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ポール・ワクテルの心理療法講義 の商品レビュー

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2020/06/05
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p91 本書に示された理論的・治療的アプローチの中心的な特徴は、患者の体験と人格に一貫して敬意を払いながら、そして、患者の強さに依拠したうえで共感的かつ率直に患者の痛みと機能不全を見ていくようにしながら、患者の問題と向き合うことにある。 p184 同じままの人間でありつづけることは必ずしも悪いことではない。精神分析、あるいはあらゆる良き心理療法の結果として期待されることのひとつは、ありのままの自分自身をよりよく感じられるようになることである。誰か別の人になひたいと切望する代わりに、自分自身であることをうれしく思うようになるのである。 p225 治療者が教育的になることに伴う問題は、治療者の態度に傲慢なところがあるのではないかということ、つまり、「私は人生における対処の仕方を知っている、あなたは知らない、だから教えてあげましょう」という雰囲気やメッセージがあるのではないかということにある。そうならないように保証する有用な手段のひとつは、帰属的コメントを用いることである。 p328 a.不安、罪悪感、恥といった感情に注目する。b.患者がその不安を克服するのを助ける。c.患者が受け容れられないと感じてきた体験を承認し、妥当なものとして認める。d.危険だとか不愉快だとかということで排除されてきた感情を、患者が感じるための余地をつくりだし、それを再び自分のものとして体験できるよう促進する。 p365 ジェロームフランク 心理療法の比較研究、アーヴィンヤーロム 実存的心理療法、ポールワクテル 統合的心理療法

Posted byブクログ

2016/05/13

まずワクテルの提唱する循環的心理力動論の解説があり、3つのセッションとそれらの振り返りが収録されている。ワクテルがどのように感じ、考えながらセラピーを進めているかがよくわかるので、心理療法を学ぶ者には有益な一冊といえる。セッションが丸々紹介されているだけでも大変貴重である。 こ...

まずワクテルの提唱する循環的心理力動論の解説があり、3つのセッションとそれらの振り返りが収録されている。ワクテルがどのように感じ、考えながらセラピーを進めているかがよくわかるので、心理療法を学ぶ者には有益な一冊といえる。セッションが丸々紹介されているだけでも大変貴重である。 この道のベテランであるワクテルでさえ、セッションではかなり苦戦している。いかにセラピーが難しいものであるかを体現してくれている。

Posted byブクログ