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飛ぶ夢をしばらく見ない の商品レビュー

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3件のお客様レビュー

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2019/12/04

思わせぶりなタイトルの変な小説と言うしかない。若返りについて何の理屈もなく、ただ女が若返る。男の超能力も途中から忘れられている。純愛小説としても読めるが、山姥に魅入られた中年男が騙されて食い殺される話の現代版として読む方が面白い。人生を投げていると、そういう落とし穴があるのだと言...

思わせぶりなタイトルの変な小説と言うしかない。若返りについて何の理屈もなく、ただ女が若返る。男の超能力も途中から忘れられている。純愛小説としても読めるが、山姥に魅入られた中年男が騙されて食い殺される話の現代版として読む方が面白い。人生を投げていると、そういう落とし穴があるのだと言う寓話である。

Posted byブクログ

2011/03/18

出会わなければ良かった。でも、出会ってよかった。人生で積み重ねて来た確かなものが、からりからりと剥がれていく。

Posted byブクログ

2011/03/10

大昔に買った本。今でも手元にあります。 脚本家、山田太一ならではの短く応酬される台詞回しの妙が楽しめる。 ある日突然時間が逆行し、どんどん若返っていく老女と、閑職に追いやられた中年男性の刹那的な恋愛小説。若返った老女は生き急ぐようにこれまでの時間を急速に遡り、「時間がない」と焦...

大昔に買った本。今でも手元にあります。 脚本家、山田太一ならではの短く応酬される台詞回しの妙が楽しめる。 ある日突然時間が逆行し、どんどん若返っていく老女と、閑職に追いやられた中年男性の刹那的な恋愛小説。若返った老女は生き急ぐようにこれまでの時間を急速に遡り、「時間がない」と焦燥感に追い立てられながら、やがて子供になり、巻き戻しの時間を使い切る。 エロティックな要素が強い物語だが、全編通して言いようのない儚さと哀しさが漂う。少女或いは幼女の年まで若返ってしまった女を相手に、それでも肉体関係に溺れる主人公には些か鼻白むが、愛する女が過ごしてきた時間をひとつも残さず、彼もまた遡っていたのかと思えばそれも哀しい。

Posted byブクログ