メンタルタフネスな会社のつくり方 の商品レビュー
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『メンタルタフネスな会社のつくり方』 メンタルヘルスによる企業・社会が受ける損失の大きさを正確に認識しつつ、メンタルタフネスな会社づくりがなぜ必要であり、どうすればよいのかが書かれた指南書。著者はEAP分野でニッチな活躍をするアドバンテッジリスクマネジメント。 ・10年前と比較し...
『メンタルタフネスな会社のつくり方』 メンタルヘルスによる企業・社会が受ける損失の大きさを正確に認識しつつ、メンタルタフネスな会社づくりがなぜ必要であり、どうすればよいのかが書かれた指南書。著者はEAP分野でニッチな活躍をするアドバンテッジリスクマネジメント。 ・10年前と比較して製造業では2割、建設業では5割の労災発生件数が減少している。これに対して、精神疾患を原因とする労災認定事故については4倍に膨れ上がっている。 ・うつ病患者は日本で100万人を超える勢いであり、うつによる自殺で亡くなった人が生涯健康に所得を得た場合の金額が1兆9000億円。うつ休職などの医療費で8,000億円が拠出さており、国レベルでは2兆7000億円の損失となる。 ・精神障害の労災件数はH26年で1,456件であり、そのうち支給決定は497件と年々増えている。 ・精神疾患者の休職コストは半年で400万(年収600万の場合)。休職した場合も発生し続ける社会保険料や有休消化時の賃金、更には代替業務を行う社員の残業代等のコストが発生する。さらに再発率の高いうつ休職では、確実に治るまでは復職は難しい。穴埋めのための採用コストや、標準報酬月額の2/3を傷病手当金として支給する健保組合も拠出金が大きくなり、最終的には保険料率の上昇という形で福利厚生に跳ね返る。さらにはブラック企業という烙印を押された場合のレピュテーションの損失も計り知れない。 ・記憶に新しいD社の新入社員自殺事件では、会社側の注意義務違反が問われ、最高裁で1億7,000万円を遺族に支払う形で和解した。 ・政府の対策として、ストレスチェック制度がある。これは従業員50人以上の事業所で義務付けられており、アルバイトやパートであっても常態として利用していれば、50人にカウントされる。 ・ストレスチェックで測られるのはストレス要因・ストレス対応・周囲のサポートである。 ・ストレス対応は個人に依存するところが大きく、ストレス対応についてはトレーニングで変えられることもある。 ・メンタルヘルス対策にはそもそもメンタル不調者を出さない一次予防。発生した場合に早期に対処する二次予防。そして、メンタル不調者の職場復帰を支援する三次予防がある。 ・高ストレス者とは、ストレス反応が著しく悪い者、ストレス反応にやや問題があり、周囲のサポートが著しく悪い者である。 ・仕事の量が多い=高ストレスではない。ビジョンの共有、仕事の裁量、職場の人間関係が良好であれば高いエンゲージメントとなり、ストレスは少なくなる。 ・個人の考え方の癖を直すのも重要。6秒ルールで怒りを表に出さないことや、自分のルールを他人に押し付けていることを認識し、押し付けるやめることなど、認知行動療法的に直すことも可能。 ・高ストレス者は全体の1割程度。その1割のフォローアップとラインケアが不可欠。
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