日本名城画集成 知られざる城郭画家が描いた美しい復元鳥瞰図 の商品レビュー

西ヶ谷恭弘(著者),荻原一青

2022/12/04

日本の城の画集ですね。
画家の荻原一青さんの渾身の作品集です。
荻原さんは尼崎城の復元図を皮切りに、全国の城の復元画集を一生をかけて製作されたそうです。
第二次世界大戦の空襲と、昭和二十九年九月のジェーン台風の二度にわたり、すべてを失う悲劇に会いながらもコツコツと再び古城の復元画を執念で甦らせた奇跡の人です。
城郭史研究の第一人者の鳥羽正雄博士との出会いで、格段の資料を得ることになり、その後の制作に拍車がかかったそうです。
寡黙にして、私は荻原画伯の事は存じ上げませんでした。
城は大好きで、城の書籍を図書館で探していてみつけました。
美術のコーナーに有りましたのは幸甚と言えます。
とにかく、興奮しました。素晴らしい出来映えで、今では復元か下手をすると面影も虚ろな城壁のみ、或いは立看板だけという城もあるので、資料に基づいた画伯の長年の苦労の集大成ですね。
本書はまぼろしの画集（最初の画集は一千部限定刊行、以後絶版）の普及版です。小学舘さんに感謝ですね。

2016/04/17

何より絵がきれい。資料館にありそうな絵。こうやってみると、日本の城は江戸時代とその前のものがほとんどなのだなあ。中世から近世まで色々あるわけじゃない、地方性があるようなないような。