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CIAの秘密戦争 の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2018/10/26

CIAが対象国の情報収集といったインテリジェンス収集活動から、いかにしてドローンによる暗殺を実行するようになったのか、その実態が事細かに描かれている。 あまりにも詳細で、日本ではほとんど知られていないニュースやもちろんアメリカ本国でも浸透していない事などが盛りだくさん。しかも登場...

CIAが対象国の情報収集といったインテリジェンス収集活動から、いかにしてドローンによる暗殺を実行するようになったのか、その実態が事細かに描かれている。 あまりにも詳細で、日本ではほとんど知られていないニュースやもちろんアメリカ本国でも浸透していない事などが盛りだくさん。しかも登場人物も多数で、時間のながれも前後していたりと、かなり読みにくい内容であるが、CIAってこういうことをやっていたのか、といった漠然とした読後感は残った。

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2017/05/07

9.11アメリカテロからのCIA、国防総省、ホワイトハウスを中心とした、アメリカの対テロ戦争に対するドキュメンタリー書。 テロ対策をきっかけとして、CIAの対外諜報から標的殺害(暗殺)へ枠を拡げると共に、国防総省も戦争からインテリジェンスへの拡大による、国としての機能の重複と縄張...

9.11アメリカテロからのCIA、国防総省、ホワイトハウスを中心とした、アメリカの対テロ戦争に対するドキュメンタリー書。 テロ対策をきっかけとして、CIAの対外諜報から標的殺害(暗殺)へ枠を拡げると共に、国防総省も戦争からインテリジェンスへの拡大による、国としての機能の重複と縄張り争いの激化。 たいへん綿密に綴られております。 特にビンラディンの標的殺害については、パキスタンの軍および諜報機関同士との関係性など、非常に興味深い内容でした。 最後に、日本のインテリジェンスの大家である、小谷賢さんが監訳をしておりましたので、本書を手にとりました。

Posted byブクログ

2016/10/21

CIAが、9.11以降かつての暗殺部隊に戻り、世界各地でドローン他による殺害を繰り返している。何となくは知っていたが、ここまで詳細に書かれているとは驚きだ。 アメリカの勝手な正義で、間違った情報で無実の市民が巻き込まれて死んでいる。こんな事が許されるはずはない。 ヒラリーも同じ事...

CIAが、9.11以降かつての暗殺部隊に戻り、世界各地でドローン他による殺害を繰り返している。何となくは知っていたが、ここまで詳細に書かれているとは驚きだ。 アメリカの勝手な正義で、間違った情報で無実の市民が巻き込まれて死んでいる。こんな事が許されるはずはない。 ヒラリーも同じ事をやるのだろう。アメリカはいつか、正しい方向に戻れるだろか?

Posted byブクログ

2016/07/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

東西冷戦終結の陰の立役者になると同時にその役割を終えたかに見えたCIAだか、9.11を機にプレゼンスを高めていく。かつてのインテリジェンス機関がテロリストの拘束、尋問、拷問、そして暗殺に進む中、軍との軋轢を呼び、「情報機関が戦争を行い、軍事組織が現地のインテリジェンスを収集しようとしている」状況を招く。そこに一儲けを目論む民間軍事産業。こうした歪んだ構造とCIAの迷走、失敗などかよくわかる。

Posted byブクログ

2016/04/18

CIAの秘密戦争 マーク・マゼッティ著 水面下のテロとの戦いに迫る 2016/4/17付日本経済新聞 朝刊  終了まで1年を切ったオバマ政権は、イラク撤退、慎重なシリア政策、軍事費削減に見られるように、一般的には軍事介入に後ろ向きの政権と解釈されがちだ。だが、戦争には表...

CIAの秘密戦争 マーク・マゼッティ著 水面下のテロとの戦いに迫る 2016/4/17付日本経済新聞 朝刊  終了まで1年を切ったオバマ政権は、イラク撤退、慎重なシリア政策、軍事費削減に見られるように、一般的には軍事介入に後ろ向きの政権と解釈されがちだ。だが、戦争には表には出ない水面下の「影の戦争」がある。本書は、米中央情報局(CIA)が見えない戦争の主役になっている現状を米紙記者が丹念な取材で明らかにしたものだ。  転機は9.11テロだった。冷戦終焉(しゅうえん)で下降線を辿(たど)っていたCIAの予算と権限が、対テロ戦争で増大された。フォード大統領によって禁じられていた暗殺も認められるようになった。テロを事前に防ぐことが、インテリジェンス(諜報(ちょうほう))の蓄積なしには不可能である以上、CIAの権限拡大は必然だったかもしれない。  しかし、著者は深刻な弊害について問題を提起する。CIAが諜報の枠を超えて、軍事行動の当事者となっている実態だ。国防総省との縄張り争いのエスカレートは、軍事と諜報の相乗りを加速させている。  本書が明かす内容で衝撃なのは、無人機ドローンを用いた攻撃が頻繁に行われていることだ。「標的分析官が殺害の対象者を正確に把握していなくてもミサイル攻撃する許可」をCIAはホワイトハウスから得ているという。ドローン攻撃は対象が「疑わしい行動」をとったかで判断される。「戦闘可能な男」と見なされれば攻撃は合法となる。パキスタンでのドローン攻撃で「民間人は殺害していない」とオバマ政権が主張できる根拠がここにあったと著者は述べる。  伝統的な戦闘員と民間人の定義が通用しない時代に、いつのまにか突入している。旧来の戦争倫理がドローン攻撃に対応できるのか。本書はそうした問いへの挑戦状でもある。オバマ政権は、米兵の死傷報道で支持率が急降下する法則をイラク戦争で学んだが、軍事攻撃は極秘であれば「戦争」と定義されないことも裏の真実だった。  ビンラディン殺害作戦の記録としての価値も本書にはある。作戦はCIAのものとして遂行され、同局パネッタ長官が責任者だった。クリントン国務長官が行き過ぎたドローン攻撃に対して、駐パキスタン大使の承認が必要として牽制(けんせい)したのに対して、「間違っている」とパネッタ氏が反論するシーンは鮮烈だ。  反戦論者の印象が強いオバマ大統領がCIAのドローン攻撃を追認する一方、安全保障ではタカ派とされがちなクリントン氏が外交的手続き論を尊重していた様子は、オバマ政権内の興味深い裏側も浮き彫りにしている。 原題=THE WAY OF THE KNIFE (池田美紀訳、早川書房・2200円) ▼著者は74年米国生まれ。米ニューヨーク・タイムズ紙記者。 《評》北海道大学准教授 渡辺 将人

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