優雅なeiπ=-1への旅 新訂版 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
理系にもかかわらずあまり数学に関する書籍を読んだことがなくこの手の書籍では初めての読了。受験勉強はあまり高度なところまで手を広げられなかったため、最近になって数学の本質や何気なく使う数学手法の意味に興味が湧き、本屋でいろいろ眺めた結果手に取った一冊。正直、すべてを理解できたとも思えないが、数学的思考について、数理哲学という考え方について考えてみようと思うきっかけを得ることができたと思う。「数学言語の意味の流通場」、「数の拡張に至る背景」、「言語認識とイメージ認識の齟齬」これらをキーワードとした内容は自分でも理解したつもりで、印象深かった。また、p224のカッシーラの言葉「等式において述べられている〈関係〉のみが既知なのであり…」が「なぜeをiπ回かけたら-1なのか」という質問自体が意味をなさないことを改めて認識させ、それに続く著者の言葉から数学に対してどのようなことを疑問に思うべきか、なんとなくわかった気がした。加えて、自分の数学的思考の至らなさ、知識の少なさも感じ、もっと知りたいもっといろんな本を読みたいと思わせてくれたことも含めて、この本を読んだことにとても価値を感じた。また、著者の日本語の使い方、文章の巧みさも読んでいて面白さを感じる一因だったと思う。 至らぬ日本語で長々レビュー書かせていただきました。すみません。
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