小説 秒速5センチメートル の商品レビュー
後悔のない人はいない。その後悔を振り切れるかどうかが道を分ける。 貴樹はその勇気がなかったのだろう。あまりにも完璧な存在であった少女を失った後悔が足枷となり、自分を見つけられなくなっていた。 貴樹はそれ以来、周りを受け入れてるようで拒絶していた気がする。自分を形作るのは自分で...
後悔のない人はいない。その後悔を振り切れるかどうかが道を分ける。 貴樹はその勇気がなかったのだろう。あまりにも完璧な存在であった少女を失った後悔が足枷となり、自分を見つけられなくなっていた。 貴樹はそれ以来、周りを受け入れてるようで拒絶していた気がする。自分を形作るのは自分ではなく、他人なのだと思う。他人を頼る力が、彼には足りなかったのだと感じる。 自分が前を向けるきっかけは、今まで何だったのかを振り返ることが重要だ。それを失ってしまったならば、再度近しい存在を探すしかない。1人じゃ人間は生きていけないのだから。
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タイトルに魅かれて読んでみようと思ったけれど、タイトル回収が小説の最初の方すぎてびっくりした。 実写映画化が決まったとのことで、映像は絶対キレイだろうなと期待できる。
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興味深いタイトルに惹かれ手にしたこの作品。3章で構成されており、主人公の貴樹くんと、貴樹くんの人生に影響を与える女の子たちの物語です。言の葉の庭もそうでしたが、章ごとに登場人物の視点がすり変わっていくのが面白い。なんだか自分の将来が心配になった、そんな作品です。
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1章目の『桜花抄』での貴樹と明里は、村上春樹氏の『国境の南、太陽の西』の始と島本さんに似ていると感じました。 初恋の人が自分の一部であると感じる貴樹と、思い出の一部と感じる明里。2人の初恋の喪失感の違いに切なくなりました。
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先日、実写化映画が発表された新海誠監督のアニメーション映画の、小説版。ノベライズ版ではなく、原作でもなく、アニメーション映画と同時に新海誠本人が書いた映画と同じ作品の小説版らしい。映画は実は名前だけ知っていてまだ観ていない。一部のファンに神格化されているのは知っていて、この度の実...
先日、実写化映画が発表された新海誠監督のアニメーション映画の、小説版。ノベライズ版ではなく、原作でもなく、アニメーション映画と同時に新海誠本人が書いた映画と同じ作品の小説版らしい。映画は実は名前だけ知っていてまだ観ていない。一部のファンに神格化されているのは知っていて、この度の実写化発表でまた界隈がザワッとした雰囲気を感じたのでいっちょ観てみるか!と思ったものの、アマプラになくてトーンダウンしたのち、文庫を見つけて本から入った。 前置きが長いが、感想としては、3つの章からなるこの作品の、最初の2つの章は、きっと映画のほうが良いのだろうなという感想。おそらく、新海監督特有のあのキラッとした光マジックな作画があって成り立つのかなと。とにかく美しくないと3章目が生きないので。 ところが3つ目の章になり、おとなになった主人公のビターな人生は、小説ぽかった。むしろ、この章はアニメーションでどう表現したのだろうな?気になる。最初の2つの章と異なり一人称ではなく三人称で書かれているのだけれど、小説ならではの「神の視点」が心地よかった。 なるほどなるほど、そういうテーマの作品だったのか。子供の頃に思っていた、あるいは願っていた通りの大人になってないし未来にもなってないけれども、それを受け入れて前に進むのが大人になるということだ。いろいろな人との出会いがあるけれども、心が共鳴するパートナーにめぐりあい添い遂げるのは、奇跡。じゃあ子供の頃に夢を見ず現実を知るほうがよいのか?というとそうではない。子供の頃の美しい無垢な記憶が、宝物となり続けて大人になった自分の推進力になる。 蛇足だけど…女の子の登場人物の心の声は、作者が男性だと作者の趣味かななんて感想がついよぎっちゃうことは小説家の作品でもたまにある…。今回はエンタメ色の強いアニメーション作家だからか、より一層、作者のフィルターを通した女の子像を背負ったキャラクターたちを感じてしまい、少しだけ、引っかかるものはあったけれどそれは私の趣味の問題。(変に媚びてるとか男子の理想だとかそういうのではないのだけれど、なんとなく現実味はなくて男子の夢を感じちゃうんだな。) 結論。アニメーション映画のほうをちゃんと観なくてはならない。
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些細な日常の出来事や風景が、大切な記憶を呼び戻すことってあると思います。 それが辛いときも救いになる時もある。 囚われてばかりでは辛いけど、引きずってばかりでは辛いけど、そんな現実を日常と共に表現している作品だと思います。 変化が急速な現代だからこそ、あの時の気持ちを大切にして...
