なゆえに、罪を犯してしまうというような人間の弱さを描き、あまた、周りの人間の愚直なまでの親切心で、人々が救われる。 庶民であろうが、武士階級であろうが、人間が本来持っているであろうという心性を周五郎は信じ、自分がこうだと信じたテーマを長年温め、小説に書ききる。 そんな周五郎が取ってきた態度を筆者はフランス文学者としての立場からも解き明かす。 まさしく、「山本周五郎で生きる悦び」を改めて教えてくれた本でした。
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