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東福門院和子の涙(下) の商品レビュー

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2018/06/15

徳川二代将軍秀忠の娘・和子は、後水尾天皇に嫁ぎました。 江戸時代の初期に、朝廷との力関係を巡って緊迫していた時期のことです。 気苦労の多い人生だったのだなあと思うと少々気の毒ですが。 天皇にずっと疎まれていたわけではなく、仲良く過ごした日々もあったことに、ほっとしました。 7度...

徳川二代将軍秀忠の娘・和子は、後水尾天皇に嫁ぎました。 江戸時代の初期に、朝廷との力関係を巡って緊迫していた時期のことです。 気苦労の多い人生だったのだなあと思うと少々気の毒ですが。 天皇にずっと疎まれていたわけではなく、仲良く過ごした日々もあったことに、ほっとしました。 7度の出産に恵まれましたが、男子二人は急逝。 幼児死亡率の高い時代ですから定かな事はわかりませんが、幕府としては疑いを抱いたかも‥ 天皇としても、和子の身にまで危険が及ぶ可能性を考えたかもしれない‥? 巻末に天皇の側室と子のリストがあるのですが、これが多いのにはびっくり。幕府にもそういう将軍がいたけど、高齢まで出産していて女官も何とタフ‥ 和子は長女の内親王を次の天皇にすすめ、側室の生んだ男子を養子としてその次の天皇に決めようと、双方の顔を立てた形にしたと。 本人の才覚も生かせたようですし、当時としては長寿。 生き抜いたのですね‥ 女性のパワーを感じます☆

Posted byブクログ

2016/04/18

武家から朝廷に嫁いだ和子だが、御所内の女たちの妨げにより帝と心を通わせることがなかなか出来ない。それでもようやく帝との交わりも持ち、子も授かる。 武家からやってきた和子が、それまでの朝廷に風穴を開けるような物語を勝手に期待していたため、読み終わって感じたことは何と言うことなく終...

武家から朝廷に嫁いだ和子だが、御所内の女たちの妨げにより帝と心を通わせることがなかなか出来ない。それでもようやく帝との交わりも持ち、子も授かる。 武家からやってきた和子が、それまでの朝廷に風穴を開けるような物語を勝手に期待していたため、読み終わって感じたことは何と言うことなく終わったということ。 それなりに揉め事があり事件も起きるのだが、和子はただ耐えている。 それを健気な女性と捉えることも出来るけれど、勝手に期待していたのでやや物足りない。 遠い都で帝に顧みられずおかわいそうとゆきはさかんに気の毒がるが、当時ひとりで慣れないところへ嫁いで二度と故郷へ帰れなかったのは何も和子ひとりではなかったはず。確かに言葉から作法から違う朝廷に嫁ぐことは、武家から武家へ嫁ぐことより辛く厳しいこともあるとは思う。それでもいつまででも慣れない都と言い訳して気の毒がってばかりでいても仕方がない。 和子は後年帝との交流が絶え寂しさから贅沢をするようになる。それに関しても、お付きの立場なので当たり前かもしれないが、和子は可哀想だから仕方がないといったゆきの言葉が鼻につく。 可哀想可哀想で何でも許されるのなら、寧ろ幸せ者と言える。 期待したような盛り上がりは特にないまま、和子は当時としては十分長寿で安らかに生涯を終える。 関わることのない朝廷や帝というものの世界を少し覗き見ることが出来たことは、興味深く面白かった。

Posted byブクログ

2016/02/19

将軍家から朝廷に初めて嫁いだ徳川二代将軍の娘、和子。「稀なる福運の姫君」と称えられた慈愛の国母を描いた、感動の長編小説!

Posted byブクログ