ウェブ小説の衝撃 の商品レビュー
紙媒体の書籍は初期コストがかかり、作家育成やプロモーション能力をもたない版元に頼らざるをえない点でウェブ小説に劣後しているという論陣。紙媒体でインタビューをしてきた作者はよほど不愉快な思いをしたのか、メディア展開、二次創作がはかれるウェブコンテンツに日本サブカルの未来を見出したの...
紙媒体の書籍は初期コストがかかり、作家育成やプロモーション能力をもたない版元に頼らざるをえない点でウェブ小説に劣後しているという論陣。紙媒体でインタビューをしてきた作者はよほど不愉快な思いをしたのか、メディア展開、二次創作がはかれるウェブコンテンツに日本サブカルの未来を見出したのか。iモード小説サイトであるベリーズカフェは2005年だが、小説家になろうサイト、ボカロ小説など既存の紙媒体に収まらないコンテンツ形式は2010年に日本でも発生している。電子書籍(ほとんど漫画)の売上も堅調だが、ウェブ漫画は韓国に追い抜かれているという各種メディアの概観が描かれるが、アニメ以外のサブカルメディアは停滞状態に陥っているのではないかという気がした。
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ありとあらゆる所で徹底的にバカにされ軽んじられてきた(なろう系を始めとする)ウェブ小説なだけに、ここまでそれを全面的に肯定して書かれている本を読むのはとても楽しかった。 根拠の取り揃え、考察と、その説得力において非常に納得の行く内容で有り良書に感じる。2016年の書籍なので現在...
ありとあらゆる所で徹底的にバカにされ軽んじられてきた(なろう系を始めとする)ウェブ小説なだけに、ここまでそれを全面的に肯定して書かれている本を読むのはとても楽しかった。 根拠の取り揃え、考察と、その説得力において非常に納得の行く内容で有り良書に感じる。2016年の書籍なので現在は更に状況が変わってしまっているのだと思うけれど、とても面白かった。 私は特に、究極的に快楽追求型であり・その"高尚さ"において最底辺を走る「HARDCORE TECHNO」を作る人間なので、畑違いながら最後のQ&Aなどは痛快とすら言えるレベルだった。(周りの同好の士が、好き嫌いではなくその"低さ"や"多様性"を理由にこういった新興ジャンルを馬鹿にする光景はとても不思議に感じる。私達は、それが死ぬほど好きでなければ聴き分けられないようなとても良く似た音楽を毎日毎日好き好んで聴いていると思っていたのだけれど、私達の聴いてる音楽はそんなに"高い"のか?) 面白い、何よりも深い愛を感じる。
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ウェブ小説、と言うジャンルが確定して久しいが、このジャンルに属する小説が、なぜ売れるのか。 そして、ウェブ小説のプラットフォームを、なぜ出版社が作ってこなかったのか。 そう言う側面からの指摘、解説である。 たしかに、紙のメディアとネットのメディア、これを混同する(混在させる?)...
ウェブ小説、と言うジャンルが確定して久しいが、このジャンルに属する小説が、なぜ売れるのか。 そして、ウェブ小説のプラットフォームを、なぜ出版社が作ってこなかったのか。 そう言う側面からの指摘、解説である。 たしかに、紙のメディアとネットのメディア、これを混同する(混在させる?)事はほとんど無かったと言っていい。 なぜなら、ユーザーが別々に存在すると信じられていたから。 また、ウェブ小説のプラットフォームがあれば、『誰でも』書き手の側に回ることが出来るようになるということなど、が書かれている。
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「恋空」なる小説が世に流行ったとき、今の文庫棚のありさまを想像できた人がいただろうか? 2次元のキャラクターが古典ともいえる文芸文庫の表紙を飾る時がくると予想したひとがいただろうか? 恐らく、5年、10年後の書店の棚は、また今とは違っているのかもしれない。 そんな変化が激し...
「恋空」なる小説が世に流行ったとき、今の文庫棚のありさまを想像できた人がいただろうか? 2次元のキャラクターが古典ともいえる文芸文庫の表紙を飾る時がくると予想したひとがいただろうか? 恐らく、5年、10年後の書店の棚は、また今とは違っているのかもしれない。 そんな変化が激しい出版界の今をよく分析されている。 いくつかのウェブ小説サイトを愛用している者としても興味深いし、同時に、知ってる知ってる、まさにそれ、アタシ。と納得させられる。 情報も書棚も速い時代に取り残されないうちに、読むなら早く早く読むべき本。 ホント、1年経ったら過去の本になってるかもしれないから。
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小説の売り上げ上位ベスト20の内、今やおよそ3分の1がWeb発の小説。一体今、書籍の世界で何が起きているのか? 本書は膨大なデータと多くの関係者や読者に取材した証言を元に、一般文芸書には無いWeb発の小説の傾向性や特色、その長所や短所、また今後の展望について述べられている。 ...
小説の売り上げ上位ベスト20の内、今やおよそ3分の1がWeb発の小説。一体今、書籍の世界で何が起きているのか? 本書は膨大なデータと多くの関係者や読者に取材した証言を元に、一般文芸書には無いWeb発の小説の傾向性や特色、その長所や短所、また今後の展望について述べられている。 本が売れなくなった時代、体力を失った出版社は新人の発掘および育成する力を徐々に失った。 その役割を変わって引き受けたのが、数多くの小説投稿サイトだと本書では説明されている。 投稿すればすぐに読者から反応があり、それを元に次の話に生かすことができる。 続きが読みたくなる飽きさせない為の仕掛けが、短い話数に盛り込まれているのもWeb小説に多く見られる特徴だそうだ。 また人気は数値化され、多くの支持を得た話は書籍化の依頼が出版社から殺到するのだそうだ。 たった今投稿した話がウケが良いかリアルタイムで分かるスピード感と、負担にならない分割投稿の仕組み。 スマホでも読めるお手軽さ。 書籍化する前から数値化された人気の順位で、本屋で売れる数が分かる安心感。 それらがネット小説とそしてWeb発の本の人気を高めているのだろう。 アニメ化されたなど人気のあるネット小説のほとんどが、文芸誌や出版社が主催する賞に応募しても落とされる作品だったとの記述も興味深い。 ただし編集部を通さないがゆえの問題として 残虐性や暴力表現の激しい作品や、倫理的にタブーとされる題材も少なからず存在していることが挙げられている。 ウケれば何を書いても良いのか、という議論はこれから巻き起こると予想される。 ストーリーを作ることに関心のある人や、小説の世界に興味のある人は読んでおいて損はない本だろう。
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Web小説なる物が、一部で勃興し、それが隆盛をきわめつつある、あるいは既存の出版文化を凌駕しつつあるという指摘にまずもって驚きを隠せない、というところが正直なところだ。 いわゆる本好きや文芸愛好家にとっては、耳の痛い指摘が多く、かつデータを駆使しての説得力のある論理展開となってお...
Web小説なる物が、一部で勃興し、それが隆盛をきわめつつある、あるいは既存の出版文化を凌駕しつつあるという指摘にまずもって驚きを隠せない、というところが正直なところだ。 いわゆる本好きや文芸愛好家にとっては、耳の痛い指摘が多く、かつデータを駆使しての説得力のある論理展開となっており、ヒットした作品への個人的嗜好や評価とは別に、大きな流れとして認知しなければならないのは事実と思われる。 それを踏まえて、一読者としてどう振る舞っていくのかが問われている。
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