些細な日常の出来事や風景が、大切な記憶を呼び戻すことってあると思います。 それが辛いときも救いになる時もある。 囚われてばかりでは辛いけど、引きずってばかりでは辛いけど、そんな現実を日常と共に表現している作品だと思います。 変化が急速な現代だからこそ、あの時の気持ちを大切にしている主人公がとても好きです。ちょっと引きずりすぎじゃない?と思うこともあるけど。 最後には素敵な思い出として消化できたのかな、って考えたらまた前に進めるのかなって。
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きれいな恋の物語。何もない僕には全てが羨ましくまぶしいものでした。ページ数は少なく比較的早く読み終えることができましたが心に大きく温かいものを貰えた気がします。 自分を想ってくれる相手がいる、自分が大切だと想える相手がいるということはとても素敵です。 悩んで笑って泣いて様々な経験...
きれいな恋の物語。何もない僕には全てが羨ましくまぶしいものでした。ページ数は少なく比較的早く読み終えることができましたが心に大きく温かいものを貰えた気がします。 自分を想ってくれる相手がいる、自分が大切だと想える相手がいるということはとても素敵です。 悩んで笑って泣いて様々な経験をしている主人公、これからは時々後ろを振り返りながらも笑って前を向いて進んでいくのでしょう。おそらくハッピーエンドだと思います。何故か東京に住んでみたくなりました。 僕も誰かに「きっと大丈夫」と言ってもらえる人になろう。
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過去に囚われすぎるのって気持ち悪いなあ 明里は綺麗な思い出としてあっさり受け止めていて、今を生きていて、未来を見ていることに感心する。
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本はほとんど読まなかったけど、この本を読んで、昔の自分の恋愛ととても似ているものを感じました。小さいながら、なにかにしばられながら頑張った恋愛が、成長するとどこがで生きてるような生きてないような。同じ感覚でした。面白いかったです。また読者の魅力にも気がつけた気がします。今後も読者...
本はほとんど読まなかったけど、この本を読んで、昔の自分の恋愛ととても似ているものを感じました。小さいながら、なにかにしばられながら頑張った恋愛が、成長するとどこがで生きてるような生きてないような。同じ感覚でした。面白いかったです。また読者の魅力にも気がつけた気がします。今後も読者を楽しみたいです
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映画は観ずに小説から読んでみた。幼い頃の2人の恋はとても純粋で、素直で美しく感じる。主人公の成長とともに恋愛の変化はあるけれど、変わらない部分も理解できる。映画を観てみたい。 個人的に好きな文 ひとりで行きたい場所と、ふたりで行きたい場所は別なのね。でもあの頃はそれを一致させな...
映画は観ずに小説から読んでみた。幼い頃の2人の恋はとても純粋で、素直で美しく感じる。主人公の成長とともに恋愛の変化はあるけれど、変わらない部分も理解できる。映画を観てみたい。 個人的に好きな文 ひとりで行きたい場所と、ふたりで行きたい場所は別なのね。でもあの頃はそれを一致させなきゃって必死だったような気がするな
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