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九十九藤 の商品レビュー

3.9

31件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/03/27

お店と派遣する人材との仲をとり持つ口入屋の立て直しに主人公のお藤が挑むお話。 筋の通ったお藤の言動にしびれたり、さまざまな立場の人と人との間で生まれる情に心が温かくなったり、読み応えがあった。 ☆4.2

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2023/12/22

ありきたりな感想だけど、それなりの形で幸せになってよかった。 いろんな制約、目に見えない縛り、押さえつけられてる鬱屈みたいなものがみんな剥き出しで、どうなることかとハラハラした。

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2022/05/07

2022年5月7日 つづらふじ 自分のギフトを生かして 口入やを営む。 人にも恵まれていく。 妬み嫉みで窮地に陥るも、 逆手にとって1日普請。 心意気、人に助けられる。 真っ当に、人の幸せを願うこの生き方に胸がすく。

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2022/02/08

四日市で旅籠を営んでいた「小津屋」の一人娘・お藤は、父親亡き後、継母から、14の時に、身売りされ、這這の体で逃げ出した。 女衒から追われていた時に、一人の侍に助けられた。 その二人が、江戸で再開した時は、お藤は、口入屋の差配。侍は、仲間を取り締まる「黒羽の百蔵」と、人から恐れられ...

四日市で旅籠を営んでいた「小津屋」の一人娘・お藤は、父親亡き後、継母から、14の時に、身売りされ、這這の体で逃げ出した。 女衒から追われていた時に、一人の侍に助けられた。 その二人が、江戸で再開した時は、お藤は、口入屋の差配。侍は、仲間を取り締まる「黒羽の百蔵」と、人から恐れられる男になっていた。 上手くいっていない口入屋を、立て直すため、武家奉公を専らとしていた商いを、商家への派遣に切り替えようとするが、多くの困難に見舞われる。 面白く、一気読み作品。

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2021/10/24

商いを通して人の生き方を考えさせられる本だった。 慣れない言葉が多いので、辞書引きながら。 読むのに時間かかるだろうなぁと思ったけど、テンポがよくあっという間に読み切れた。 仕事が行き詰まった時に読みたい本。 ▼人にとって楽より大事なのは、気持ちの張りです。 ▼日々の小さな不満...

商いを通して人の生き方を考えさせられる本だった。 慣れない言葉が多いので、辞書引きながら。 読むのに時間かかるだろうなぁと思ったけど、テンポがよくあっという間に読み切れた。 仕事が行き詰まった時に読みたい本。 ▼人にとって楽より大事なのは、気持ちの張りです。 ▼日々の小さな不満こそ溜め込むととんでもない大きさになって返ってくる。小出しにさせることが肝心で聞く耳が多いほど薬効があがる。 ▼考えるのをやめてごらんな。 勉強になります。 登場人物がみんな気風がよくてかっこいい。 昔の人のこういう心意気が大好きです。

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2021/10/08

「心淋し川」でも書いたけど、この人の文章は読みやすく、話の運びが上手なので頁をめくる手が止まらない。 これは恋愛小説なのかなぁ。オタク第一世代と自負している身としては簡単に色んな場面が脳内変換できるのだけど、ほんとにこういうのでいいんだよ。 陰惨な描写や倦んだ心情を延々綴ら...

「心淋し川」でも書いたけど、この人の文章は読みやすく、話の運びが上手なので頁をめくる手が止まらない。 これは恋愛小説なのかなぁ。オタク第一世代と自負している身としては簡単に色んな場面が脳内変換できるのだけど、ほんとにこういうのでいいんだよ。 陰惨な描写や倦んだ心情を延々綴られる小説は、もう私には適しない。 穏やかなエンディングにほっと一息つける安心が嬉しい。

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2021/06/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

初 西條奈加作品。 「『商いは人で決まる』信条として、それだけは肝に銘じてもらいます。」お藤の第一声が、”口入れ屋・冬屋”を決める。なかなか、実行するには難しいですが、この一言で、「その未来」が感じられます。 「仕事が辛いのは当たり前じゃないか」「辛いからこそ、やり甲斐が大事なんです」何か忘れていたことを思い出させる一言です。辛いことから逃げ出さず、諦めず、やり通すためにできること、しなくてはいけないこと。それが”やり甲斐”なのかもしれない。昔も今も。さらに「理不尽にも、黙って目をつむる。それが辛抱」。辛い一言です。 江戸は、地方からの流入人口が多く、もっと、にぎやかな明るい街だと思っていました。口入れ屋が幅を利かせる弱肉強食というか、田舎者を馬車馬のように働かせ用済みになったら切り捨てる社会という一面もあることをあらためて感じた。持たない人間のやる方ない憤懣を、痛哭を、深い悲しみを。負けるな町人。って。 「商人にとっての力は、刀でも武でもなく財である。それを存分に振るってみてはどうか」討ち入り後の店を一日で立て直すなんて、拍手喝采です。 悪いのは何も越後屋ばかりではなかったのですね。 一点だけ、九十九で手紙を送って、返事は兵庫?普通、「百」でしょ。

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2016/12/30

良かった!お藤さんが働く女としてかっこいいし、百蔵さんもニヒルなヒーローという感じ。最後にいい余韻を持たせるのが、本当に上手い作家さんだと思う。

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2016/12/15

江戸時代の人材派遣業・口入屋「冬屋」の立て直しに奮闘するのは、細腕の女性ながらも差配に抜擢されたお藤。亡き祖母から仕込まれた口入稼業の手腕を発揮し、前代未聞の勝負に打って出る。 「鱗や繁盛記」などの系統か、西條さんの江戸時代版お仕事小説、今作も面白い。ピンチな場面もあるけど、そ...

江戸時代の人材派遣業・口入屋「冬屋」の立て直しに奮闘するのは、細腕の女性ながらも差配に抜擢されたお藤。亡き祖母から仕込まれた口入稼業の手腕を発揮し、前代未聞の勝負に打って出る。 「鱗や繁盛記」などの系統か、西條さんの江戸時代版お仕事小説、今作も面白い。ピンチな場面もあるけど、それを乗り越えていく頼もしさがキャラに備わっていて、安心して読み進めることができる。欲張りを言えば、恋バナを挟み込むのもいいけど、口入屋稼業のノウハウの話をもっと読んでみたかったかな。でも、百蔵も格好良くて好き。

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2016/12/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いろんな江戸ものに出てくる口入屋、が舞台なのがまず珍しくて、物語に入りやすかった。それを女だてらに仕切る差配、お藤。いったいどういういきさつか、と興味を抱かせる序盤、じょじょに過去も語られつつ。。お兼、お品と脇役の女たちもイメージしやすくて○。そして、“生きるためには張りが必要、下ごしらえや辛抱も必要、辛さに耐えるためのやり甲斐がなにより必要”。。。お藤の目指す姿勢はうんうんと頷けることばかりで。小ピンチ大ピンチ襲ってくるけれど、たびたび這い上がるさまも胸がすくようで。生きる力に溢れているお藤はとてもかっこいい。 百蔵との恋の部分だけが、なんか、運命の出会いにしては、初見の出会いもほんと数分の出来事だろうし、その後の出会いでもわずか数度、さしで話したのはいちどきりなら結ばれたのもいちどきり、それでこんなに都合よくいくかな、そんなに深い愛が生まれるもんかな、というとこが、ひっかかっちゃったけど。 芯の強い女性像としてとても印象に残るお話でした。装丁もきれいだし、ぜひ女性に読んでほしい1冊。

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