炎のタペストリー の商品レビュー
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生まれながらに火を操る魔力を持っていたエヤアルは,幼いときに魔力を暴走させ森と山を焼き払ってしまい,その際に現れた炎の鳥に魔力を奪われた。その時の深い後悔から,自らにかけた呪いにより驚異的な記憶力を持つことになり,やがて徴兵され王の祐筆に取り立てられることに。長く続く戦乱のために疲弊する民衆の姿に心を痛めるエヤアルは,どうにか戦争をやめられないかと考え,自分の魔力を奪った炎の鳥に会うための旅に出る。
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ハイファンタジー単行本。 世界の混沌に平和をもたらすため、預言者の望んだ未来への導きによって、少女が冒険と恋をする物語。 願いは成就する。 開閉魔法、魔法にかからない魔力など面白い。 ストーリーが清廉すぎるのか、没入までは至らなかった。
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幼いときに背負ったものを、そのように覚えている子どもは、生まれながらに誠実さを持っているとわたしは考えますがね。 読むのが大変だったが、読み終わった後にスッキリさせてくれる本だった。
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19:良い少女小説でした。持っていた魔法を誤って使い、奪われてしまった少女が、胸に抱えた空洞に何を迎え、どう満たすか……というような感じで、オーリエラントシリーズよりは対象年齢層が低いのかな、という印象。 作り込まれた世界観と、いきいきした人物描写、独特の魔法描写。乾石さん作品の...
19:良い少女小説でした。持っていた魔法を誤って使い、奪われてしまった少女が、胸に抱えた空洞に何を迎え、どう満たすか……というような感じで、オーリエラントシリーズよりは対象年齢層が低いのかな、という印象。 作り込まれた世界観と、いきいきした人物描写、独特の魔法描写。乾石さん作品の入り口としてもお勧めできる作品。
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幼い頃、自身の魔法で森林を燃やし山一つ消してしまった少女エヤアルは、その時現れた炎の鳥にその魔法をまるごと奪われてしまった。その後、羊を飼ったり母たちの手伝いをしながら穏やかに慎ましく生きていた。エヤアルたちの暮らすハルラント王国は隣国との戦下にあり、庄に暮らしていた男たちは全て...
幼い頃、自身の魔法で森林を燃やし山一つ消してしまった少女エヤアルは、その時現れた炎の鳥にその魔法をまるごと奪われてしまった。その後、羊を飼ったり母たちの手伝いをしながら穏やかに慎ましく生きていた。エヤアルたちの暮らすハルラント王国は隣国との戦下にあり、庄に暮らしていた男たちは全て徴兵され、ついにエヤアルも連れて行かれてしまう。そこで、驚異の記憶力を見せたエヤアルは王たちの側で祐筆として仕えることになる。戦火に巻き込まれていくうちに、やがて彼女の持っていた魔法が重大な宝であることが明らかになり……。 最初世界観を掴むまでは読みづらいところもあるけど、話が進み始めるとテンポが良くてぐいぐい読んでしまった。相変わらずの独特の美しい世界。ヒロインは強くたくましく、独立していて素敵。恋愛要素もちょうどいいくらい。戦争の大変さのわりに解決があっさりしていたのはちょっと残念だったけど、良質なファンタジーだった。
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魔法の力をもつ事が、個性のひとつとして身近にある世界。エヤアルは、魔法を持たないが、抜群の記憶力を持つ少女。実は幼い時、魔法を制御する術を知らぬままに力を解放し、森と山を破壊してしまった。 その時現れた〈炎の鳥〉が、エヤアルの中にあった魔法の芽を摘んでいったために、魔法を失ったの...
魔法の力をもつ事が、個性のひとつとして身近にある世界。エヤアルは、魔法を持たないが、抜群の記憶力を持つ少女。実は幼い時、魔法を制御する術を知らぬままに力を解放し、森と山を破壊してしまった。 その時現れた〈炎の鳥〉が、エヤアルの中にあった魔法の芽を摘んでいったために、魔法を失ったのだった。13歳になったエヤアルは徴兵されたが、記憶力を買われ、多くの言語を習得し、見聞きした物事を記録する祐筆として、王弟の旅の一行に加わることに。当初は、王の語る理想を信じ、人々が豊かになるための力となる事に疑問を持たなかったエヤアルだが、やがて、王族の魔法の力に囚われ、意に反して戦いに加担させられる事に疑問を持つようになっていく… オーリエラントシリーズに近い生活感があるが、独立した物語として読める。主人公がまだ13歳で、ごく小さな世界に見聞きすること、出会う人々に、強く影響される時期のために、怒りも悔しさも、どこかまだ透明なのが、悪くない。
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すべての人が平和を得るための努力をしますように 自分たちで作りあげてこその平和、自分の手で織りあげてこその幸福、つみあげてこその安寧。長く護られるには、それこそが至上の大事
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平和とは一人一人が意識して築き上げていくべきもの。日本国憲法第12条の前半「この憲法が国民に保障する自由及び権利は国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。」を思い起こした。
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主人公が自分のことがよくわからないまま王の命令で働いたり旅をしたりして、何の話なのかよくわからなかったが、最後の最後にこういう物語だったんだ、と納得。炎のタペストリー。失敗や後悔を忘れないでいようとする気持ちが、平和への想いになる。平和を願うのではなく、人々が平和を望むことを願うエヤアルが良かった。主人公が少女だったためか乾さんらしいダークさがなく、読みやすかったが少し物足りなかった。
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辺境の地の少女,エヤアルの失われた魔法と悔恨,ハルラント王国の野望と預言者ニバーの望み,魔法と戦いの中でのエヤアルの成長譚.目ぐるましく変化しながら進む物語が最後,炎の鳥の前で完成するところが美しい.
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