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食物と日本人 の商品レビュー

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2021/05/22

食に対する関心はいつの時代もあった。 今回の本は、古本祭りで見つけた。1979年発行と42年前の本だが、今読んでも興味深い。 明治時代に活躍した元勲たちは、立派な業績を残した。その一方で裏の素顔を持っていた。1つは女好きだ。今の時代なら「文春砲」で、性事、いや政治...

食に対する関心はいつの時代もあった。 今回の本は、古本祭りで見つけた。1979年発行と42年前の本だが、今読んでも興味深い。 明治時代に活躍した元勲たちは、立派な業績を残した。その一方で裏の素顔を持っていた。1つは女好きだ。今の時代なら「文春砲」で、性事、いや政治生命の終わりになりそうなことも平気で行っていた。今の先生方にしたらうらやましいだろう。 もう1つは食に対する貪欲な姿勢だ。大隈重信は、日本で最初にマスクメロンを食べた。冷やしたメロンを輸入して、試食会を早稲田で行ったというから相当なものだ。 伊藤博文も相当な食い意地の張った人だった。下関で李鴻章と談判をしていたときに、毎日ふぐ料理を食べたそうだ。交渉が継続するときは中国料理を食べていた。 日本列島は 、長い歴史の中で、いろいろな人種がやって来た。その中で、以前住んでいた土地からもってきた料理方法や食事習慣が根付いて郷土料理を生んだと著者は述べている。 おかずという意識はいつ生まれたに関しては、一般的に奈良時代初期と推定している。律令体制で米の管理ができるようになり、米を食事の中心にできるようになったからだ。 豊かに鳴ると健康に影響するようになる。平安貴族は、米を主食として、マンガで出てくるような高さに盛られた飯に、小さい皿に醤(ひしお)、酢、食塩、蜜、飴、酒などを並べていた。 栄養に偏りが生まれ、平安貴族は短命になった。 古本でも面白いことがいろいろ書かれていて楽しいなあ。

Posted byブクログ