過ぎる十七の春 新装版 の商品レビュー
怖かったーー。 でも最後は切ない。 今回の小野不由美さんの作品は好みだった。 高校生だけどキャッキャしていないし、じっとりとした流れで好き。
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なんだろう。何かが起こりそうなのに、なかなか何かが起きない奇妙さ、そして何かが分かってもどうしようも無い気持ち悪さ、これ、ラノベレーベルで出版してたのがびっくりなホラーである。ラノベ要素って主人公が17歳ってことくらいじゃないか。大人向けにリライトしたら夜眠れないホラーになりそ...
なんだろう。何かが起こりそうなのに、なかなか何かが起きない奇妙さ、そして何かが分かってもどうしようも無い気持ち悪さ、これ、ラノベレーベルで出版してたのがびっくりなホラーである。ラノベ要素って主人公が17歳ってことくらいじゃないか。大人向けにリライトしたら夜眠れないホラーになりそうだ。
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雨が降る。呪いは追いかけてきていた。 小野先生のホラーは、指先が冷えていくような怖さと、喉の奥に迫るような悲しさがある。 例年どおり、従兄弟の家を訪れた直樹と典子。花に囲まれた家で、ある日突然、従兄弟の隆は人が変わったように、母・美紀子に冷淡な態度を取る。周囲が戸惑うなか、美紀...
雨が降る。呪いは追いかけてきていた。 小野先生のホラーは、指先が冷えていくような怖さと、喉の奥に迫るような悲しさがある。 例年どおり、従兄弟の家を訪れた直樹と典子。花に囲まれた家で、ある日突然、従兄弟の隆は人が変わったように、母・美紀子に冷淡な態度を取る。周囲が戸惑うなか、美紀子が取った行動は…。 美しい自然描写を塗りつぶすような暗い影に、読み進める手は止まらなかった。小野先生の十二国記の続きはもちろん気になるけど、別のホラーも読みたい…。ファンとしてはただじっと、次の作品を念じるばかり。
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(ネタバレあり。結末に言及。)新装版にて再読。高校生と中学生の兄妹が、毎年の休みには、叔母と従兄弟の住む田舎の家に遊びに来ていたが、今年は二人ともどこかおかしい。そして訪れる悲劇。 外から眺めていてわけがわからなかった従兄弟の豹変が、次は主人公に異変が起こることで、何が従兄弟に起...
(ネタバレあり。結末に言及。)新装版にて再読。高校生と中学生の兄妹が、毎年の休みには、叔母と従兄弟の住む田舎の家に遊びに来ていたが、今年は二人ともどこかおかしい。そして訪れる悲劇。 外から眺めていてわけがわからなかった従兄弟の豹変が、次は主人公に異変が起こることで、何が従兄弟に起こっていたのか、自分がどうなってしまうのかがわかる。追い詰められる怖さ。怪異に対して、心に忍び寄る呪いを振り払って、過去帳から家系にかかった呪いの謎を自ら紐解いていく主人公の強い意思と行動力には感服。 少しずつ謎が紐解かれ、解かれた上でさらに怖いというのが小野不由美さんらしいです。そしてその怖さは、怪異としての怖さだけではなく、情念に狂う人の怖さです。母親の情念による呪いが、最後には、母親の愛という、壮絶で狂気的ですらある情念により断ち切られるというのが見事でした。
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新装版での再販ということで購入。以前のものも持っていますが、改めて読み直してみると、作家小野不由美がすでに出来上がっていることに驚く。これがライトノベルズ扱いというのが不思議だ。 由来を調べてゆく部分などは「残穢」にも共通する部分で、逆に面白かった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
直樹と典子の兄妹はいつも春と夏に伯母(母の姉)と従兄弟の隆が住む田舎の屋敷で過ごしていて、この春休みも二人で屋敷を訪れる。この休みのうちに隆と直樹は十七歳になる。 二人が来る数日前から隆は毎夜、部屋で妙な気配を感じている。それは庭を何度も往復し、軒端から隆の部屋を覗き込んでいるようだった。そうしてとうとうそれは人の姿となる。 その朝から、いつも温和で忍耐強い性格の隆が急に乱暴な冷たい態度をとるようになる。それと同時に隆の愛猫、三代が隆に寄り付かなくなった。 隆の態度が酷くなってきたある日、伯母が自殺を試みて病院に運ばれる。 再読。多分、探せば以前の版が本棚にあるかも。 以前は波津彬子さんの挿絵だったと思います。 今回は樹なつみさん。買わずには居れませんでした(^◇^;) 以前は二十年前くらいに読んだと思います。ソノラマ版は読んでいませんし。 庭や家屋の描写が美しいですがよくわからない単語が多いので後でちょっと検索して調べないとf^_^;) 大体、最初からストーリーはよめてしまう感じ(既読だからかも知れませんが)でちょっと星を落としてしまいました。 でも読後の余韻がいいです。 落ちがわかっていたとしても、いいです。 ホラーではありますが、怖いというよりも(もちろん怖さもありますが)人の性や哀れさが主題だと思いますので、そちらの方が強く心に残る気がします。
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