軽薄 の商品レビュー
この方の作品と言うより、この方自体に苦手意識があったのですが。 読んでみるとなかなか面白かった。 ただ、あまりにリアリティがなくて。 登場人物はハイスペックすぎて親近感ないし、全然感情移入できません。 が、閉塞感いっぱいの不倫というテーマを、ここまで開放的に、未来への展望があるよ...
この方の作品と言うより、この方自体に苦手意識があったのですが。 読んでみるとなかなか面白かった。 ただ、あまりにリアリティがなくて。 登場人物はハイスペックすぎて親近感ないし、全然感情移入できません。 が、閉塞感いっぱいの不倫というテーマを、ここまで開放的に、未来への展望があるように書けるのはすごいと思った。
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新刊は見逃さないつもりであったのに、前作『持たざる者』と併せて2冊共に、発売から大分日が経ってから購入した。 金原ひとみはずっとずっと、いちばん大切な作家だ。 デビュー作が出た頃私は中学生で、それから10年とすこしが経ち、金原ひとみは結婚し子どもを産んで海外へ移り住む。彼女が歳を...
新刊は見逃さないつもりであったのに、前作『持たざる者』と併せて2冊共に、発売から大分日が経ってから購入した。 金原ひとみはずっとずっと、いちばん大切な作家だ。 デビュー作が出た頃私は中学生で、それから10年とすこしが経ち、金原ひとみは結婚し子どもを産んで海外へ移り住む。彼女が歳を重ねると同じスピードで私も歳をとり、結婚も出産もしてはいないけれど、その時間経過と彼女の変わったところ・変わらないところを目の当たりに出来ていることがとても嬉しい。 一気に読み切ってしまった。 久々の長編小説。 自分と誰か、そのふたりの間にしか分かり得ない秩序と、法や外部のものの干渉を受けない罪と罰とが存在していること。 ある種の落ち着きというのか、かつての激しい感情のうねりや起伏は表立って描かれずにどこかに隠れて息を潜めている。けれど、突如すべてが崩壊して失われてしまうんじゃないかという危うさが張り付いていて、そのバランスに魅了される。 過去の、喪失した自分と今現在の自分という点と点とが結ばれて、世界が色づく。 やるせなさやある種の絶望感を纏って終わっていた過去作と比べて、勿論どうしようもなさ、みたいなものは後を引くけれど極めて希望的な終わりで、読了感の違いにすこし驚いた。
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とりたててストーリーが面白いという訳でなくても、金原ひとみの小説は、何を読んでも痛覚を刺激されるというか、ヒリヒリします。 タイトルの通り、主人公を取り巻く軽薄で通俗的な設定、タレントの淳が友人として登場したあたりでは、げんなり感さえあったくらいですが、その後の展開が少し意外で...
とりたててストーリーが面白いという訳でなくても、金原ひとみの小説は、何を読んでも痛覚を刺激されるというか、ヒリヒリします。 タイトルの通り、主人公を取り巻く軽薄で通俗的な設定、タレントの淳が友人として登場したあたりでは、げんなり感さえあったくらいですが、その後の展開が少し意外でした。 決定的な破たんを迎える前にお話が終わってしまいますが、この人の小説には「平穏な幸せ」はあり得ないのでしょう。 もはや何が幸せで何が不幸なのかもわからなくなってきます。
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父と母、父親の違う姉との暮らし、高校生の頃は荒れてて、家にも帰らず、彼氏と同棲。激しい罵り合い、いつ殺し、殺されてもいい状況。酒とドラックとという生活。 その彼の元を飛び出したが、その彼がストーカーになってしまい主人公カナは刺される。それをきっかけに渡英、そこでアパレル関係の学校...
