熟女家政婦と僕 の商品レビュー
キャラ立ちの良さとハイテンションな官能
デビュー作とのことだが纏まりの良さから既出作家の別名義もあり得る。フランス書院文庫としては2013年の『僕の家に来た美しすぎる家政婦』(著:葉川慎司)以来となる家政婦と高校生の主人公が寄宿する学生寮の寮母との2人ヒロインに留め、双方に備わる母属性を土台に、さらなる愛情と主人公のム...
デビュー作とのことだが纏まりの良さから既出作家の別名義もあり得る。フランス書院文庫としては2013年の『僕の家に来た美しすぎる家政婦』(著:葉川慎司)以来となる家政婦と高校生の主人公が寄宿する学生寮の寮母との2人ヒロインに留め、双方に備わる母属性を土台に、さらなる愛情と主人公のムスコ(家政婦からすれば御子息の御シソクか)のご立派な長大さと疲れを知らぬ若さに溺れ、堕ちていく淫らさが加味された内容と言える。 淑やかで慎ましい慈愛の【弓恵】35歳 主人公が幼かった頃から仕えている家政婦。普段は髪を結い上げた和装で清楚な佇まい。主人公とは長く共に過ごしてきたことで母子のような関係でもあったのだが、主人公の自慰を目撃し、その次を導くように男女の関係にもなる。家政婦の立場から控えめに努めるも、とある機会を経てからは積極的に変貌し、深い愛情を傾けるようにもなる。 奔放で積極的な母性愛の【綾香】31歳 主人公が通う高校の若き寮母。バツイチでもあり、奔放な振る舞いで過去にはちょっとした「前歴」も。主人公と弓恵との関係を知ったことで挑発的に迫るようになり、性愛指南という形で関係を結ぶようになる。ただ、その後はむしろ綾香の方が疼きを抑えられなくなり、時には可愛らしいおねだりまでしてしまうほど溺れていく。 大型連休からクリスマスという時間経過の中で実家と寮を行き来するストーリー展開は至ってシンプル。むしろ分かりやすいことで主人公からの押しには弱い弓恵と積極的に主人公を貪る綾香というキャラ設定に沿った情交描写の連続によるキャラ立ちの良さが際立っているようである。相手の存在も知ることで想いが徐々に変化していくヒロイン達のじわっとした心情描写も心地良い。 そして、台詞主体で綴られていく官能描写は極めてハイテンション。主筋も在宅であろう実家でも他に学生もいるであろう寮内でもお構いなしで嬌声をあげるヒロイン達には却って心配してしまうほどだが、メロメロのトロトロに蕩けていく熟女のインパクトで読み手を興奮に叩き込む筆致には往年の本藤悠作品を彷彿とさせる勢いがある。 お尻の「初めて」を捧げるところも含めてサブタイトルにある「青い初体験」を様々に具現化していく中で、後から出てきた綾香の方が終盤までは存在感が増していたのだが、最後の最後で弓恵にも明るい未来を示してバランスを取っていたのは何気にナイスな按排。久し振りに混じり気のない上げ膳・据え膳の誘惑作品を堪能した。
DSK
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