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あの夏に還して(1) の商品レビュー

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2016/03/17

太平洋戦争中に命が尽きた(はずの)軍人二人が主人公宅及び近所に現れる。自分は死んだはずなのに、戦争はどうなっていると疑問を持ったまま。戦争を引きずる2人を広島の原爆資料館へ連れて行こうと考えた主人公。そりゃ2人にとっては自分らが関わり、手を汚した戦争の結末を知るのは嫌でしょう。そ...

太平洋戦争中に命が尽きた(はずの)軍人二人が主人公宅及び近所に現れる。自分は死んだはずなのに、戦争はどうなっていると疑問を持ったまま。戦争を引きずる2人を広島の原爆資料館へ連れて行こうと考えた主人公。そりゃ2人にとっては自分らが関わり、手を汚した戦争の結末を知るのは嫌でしょう。それが当時の国の為とはいえ。そんな彼らに中には入らないでもいい、出てくる人たちの顔を見てほしいと伝える主人公。なるほどね~と思いましたよ。敗戦、平和、そんな時代があるのも過去の大戦の結果。彼らにとっては過去でなくリアル。リアル(現実)が実際は過去だと、戦争は終わったのだと。直接は見ずとも、それら資料を見てきた人達の顔から想像するのは戦争の悲惨さ、平和のありがたさ、しょせん過去のこと、その他いくつもあるんだろうけど、受け取り方は千差万別。過去からやってきた2人はどれをどう受け止めるのか。

Posted byブクログ