父と母、父親の違う姉との暮らし、高校生の頃は荒れてて、家にも帰らず、彼氏と同棲。激しい罵り合い、いつ殺し、殺されてもいい状況。酒とドラックとという生活。 その彼の元を飛び出したが、その彼がストーカーになってしまい主人公カナは刺される。それをきっかけに渡英、そこでアパレル関係の学校、職を見つけ、赴任していた男性と知り合い結婚。学生の頃とは比べ物にならないくらいの、華やかな生活。 そんな中、甥っ子との不倫。 しかし、その甥っ子はかつて学生の頃、学校の先生と付き合っており、ストーカーまがいのことをして、傷害事件をおこしていた。 不倫を続けるか、続けないか。夫との関係、華やかな仕事、息子との関係など、色々考えることはあるが、結局は第一に考えていることは、自分自身のことのように感じた。 子どもでも、家庭でも、仕事でもなく、自分のしたいことを抑えようとはしているが、結局は行動が伴っていない。だから、軽薄なのか。 若かりし頃の生活ぶりから、一転してリッチでしかもとても賢い女性のようにも見受けられる考え方やとらえ方に違和感を感じた。もっと頭の悪い、感情のまま進んでいくのかなと思ったが、そうではなかった。 最後の方で、朝帰りをした時、どのように夫と話をし、解決したのか結局はわからなかった。離婚し、甥っ子と生きていくということを決断して終わっているが、その先もいろいろな展開がありそうだと感じた。 文字がぎっしりとつまった感じではあるが、一気に読めてしまった。 日本での生活と、日本以外での生活の対比があり、その部分の表現は何となくわかる気がした。 ー日本にいると、自分には何かが足りていないような気がしてしまう。がむしゃらに生きていないと、一瞬でも停滞すると、少しずつ何かを喪失しているような気持になる。常に何らかの目標や理想を持ち、それに向かってひた走っていないと自分が何かひどく劣った存在であるかのような気がしてしまう。ー ー日本には辛い事がない。目に見えてない。人種差別も、言葉の壁、文化の壁、自分の権利を強く主張し、交渉し、訴え続けることもしなくていい。日本だと、そういう国に生きている緊張感から完璧に解放される。ここまで清潔で安全な国は世界中どこにもない。今ある平和を守ろうと過剰に閉鎖的になるのもある意味当然。温かいお風呂の中でぼんやりしている内、脳みそが耳から溶け出していくような、そういう浸蝕系の苦しみが、ガス室に僅かずつガスを送り込まれるような蝕みを体感する。- 文化の対比ではないが、 ー仕事というのは麻薬のようなものだ。充実感と達成感と金をもたらし、すればするほど、人から賞賛されるー 以前違う人の本で読んだ、人の成長は仕事が一番達成感が得られるというのと似ていて、うなずいた。 決して専業主婦を否定しているわけではないが、満足感は得られても、達成感と成長というものは、社会の中で 得られるものではないかと改めて感じた。
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スタイリストのカナと、10歳年下の甥である弘斗との関係。 かつて、互いに依存し合い心中しても構わないと思っていた男に 背中を刺されてからカナの人生の一部は変わってしまったようだった。 イギリス留学での日々、夫となる直哉と小学生の息子俊の存在。 日本に帰国してスタイリストとして働く日常を どこか傍観して埋められない何かに焦る毎日。 甥の弘斗との肉体関係で快楽を得て それでも夫のことも、弘斗のことも愛していないカナが思うこと。 昔の男に殺されかけた記憶、 表面上は穏やかな弘斗の内に秘める暴力性。 立派な社会人を演出する夫、自由奔放な俳優。 主人公の内面が濁流のように書かれている文章に 圧倒されて息が詰まりそうになった前半。 なんかこう、ひねくれた目線で読んでしまう自分がいて、嫌な気持ちになってしまうのは きっと著者自身も作品も しょせん裕福な人の悩みなのかなとか思い込んじゃう。 共感できるところもあるんだけど、ね。 意地悪な気持ちになる(涙) 最後がなんだかしっくりこなかったな~~~。)^o^(
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甥と恋愛関係になってしまう叔母。 心の深い部分では、どこか攻撃性のある男を求めている。お互いが呼び会うのかもしれない。 H28.6.13読了
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金原ひとみさんの作品初めて読みました。 高い生活水準を得て、仕事も順調で家庭円満な主婦カナと甥が恋に落ちる話。 なぜ、甥と恋愛状態になるのかよくわからなかった。カナって男運がいいのか悪いのかわからない。 過去に変な男に捕まったから まともな男と結婚したのではないのか… ...
金原ひとみさんの作品初めて読みました。 高い生活水準を得て、仕事も順調で家庭円満な主婦カナと甥が恋に落ちる話。 なぜ、甥と恋愛状態になるのかよくわからなかった。カナって男運がいいのか悪いのかわからない。 過去に変な男に捕まったから まともな男と結婚したのではないのか… 甥も暴力的な一面があることがわかっても甥を選ぶって…理解できない。。。
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この人の話は章で区切ることがないので、なんとなくつらつらと読めてしまう。 幼少時代以来の大学生になった帰国子女の甥と不倫する話。 主人公のカナも訳あり山盛りで、とにかくはじまってからはエロいエロい。呆れるほど。こんなの身内にいたら嫌だなぁ。
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暴力に引き寄せられる人の気持ちは全く理解できないけど、周りに意外とそういう人はいたりしてリアリティがありました。話を聞いてるとあーあと思うのですが何もしてあげられないもどかしい気持ちを読んでいて感じました。小説としては予想外の終わり方でしたが、現実は極めて現実的。 まだ小さいこど...
暴力に引き寄せられる人の気持ちは全く理解できないけど、周りに意外とそういう人はいたりしてリアリティがありました。話を聞いてるとあーあと思うのですが何もしてあげられないもどかしい気持ちを読んでいて感じました。小説としては予想外の終わり方でしたが、現実は極めて現実的。 まだ小さいこどもの存在感があまりにもおざなりなのが気になりました。
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※このレビューにはネタバレを含みます
主人公のバブリィな生活に 庶民の私にはチンプンカンプンで ついていけるかと思いきや、 価値観というかものの見方 冷め具合が私とぴったり合ってしまい グイグイ読めた。 比喩や表現も細やかで素晴らしい 金原さん、いいですね、もっと読みたくなりました。
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